ワセリンの使い方はさまざま|特徴を理解して肌トラブルを防ぐ
ワセリンにはいろいろな使い方がある
ワセリンという名でよく知られていますが、英語名では「petroleum jelly」です。petroleum(石油)という名前通り、石油から作られた自然由来のものです。石油というと、自然由来ではないイメージを持ちますが、石油はもともと植物が堆積したもので、それを精製して純度を高めたワセリンは、安心して肌にも使えるものです。
ワセリンは肌に浸透するのではなく、肌の上に膜を作り皮膚内から水分が蒸発するのを防ぐほか、外からの刺激を防ぐことができます。便利な使い方を知り、乾燥から肌を守りましょう。
ワセリンのおすすめの使い方
ワセリンの特徴を生かした6通りの使い方を解説します。よく知られた使い方から意外なものまであるかもしれませんが、どれもシンプルで手軽にできるものばかりです。特に乾燥が気になる季節には試してみる価値ありです。
唇を保湿して乾燥を防ぐ
ワセリンをリップクリームのように唇を保湿するのは、一番メジャーとも言える使い方です。シンプルに唇に直接塗るだけではなく、唇のパックとしても使用できます。
やり方はいたって簡単。ワセリンを塗った後にラップをして数分そのままにしておくだけ。ワセリンは天然由来の成分からできているので、口に入っても問題ありません。油分の残りが気になる場合は、軽くティッシュで拭き取りましょう。
特に乾燥が気になる時は、ワセリンパックの前にぬるま湯を含ませたコットンを唇につけて少しおき、必要に応じてピーリングするの方法もあります。ワセリンが唇から水分を逃さないようにしてくれます。お風呂上がりなど、すでに唇がしっとりしている状態でパックをするのもおすすめです。
ハンドクリームとして使う
こちらもワセリンの使い方として良く知られている方法です。乾燥によるささくれ、ひびやあかぎれができた場合も、ワセリンをつけると水をはじいてくれるため、しみることがありません。
薬局などでは、様々なハンドクリームが販売され保湿成分の種類も多いですが、ワセリンはあくまで手に油分のヴェールを作ることで乾燥を防ぐものです。つまり、ワセリンだけでは皮膚に保湿成分を補充できるわけではありません。
乾燥が特に気になる場合は、化粧水などで水分を十分に補ってからワセリンを塗りましょう。さらに手袋をして一晩寝ると、朝には水分を含んだしっとりとした手になっているはずです。
クレンジングとして使う
ワセリンは油分でできていること、またその成分が天然素材由来であることから、敏感肌の人でも安心して使えるクレンジング(メイク落とし)として使うこともできます。
少量を手に取り温め、柔らかくなった状態でメイクとなじませます。メイク用品には通常、油分が入っているため同じ油分のメイクを溶かしだすことができます。その後、優しくコットンなどでふき取ります。
この際、気をつけたいことは使用するワセリンの量です。ワセリンは水に溶けないため、ふき取るしかありません。ただ、メイクをしっかり落とそうと大量に使用すると、その分ふき取る量が増えるため肌への負担が増える可能性があります。少しずつ足しながら、必要な量だけで使用するようにしましょう。
髪の毛先につけて枝毛予防
枝毛とは、髪内部の水分を守る外皮のキューティクルが剥がれ落ちてしまった結果、乾燥が進み毛先が木の枝のように裂けてしまった状態です。髪の毛が絡まりやすくなり抜け毛の原因になるほか、パサついた触感になりダメージを受けた髪という印象になりがち。
特に乾燥するのはドライヤーをかけるときです。そこで水分を閉じ込められるワセリンを使用し、毛先に少量のワセリンを薄くのばすことで、髪内部の水分を逃しにくくなります。つけすぎるとべたついてしまうほか、ドライヤーの熱で熱くなりすぎるので注意が必要です。
口紅と混ぜてオリジナルのグロスを作る
「お気に入りの口紅の色と同じ色のグロスが販売されていない」、「口紅だと色がはっきり付きすぎて使いづらい」などの場合、ワセリンを使ってオリジナルのグロスを作るのはどうでしょうか。
用意するのは口紅、ワセリン、出来上がったグロスを入れる容器、混ぜるためのスパチュラ(なければつまようじでもOK)、寒い室内で行う場合は熱が伝わるスプーンがあればより混ぜやすくなります。口紅とワセリンの量を調整することで、色味やツヤを自分好みにできます。
靴擦れしやすい場所に塗る
新しい靴やサイズが合っていない靴を履いた時に、靴と足の摩擦で起こるのが靴擦れです。一度なってしまうと、歩く際に痛みを伴うほか、お風呂で水が染みて痛いなど辛い状況になります。
