上司へのメールの書き方をマスターしよう

仕事術

上司へ失礼のないメールを送りたい

上司へのメール内容に問題がないかどうか、送信ボタンをクリックする前に不安に感じる方も多いと思います。ビジネスシーンにおけるメールの書き方は、普通のメールの文章とは異なり、特殊なルールやマナーがあります。

特に上司に対しては、失礼な書き方をして上司の気分を害してしまう恐れがありますので、上司へ失礼のないメールの送り方についてきちんと理解しておくと、色々なシーンで役立ちます。ここでは、上司へ送るメールの書き方について紹介します。まさに今上司へのメールを書いているという方は、先に読んでチェックすることをおすすめします。

基本的な上司へのメールの書き方

上司宛のメールには、どのようなルールやマナーがあるのか知っておくと、将来的にも有益となりますので、きちんと押さえておく必要があります。上司以外にも、社外へ送るメールにも使えるポイントとなります。

件名は分かりやすくする

毎日大量のメールを処理しなければいけない職場では、上司に急ぎで見てほしいメールを送ったとしても、後回しにされたり、見落とされる可能性があります。そのため、件名をひと目見ただけで、要件や重要度がわかるように、件名をわかりやすく記載しておく工夫が必要です。メールの件名を見ただけで、優先度が高いと上司に伝わるようにしておけば、見落とされる心配がなくなります。

具体的な方法としては、件名は簡潔にして短くまとめること、また、優先度が高い場合には【重要】【ご確認】などカッコを使用します。議事録などを送付するメールには、いつ、なんの議事録かもわかるように記載しておくと、相手がわかりやすくなります。

宛名をしっかりと記載

上司に送るメールの注意点として、宛名の書き方があります。上司へメールを送る際、宛名の敬称について悩むという方も多いと思いますが、「○○部長」「○○様」「○○さん」と記載しておけばまず大丈夫です。

注意点は、「殿」を使用しないように気をつけることです。他にも、役職の後に「さん」をつけるのはビジネスメールでは二重敬語としてNGですので注意が必要です。なお、複数人にメールを送付する場合は、一人一人の名前ではなく、「各位」と記載します。

本文もシンプルに読みやすくする

メール本文の書き方は、シンプルにわかりやすくすることがポイントです。具体的には、まず初めに結論を述べて、次にその事例や具体例を書き、締めに再び結論をもってくる構成にしておくとシンプル、かつ読みやすくなりますので、相手に伝わりやすい文章になります。なお、1文を20~30文字以内に収めるよう心がけ、改行をします。

また、文章の作成には5W1Hを意識するようにしてください。5W1Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)のことで、ビジネスシーンにおいて基本的なフレームワークです。

本文だけでなく挨拶と締めの文も忘れずに

上司へのメール内容は、本文だけではなく、はじめの挨拶文と締めの文を必ず記載します。宛名を先に記載したら、挨拶の文章から始めます。長々と挨拶をする必要はありませんので、簡潔に挨拶を記入したら、本文に繋げます。

文例としては、挨拶文なら「お疲れ様です。○○部の○○です。」と名乗ります。締めの文なら「よろしくお願いいたします。」といった文章で本文を締めくくります。挨拶を忘れてすぐに本文を書き出してしまいがちですが、マナーとして必ず添えるように意識してください。

上司へメールで返信する場合

ビジネスメールでは、返信を繰り返すケースも多々ありますので、返信をする際のルールとマナーに注意して文章を作成します。返信メールには、返信メール特有のルールがありますので、ポイントをしっかり押さえておくと、上司に対してマナー違反をする心配もありません。

「Re:」はつけたまま返信する

メールの返信機能を使うと、なにか変更を加えないかぎり、件名の前に「Re:」と表示されるのが一般的です。上司に対して「Re:」とつけたら失礼ではないかと不安に思う方もおられます。実は、ビジネスメールでは、話題を変える時にメールの件名を変えるのがルールとなりますので、話題を変えないのであれば「Re:」をつけたままの件名で特に問題ありません。

