仕事が忙しい人は取り組みかたが違う。できる人できない人の違いとは
タイムマネジメントが下手だとますます忙しく感じる
仕事ができる人とできない人の大きな違いは、その仕事の乗り切りきりかたです。仕事ができる人はさまざまなスキルを持っていますが、特にタイムマネジメントスキルは仕事を早くこなすための重要な役割。仕事ができる人は時間を最大限に有効活用し、短時間で多くのタスクをこなしているのです。
そしてタイムマネジメントというのは、才能ではなく努力次第で身につけることができる技術です。さまざまなタイムマネジメント術があるので、自分自身にあった方法をみつけましょう。
この記事では、タイムマネジメント意外にもある仕事が忙しいときに切り抜ける方法、忙しい人とできる人の違い、心にゆとりを持つ方法、時間の上手な使いかた。そしてさまざまなタイムマネジメントのテクニックをお伝えしていきます。
仕事が忙しい状況を乗り切る方法
仕事が忙しい場合、どのようにしてその状況を乗り切ったらよいのでしょうか。その方法をみていきましょう。
仕事を終えた後の成果を考える
新人などは、とかく与えられた仕事を与えられた順に取りかかり始めてしまいます。しかし仕事ができる人はそうではありません。
この仕事を終わらせたら、どのような成果を得られるのか。仕事ができる人は常に自分がやっていることの結果を考えます。忙しい場合にはたいてい複数のタスクを抱えているものですが、それらの仕事の重要度をまず考え、こなしていく順番を決定。緊急度が高いものから終わらせていくため、トラブルを発生させません。
タイムマネジメントを意識する
よくありがちなのが、些細な仕事に時間をたっぷりかけてしまい、終業間近にその日のタスクがこなしきれず残業になってしまうこと。仕事ができる人はもちろん残業もしますが、休日はしっかりと休み、忙しくない日は意外にさっさと帰ってしまうものです。
それを可能にしているのは、彼らの時間管理能力。つねにタイムマネジメントを意識し、重要な案件にこそ時間をかけ、些細な仕事は短時間でこなして終わらせてしまいます。また移動時間や、ちょっとした空き時間も無駄にはせずにその間でできることを終わらせます。
体を動かすよう心掛ける
ずっとデスクワークでは頭も煮詰まってしまい、よいアイデアが浮かばなかったり集中力が途切れてしまいます。仕事ができる人はそんな自分の状況を把握すると、その場で腕を上げてストレッチをしたり、席を外して歩いてくるなど体を動かして気持ちをリフレッシュさせます。
脳の活性化には体を動かすことがよいとされているので、体を動かして疲労回復をはかりましょう。外に出て10分ほど歩くとかなり高い効果がみられますが、それがままならない場合には階段の上り下りでも効果は十分です。
職場の人を頼る
一人ですべての仕事を抱えていることが素晴らしいとは限りません。会社というのは一人ではこなしきれない仕事量を、それぞれの得意不得意で仕事を分担しこなすことで機能しているのです。その人が抜けたために会社が回らなくなるような仕組みは誤っているのです。
そのため仕事ができる人は自分では抱えきれない仕事量となってきたときに、他の人を信頼して仕事を任せます。たとえば会場のセッティングなどは、どこに机や椅子を配置すればよいのかの指示書さえあれば誰でもできる内容でしょう。また大勢に声をかければ、それだけ短時間で仕事をこなせます。
自分を大事にする
重要な仕事の案件を抱えているときに、体調不良で1日でも休みをとれば、仕事が滞る上に大勢の人に迷惑をかける可能性があります。仕事ができる人はそれを分かっているので、自分自身の体や心を大事にしてしっかりと管理しています。
早く帰ることができるときには、他の人の目を気にせずに定時で上がってストレスを減少させることも非常に重要な自己管理なのです。
忙しい人と仕事ができる人の違いを知ろう
忙しい人と仕事ができる人は同じではありません。なにが違うのかをみていきましょう。
タイムマネジメントのスキル
「忙しい、忙しい」といつも忙しそうにしているのに仕事の結果はそれほど出さない人がいます。それに対して、仕事ができる人はなにもいわないでも結果だけを次々と出していくもの。なぜそのように違いがでるのかというと、大きな違いはタイムマネジメントスキルの有無。仕事ができる人は時間の使いかたがうまく、短時間で結果を出します。
仕事内容への判断力
すべての仕事が同様の価値があるわけではありません。重要な仕事もあれば、さほど重要ではないしごともあります。そんなときにしっかりと仕事内容を見極めて、なにを優先順位の上位とするか仕事の取捨選択をすることが重要になります。ときには抱えている仕事をリストアップし、優先順位を確認するようにしましょう。
仕事をする環境に対する取り組み方
