「失業保険の認定までのスケジュール」知っておきたい手続きの流れ
知っておきたい失業保険の手続きの流れ
退職後にハローワークで失業保険(手当)を受けられることは、ほとんどの方がご存じだと思います。しかし、その手続きや流れは、一度経験した方は別として、はじめての方は知らなことばかりです。
中には、退職前から必要となる準備などもあります。また、退職理由や現在の状況などによって、失業保険の支給期間や金額(割合)が変わってきます。これからどのような手続きが必要で、どのような流れになるのかを、ひとつひとつ確認していきましょう。
失業保険が給付されるまでのスケジュール
退職後に会社から離職票を受け取る
失業保険を受給する際に、必要となる書類の一つに「雇用保険被保険者離職票」があります。これは、勤めていた会社から退職後に発行してもらうものですが、原則、退職日から10日以内に、この「雇用保険被保険者離職票」と「雇用保険被保険者証」を受け取る必要があります。
大手の企業だと、退職前に、離職票が必要かどうか聞かれたり、会社既定の退職届があれば、そのなかに「要・不要」の記載があったりします。しかし、中小企業の場合は、経営者や労務担当者が離職票を発行することを知らない場合もあるので、退職者のほうから請求しなくてはなりません。したがって、退職日を迎える前に、離職票を発行してくれるよう頼んでおきましょう。
ハローワークに必要書類を提出
失業保険の受給を受けるためには、ハローワークに働く意思があることを示さなければなりません。そのため、求職申込を先に行う必要があります。ハローワークで、仕事を探して紹介してもらう際には、求職申込書に、名前・住所・電話番号・学歴・職歴・希望職種などの必要事項を記入し、提出する必要があります。
これが受理されると、求職申込が完了となります。そのあとに、雇用保険被保険者離職票を提出し、手続きを行います。
必要書類
・雇用保険被保険者離職票(会社から発行される書類)
・個人番号確認書類(マイナンバーカード・通知カード・個人番号の記載がある住民票のいずれか)
・身元確認書(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)など)
・写真(最近の写真・正面上半身・タテ 3.0cm×ヨコ2.5cm)2枚
・印鑑
・個人名義の預金通帳またはキャッシュカード(ゆうちょ銀行可能・一部利用できない金融機関あり)
・所在地を管轄するハローワークに求職申込をしたのちに離職票を提出します。
職員と面接し本人調査が行われる
失業保険受給に必要な書類を提出したあとで、個別での面接があります。記入されている内容に、間違いがないかの確認が行われ、退職の本当の理由や、今後の働く意思などの聞き取りもあります。担当の職員にもよりますが、事細かく聞かれることもありますので、事実をありのままに話しましょう。
そのあとで、本人調査のために7日間の待機期間があります。この待期期間の7日間は、一切の求職活動は行わないほうがよいでしょう。この期間に再就職が決まっても、失業手当はおろか、再就職手当も支給されません。
雇用保険受給に関する説明会や講習会に参加
本人調査が終了したら、雇用保険受給者初回説明会が、指定の日時で開催されるので、必ず出席してください。説明会では、雇用保険の受給に関する重要な説明(受給金額や期間の決定方法や、今後の流れ、不正や禁止事項に関する話など)がされるので、よく聞いて、失業保険制度を十分に理解しましょう。
また、説明会の際に、雇用保険受給者資格者証と失業認定申告書を受け取り、第1回目の失業認定日を教えてもらえます。
失業認定日から1週間以内に支給が開始される
第1回目の失業認定日は、説明会から2~3週間後になります。必ず指定された日時に、ハローワークに必要書類を持参しましょう。もし忘れてしまうと、給付金の支給を受けられません。万が一、失業認定日に指定されている日時に予定があるなど、都合が悪いことが前もってわかっている場合は、事前にハローワークに伝えておきましょう。
すると、別な日程に変更してくれますので、都合が悪い場合は、必ず連絡を取るようにしたいです。給付金の振り込みは、失業認定日から5営業日以内に振り込まれます。土日を挟んでも、1週間以内には振り込まれるでしょう。
退職理由ごとのスケジュールの違い
会社都合退職の場合はすぐに給付が開始される
会社の倒産による失業や、経営が傾いて退職を勧められての退職など、会社都合による退職の場合は、7日間の待期期間の経過後から、すぐに給付が開始されます。また、勤務を続けたかったにも関わらず、退職を判断するしかなかった人も、特別理由離職者と認定されれば、7日間の待期期間後すぐに給付が開始されます。