ただし、返信メールを繰り返すと「Re: 」の数が多くなりすぎる場合があります。そんな時にはすべてを削除せずに、1つだけ残して削除するようにします。

初めに上司からのメールに承知したと伝える

上司から依頼や確認のメールが届き、その内容に対して返信を送る場合には、長々と意見を書いたり別件を述べる前に、「承知しました」とまずは結論を述べることが大切です。なにか質問や意見、わからない点があれば、その後に記載します。まずは上司に対して内容について理解したと伝えることが先決です。上司が返信メールで最初に聞きたい答えはなにか、上司の立場になって考えてみるとわかりやすいと思います。

引用文は最低限だけ残す

返信メールには、上司から送られてきたメールがそのまま引用文として残ります。上司に返信するメールは、基本的に相手に見やすくして返信するのがマナーとなります。受け取ったメール内容をすべて削除しても失礼になりますので、最低限必要な文章だけを残し、あとは削除をして見やすくしておきます。

上司へメールでお礼する場合

飲み会の時のお礼や、仕事でフォローやアドバイスをもらった時のお礼など、口頭ではなくメールでお礼を伝える機会があります。硬く考える必要はなく、基本的なマナーを守りつつ、感謝の気持ちがちゃんと相手に伝わるように素直に文章を作成すれば大丈夫です。

感謝の気持ちをより伝えるなら先頭を付ける

お礼メールには、「ありがとうございます」が定番の文章となりますが、上司に対して感謝の気持ちをより伝えるように表現するのであれば、「本当に」「誠に」のような言葉を前につけることをおすすめします。シンプルにありがとうと書くよりも、先頭の言葉を足すだけで、より丁寧になり、相手にも好印象を与えてくれます。

お礼の内容は具体的に記載

上司へのお礼メールの内容は、ただありがとうと書くのではなく、具体的になにがどのように助かったのか、気の利く文章も一緒に記載しておくと、上司も嬉しく思ってくれるはずです。例えば、「アドバイスをいただいて~」「昨晩はごちそうになり~」といったように、一文を添えておくとよりよいお礼メールとなります。

なお、上司にお礼のメールを送る時は、できるだけ早く送るのがマナーの基本です。時間が経つほど印象が悪くなるため注意が必要です。

上司へメールでお願いする場合

上司にお願いごとをするメールを送る場合には、失礼のないように文章を作成しなければ、上司に悪い印象を与えてOKが出ない可能性もあります。相手に快く依頼やお願いを引き受けてもらうためにも、頼み事をするメールはきちんとポイントを押さえておくことが大切です。

用件の文に気遣いをプラス

上司にお願いごとをする際には、相手に対する気遣いをすることが社会人としての常識です。ただ「お願いします」だけでは、素っ気ない印象を与えてしまいますので、きちんと用件に気遣いを見せる文章を加えることが重要です。

例えば、本文の最初に「お忙しい中恐縮ですが」や「お手数をお掛けいたしますが」といった、忙しくしている上司への気遣いが伝わる文章を加えてください。また、依頼の文面の締めくくりに「~願えませんでしょうか」のような一文をプラスすると、より印象のよい文になります。

しっかりと期日を伝える

メールでお願いごとをする場合には、しっかりと期日を伝えることが重要なポイントです。電話とは違ってすぐに返事がもらえないメールでは、納期がある依頼ごとをする場合に遅れてしまうとトラブルの元になりますので、あらかじめ余裕をもたせて期日を伝えると安心です。

上司へメールで質問する場合

仕事について不明点や確認が必要な時に、取引先やクライアントに対しては丁寧に聞くことができても、社内の人間にはゆるい文面になってしまいがちです。しかしながら、相手が上司の場合は、礼儀をわきまえたメール内容で質問をすることが大切です。

質問内容は明確に記載する

上司への質問メールを送る際には、まず「用件」「現状、事実」「自身の考え」「相談」の順に、現状を正確に、かつ具体的に記載した上で、この状況下でどうすればよいか質問します。ただし、特に不要だと判断した場合は自分の考えは不要です。

上司が質問に対して判断材料が必要と感じた場合は、必要書類も添付するとより話がスムーズです。質問が3つ以上ある場合は、「1.質問内容の概要~」「2. 質問内容の概要~」「3. 質問内容の概要~」のように、まず概要を書いた後に詳細を記載すると、理解も早くなり、読みやすくなります。