忙しい人はあまり仕事をする環境に注意を払っていません。そのため電話対応に追われて重要案件が置き去りになったり、同僚に話しかけられて集中力が途切れてしまったりします。
逆に仕事ができる人は、集中できる環境を作ることが上手。空き部屋に資料を持ち込んで集中して仕事をこなしたり、朝早く出社して誰にも邪魔されない静かな環境でさっさと案件を終わらせます。
仕事の準備段階
忙しい人は、目の前の仕事をこなすので一生懸命で、スケジュールの見直しなどを行いません。それに対して仕事ができる人は、しっかりと段取りをします。仕事内容の重要度によって他の人へ割り振れるものは割り振ったり、仕事ごとに時間を決めて取り組んだり。着地点を見定めて、どのようにすれば成功するか前もって考えているのでトラブルを回避できます。
忙しいという発言に対する考え方
忙しいという発言に対して、どう考えているか。その評価基準でその人がわかります。周りに「忙しい」とよくこぼしている人の心理は「忙しい自分は格好いい」というもの。忙しいということで頑張っていることをアピールしているのです。
それに対し結果を出していくことを重要視している人は、さほど「忙しい」という言葉を発しません。それは「忙しい」ということは無能の証だと思っているからです。
忙しいという状況に対する考え方
忙しい状況に対し、なにも考えずに仕事に取り組んでいる人は、同じ状況になったときに依然と何ら変わらず忙しさにおぼれます。しかしできる人は、忙しい状況のときにしっかりと「なぜ」を考えます。少しでもムダを省き、次に同じ状況になった場合にはより短時間でタスクをこなせるように、仕組み自体を作ったり、作り替えたりしてしまうのです。
睡眠などの生活習慣
忙しい人は、連日残業続き。生活習慣も乱れ、睡眠不足などに陥りがちです。しかしそうやって心身共に疲れてしまうと、仕事中に頭が回らず非常に効率が悪くなってしまうもの。
できる人はプライベートをとても大切にします。家族との時間を癒やしに変え、睡眠時間も確保して翌日まで披露を持ち越しません。そのためによいサイクルを作ることができるのです。
仕事ができる人間になるにはどうすればよいのか
仕事ができる人間になりたい。そう思う人は多いでしょう。どうすればなれるのかみていきます。
考え方や意識を変える
できる人とできない人の違いは、根本的な考え方や意識です。忙しいときには、常に「どうしたら次はより効率的に短時間でタスクをこなせるか」を考え、余裕のあるときに効率的に仕事が進む仕組みを作ってしまいます。
たとえばExcellに仕事がスムーズに行くように表を作っておき、次は数字を入力するだけで答えが出るようにしてしまうなど。改善に改善を重ねるその積み重ねによって、仕事ができる人は形作られていきます。
仕事内容を精査する
たとえばデスク上のToDoリスト。リスト自体を作っていない人もいれば、作ることに満足してうまく機能させていない人もいるでしょう。
ToDoリストの役割は自分の抱えている仕事の内容を精査し、優先順位をつけること。些末な仕事にばかり時間を取られて、重要案件をないがしろにすることがないよう、かかる時間なども考慮に入れたリストにするとよいです。忙しいと現在取りかかっている仕事で頭がいっぱいになりがちですが、ときにはクールダウンして仕事内容を精査しましょう。
コミュニケーション力を高める
職場で人望を得るという観点から、コミュニケーション力を高めるとよいです。自分だけではなく周囲の同僚がどのような案件や仕事量を抱えているかを知ることで、協力したり、支援を求めたりすることが可能になります。
またリーダーシップを発揮できる人は、コミュニケーション能力が高い人が大半。たとえばイベント開催。わかりやすい指示で、大勢を総動員して会場設営も含め短時間で仕事をこなしてしまいます。
仕事の目標を把握する
たとえば仕事を山にたとえましょう。ゴールは山の頂上です。多くの人は、登山道に沿って山道を登っていきますが、迂回道などが多く時間がかかってしまいます。
しかし仕事ができる人は「最終的な目的地に早く、効率的にたどり着くためにはどうしたらよいか」を考えます。ときには乗り物を使ったり、ヘリコプターで頂上まで行ってしまうかもしれません。このように抱えている仕事の目的や最終的な目標を見すえ、ときには手段を選ばないのです。
仕事の効率化に努める
完璧に仕事をこなす人が、仕事ができる人とは限りません。完璧さを追うあまり、締め切りを過ぎてしまったり、残業続きで体を壊してしまえば本末転倒なのです。
仕事を効率化し、よい意味で手を抜けるところは手を抜く。完璧さではなく早さを必要とする案件には、そのように柔軟に対応しているのです。効率化して仕事ができる点は、仕事ができる人に共通する特徴です。
仕事が忙しいときでも心にゆとりを持とう