そこで、ワセリンの油の膜を作る特徴に注目。靴擦れする可能性がある足の部分にあらかじめワセリンを塗布することで、滑りやすくなり摩擦がおきにくく、靴擦れを予防できます。もし、靴擦れがおきてしまったときは、痛む部分にワセリンを塗っておくことで直接靴があたりにくくなり、応急処置としても最適です。
ワセリンの種類と選び方
ワセリンは「黄色ワセリン」と「白色ワセリン」の大きく2種類に分けられます。その違いは、石油から作られる際に精製の純度がどれだけ高いかです。
特に白色ワセリンについては純度によってさらにいくつか種類があります。それぞれの違いを知り、自分に合ったワセリンを見つけられるようにしましょう。
純度が低い黄色ワセリン
黄色ワセリンは一番純度が低い、つまり不純物を多く含んだワセリンです。しかし、肌の弱い人や目の周りなど皮膚の薄い場所でなければ問題なく使用できることが多いようです。
最も有名なのは、アメリカのユニリーバ社製の「Vaseline」。140年以上の歴史があり、世界90か国以上で販売されています。成分はワセリン、酢酸トコフェロール(ビタミンE)、酸化防止剤(BHT)となっており、長期保存がしやすいのが特徴です。
Vaselineは純度が高くないこともあり、比較的手ごろな値段です。また、リップ用の小さいサイズやチューブ型、ワセリンを主成分にして保湿成分も配合したボディローションなど商品ラインナップが豊富です。
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B003ZX6SR8″ title=”ヴァセリン オリジナルピュアスキンジェリー 200g”]
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B000IHYPMO” title=”ヴァセリン ペトロリュームジェリー リップA レギュラー10g”]
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B00OXGLV1Y” title=”Vaseline [repairing moisuture]リペアリング モイスチャー ローション 3本セット 642498″]
刺激が少ない白色ワセリン
黄色ワセリンに対して、純度が高いのが白色ワセリンです。その中でも、白色ワセリン、プロペト、サンホワイトという商品名で純度が上がっていきます。
白色ワセリンには少量の不純物が混じっていますが、敏感肌の人でも問題なく使用できるとされています。また、目の周りなどにも使用可。前述のクレンジング剤としてワセリンを使う場合は、白色ワセリンのほうがトラブルが起きにくいようです。
特にプロペトやサンホワイトは医療機関で使われるほど高純度、高品質。サンホワイトは赤ちゃんも安心して使用できるワセリンになります。通常のドラッグストアでは販売されていない可能性がありますが、インターネットで入手可能です。
ワセリンを使う時の注意点
いろいろな場面で役立つワセリンですが、肌に直接つけるものだからこそ正しく使用しないとトラブルを起こす可能性も否定できません。特に、下記の2点は使用前に押さえておきましょう。
毎日しっかり洗い流す
乾燥を防ぐワセリンですが、水分を補う効果はありません。そのため、長期間にわたり水分を補わずにワセリンの膜を肌の上に作り続けると、肌がワセリンに頼りがちになり、かえって乾燥することがあるようです。使った日にはしっかり洗い流すように心がけ、可能ならば保湿をしてからワセリンを使用しましょう。
また、ワセリンを分厚く塗ると、皮膚が持つ「不要なものを外に出す」働きが妨げられ、肌に負担がかかり代謝が悪くなり、乾燥が悪化することも考えられます。使用量にも注意です。
肌に合わない時はすぐに使用をやめる
一般的には肌に優しいと言われているワセリンですが、人によって、またその時の肌の状況によっては効果が出ない、もしくは悪化する場合もあります。
不純物が少ない白色ワセリンでさえも、副作用として接触皮膚炎(かぶれや発疹、皮膚のかゆみ)が報告されているようです。
さらに、ワセリンを塗ったことによりホコリがつきやすくなり、そこからかゆみや肌トラブルを引き起こすこともあります。くれぐれも自身の肌の状態を見ながら、トラブルが起きた場合はすぐに使用を中止するようにしましょう。
ワセリンを有効活用しよう
天然素材からできていて、購入しやすく使いやすいワセリン。使用方法も豊富のため、家に常備しておきたい物のひとつと言う人も多いようです。
使用上の注意点、ワセリンの種類とその違いを知ったうえで、自分に合った物を選んでください。日々の生活の中にうまく取り入れて、乾燥や外部の刺激から肌を守りましょう。