上司から質問の返信が来たらお礼のメールを送る

ビジネスシーンでは、どのような場合であってもお礼はできるだけ早く送るのがマナーです。上司から質問メールへの返信が届いたら、お礼のメールを送り忘れると失礼にあたりますので、できるだけ早くメールでお礼を伝えるようにしてください。ツラツラとお礼の文章を書き連ねる必要はありませんので、「早速のご返信ありがとうございます。」など、丁寧かつシンプルにお礼が伝わるような文章が最適です。

上司へメールで謝罪する場合

仕事で失敗やミスをした場合、本来であれば口頭できちんと上司に謝罪するのがマナーですが、報告書類が必要な場合や上司が急な出張で不在の時など、メールでも謝罪が必要になるケースがあります。謝罪メールは迅速な対応が求められますので、慎重かつスピーディーさが求められます。

言い訳はせず素直に謝罪する

自分の失敗やミスを認めるのはなかなか難しいものです。ただし、言い訳ばかりを書き綴っても、見苦しいばかりですので、言い訳の文章は記載せず、素直に謝罪をすることが大切です。要点を簡潔に記し、誠心誠意謝る姿勢を見せることが社会人としてのルールです。

なお、ミスをしたら直接謝罪するのが基本となりますので、「直接伝えてなおかつメール」、「メール送付しておいて電話もする」など、なるべく直接会って、自分の言葉で謝罪するようにしましょう。ただし、文章のほうが分かりやすい場合には、メールを併用します。

今後の対策などを記載する

ビジネスシーンにおける謝罪メールは、相手に謝れば済むというものではありません。反省の意思を示すだけではなく、今回の失敗を今後に生かしていくという文章を添えるとよりいい謝罪メールになります。「今後は○○できるよう意識して取り組みます」など、取り繕う文章は避け、ミスや失敗を繰り返さないために、どうしていくのかを記載しておきます。

上司へメールを出す際の注意点

上司への基本的なメールの送り方、返信の仕方、お礼メール、お願いごとメール、返信メールなど紹介しましたが、あらゆるシーンにおいて、上司へメールを送る際には共通した注意点があります。

敬語の使い方には注意する

ビジネスシーンにおいて、ルールやマナー違反は相手に失礼ですし、仕事関係・人間関係に影を落とす可能性もありますので、敬語の使い方には十分注意が必要です。特に日本語は敬語が難しく、間違って覚えている人も少なくありません。間違えやすい敬語の例は以下の通りです。

「ご苦労様です」正しくは「お疲れ様です」、「了解しました」正しくは「承知しました、かしこまりました」、「確認しました」正しくは「拝見しました」、「すみません」正しくは「申し訳ありません」、「お世話様です」正しくは「お世話になっております」、「大変参考になりました」正しくは「大変勉強になりました」などがあります。

誤字脱字は良く確認する

どんなビジネスメールでも当たり前のことですが、誤った内容を送ることは極力避けなければいけません。予防策として、メールを送信する前には必ず1回は文面をチェックして、誤字・脱字がないことを確認することが必要です。誤字脱字以外にも、相手の名前や固有名詞、日時に間違いがないかどうかもしっかりチェックし、間違った情報を上司に伝えることを避ける努力が必要です。

メールの返信は素早く行う

上司からメールが届いたら、できるだけ早く返信を送るのがマナーです。このメールには返信が必要か?と迷う内容であっても、拝見しましたという意味を込めて返信メールを送ります。長文を送る必要はありませんが、もしも返信に時間がかかる場合には、先に「改めてご報告いたしますが、まずは現状をお伝えいたします。」という内容のメールを送っておくことをおすすめします。

マナーを理解してスマートにメールを送ろう

ビジネスシーンにおけるメールのマナーは難しいように感じますが、社会人として求められる基本的な知識となります。マナーを理解して習得しておくと、どんな職場でも役立ちますので、スマートにビジネスメールを送れるようになっておくことをおすすめします。

通常メール、返信メール、お礼や謝罪、依頼のメールなど、想定できるケースのポイントさえ押さえておけばOKです。相手への気遣い文を添えて、シンプルにわかりやすいメールを送ることが大切です。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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