特別理由退職者の一例
・ケガや病気などにより業務を継続する不可能と判断し退職
・両親の介護のため、仕事を続けることが困難になり退職
・パートナーの転勤などによる引っ越しで退職
・いじめやセクハラ・パワハラなどによる退職
以上は、特別理由退職者ほんの一例です。ほかにも適用される事例がありますので、離職票を提出して手続きをする際に、担当職員に相談してみるとよいでしょう。
自己都合退職の場合は給付制限がある
自己都合で退職された方は、すぐに給付を受けられません。7日間の待期期間から、さらに3カ月間の給付制限がかかります。そのため、実際に離職票を提出してから、支給を受けるまでの期間は、4カ月間程度になります。
ただし、給付制限中に公共の職業訓練を受けることで、給付制限が解除されます。なにかスキルアップを目指したい方は、ハローワークなどで職業訓練の情報が見られますので、チャレンジしてみてはいかがでしょう。また、職業訓練中に失業保険の給付期間が過ぎても、職業訓練期間中は給付対象になります。
7日間の待機期間は退職理由に関わらずある
退職理由が、自己都合でも会社都合でも傷病であっても、必ず7日間の待期期間はあります。この期間に、本人調査が行われます。調査内容は詳しくわかりませんが、本人情報の裏付けや、退職状況の確認などを行っているものと考えられます。
また、最低7日間失業状態が続いていないと、すぐに働けるので、失業保険を適用する必要がない人と判断されますので、求職活動は控えたほうがよいです。もちろん、次の会社が決まって退職した方は、失業保険を受ける必要がないので、すぐに就職するとよいでしょう。
失業保険認定日以降の流れ
4週間おきに失業認定を受ける
第1回目の失業認定日以降は、4週間おきに失業認定を受けることになります。基本的には、同じ曜日の同じ時間帯が、失業認定日に指定されることが多いようです。急な病気やケガなどで、当日に行けなくなった場合は、ハローワークに必ず連絡をして下さい。
そして、診察してもらった病院から証明書を発行してもらい、受給資格者証と一緒にハローワークに提出することで、支給を受けられます。傷病期間が15日以上になった場合は、傷病手当の対象になるので、別な手続きが必要になります。
再就職が決まったらハローワークに報告する
失業手当受給中に再就職が決まったら、必ずハローワークに報告してください。失業手当の給付は終了しますが、給付日数が3分の1以上残っている方は、再就職手当の受給ができます。支給額は、「支給残日数×給付率×基本手当日額」で決定します。給付率は支給残日数によって変わり、3分の1以上で60%、3分の2以上で70%となります。早く再就職が決まった分、再就職手当の受給金額は大きくなります。
・支給残日数が所定給付日数の3分の2以上:所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額
・支給残日数が所定給付日数の3分の1以上:所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額
30日以上働けない場合は延長を申請する
失業手当の給付期間は、退職してから1年間と決まっています。しかし退職後に、けがや病気などですぐに働けない期間が30日以上ある方は、受給開始を延長できます。延長といっても、給付日数が増えるわけではなく、給付開始が先延ばしされるのです。
実際に、けがや病気で働けないと、失業状態と認められない状態となります。しかし、申請することによって、代わりに傷病手当金の支給対象となり、失業手当と同額が支給されます。この傷病手当金は、健康保険から支給されるので、ハローワークとは別の手続きになります。
傷病手当金は、最長で1年6カ月間受給を受けられます。また、失業手当は、最長で退職から3年まで延長するできるので、働けない状態の方は、必ず申請して利用しましょう。
求職前にスケジュールをシミュレーションしておこう
会社を退職後に求職活動を行いますが、その前に、失業保険の手続きやその後の流れを確認して、再就職までのシミュレーションをしておきましょう。雇用保険被保険者離職票など、会社に前もってお願いしておかなければならない書類の準備や、退職理由によって給付制限を受けたり、職業訓練を受けたりなど、状況によって差が発生します。
したがって、自分の状況を当てはめて、スケジュールを組みましょう。もし、不明点があれば、ハローワークでいつでも相談にのってくれますので、問い合わせてみてください。上手に各制度を利用して、再就職につなげていきましょう。
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