仕事が忙しいと、焦ってしまいミスなどを犯しがち。忙しいときでも心にゆとりを持つことができるのは一つのスキルです。
心にゆとりがある人と暇を持て余している人
心にゆとりがある人と、暇を持て余している人は、似ているようで全くの別物です。暇を持て余してる人はその言葉の通りに、仕事ややることが見つからず時間を無駄に費やしている人。
それに対し、心にゆとりがある人はどんなに忙しいときにでもどこか冷静でいられます。何かを決断しなければならないときなど、心に余裕がないと誤った答えを出しやすいもの。どんなときでもいったん心を落ち着けて正しい判断ができる。それができる人です。
自分のリズムで仕事をする
他人のペースに巻き込まれてばかりだと、集中力が途切れてしまって自分が抱えている重要案件をうまく進めることができません。まずは自分のペースを守りましょう。そうすることで、心にゆとりが生まれ、どんなに忙しくてもその状況を冷静かつ客観的に判断できるようになります。
職場環境によっては、常に同僚や上司などから声をかけられて仕事を中断せざるを得ないこともあるでしょう。そのような場合には、早朝出勤をして残業をしないなど、自分が仕事しやすい環境を整えることも重要です。
深い呼吸を心掛ける
忙しいときには、自分で意識していなくても呼吸が浅くなっているものです。この呼吸が浅いという状態は、全身が戦闘態勢にある状態。交感神経が働き、感情が高ぶってピリピリしてしまっています。
そんなときには、心を落ち着けるようにして深い深呼吸を繰り返してみてください。すこし気持ちも落ち着いてくるでしょう。深い呼吸は、副交感神経を優位とし、リラックスさせる効果があります。
頑張らずに肩の力を抜く
人の集中力は、思っているほど長く続かないものです。長時間にわたって頭を使い続けていると、自分でも気がつかないうちにミスを犯したり、スピードが落ちたり、効率が悪くなったりしてしまいます。
それを避けるためにはこまめに休憩を入れ、頑張らずに肩の力を抜いてみましょう。無理をしないことが、意外にもゴールへの近道だったりします。
情報を遮断する
超人でない限り、一般の人はマルチタスクができないものです。テレビやスマホが気になっていじってしまうと、同時進行しているつもりの別のものが停滞してしまいます。よく車の事故を起こす人が、スマホなどをいじっていたりしますが仕事も同じ。少しの気の緩みが、仕事上の大事故を起こします。
情報はしっかりと遮断し、取り組むべき仕事に集中できる環境を整えてください。
時間の使い方について考えよう
「タイムマネジメント」というのは、いわゆる時間管理のテクニックのこと。1日の流れの中で、どの仕事にどのくらいの時間を費やすか、どの時間帯にはなにをしていなければならないのか、しっかりとスケジュールを立て行動することを指します。
タイムマネジメント自体は、生まれ育った才能によるものではなく、後発的に身につけられる仕事上のスキルです。時間管理の方法もさまざまなものがあるので、いろいろ試してみて自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
注意しなければならないのは、ついつい重要な案件だけを時間管理しようとしてしまうこと。実はそれ以外にも雑多な仕事を抱えている人は多いのです。例えばメールのチェックや、返信。書類作成や会議の下準備など。それらも考慮した上でタイムマネジメントをするようにしましょう。
上手にタイムマネジメントしよう
タイムマネジメントを上手にこなすにはどのようなコツが必要なのでしょうか。みていきましょう。
仕事の目標を設定する
ToDoリストなどに、仕事の内容だけをつらつらと書くのではなく、最終目標は何なのかをしっかりと設定しましょう。この仕事の目標は目につくところに置いておくと、脳が勝手にその仕事をこなすための方法を考え始めます。仕事の目標を設定することは、仕事をしっかりとマネジメントする基本です。
仕事に優先順位をつける
どの仕事も同じくらいに重要、ということはありません。重要案件もあれば、メールチェックや資料の下準備など急ぎではない案件もあります。重要なのはそれらの仕事に優先順位をつけ、依頼された順ではなく仕事の重要度で次に終わらせるべき仕事が何かを判断することです。
自己認識力をつける
もしも仕事ができる人になりたいのならば、仕事をうまくこなせていない今の自分自身を見つめ直すことも必要です。前日の仕事のタイムスケジュールを書いてみてください。そこに非効率な仕事などがあれば、そこが自分の欠点の一つです。自分の働くスタイルを再認識して、強制的に改造していきましょう。
マルチタスクを行わない
マルチタスクは、ついつい「やっている気」になってしまいます。複数の仕事を同時進行させているとなんだか自分ができる人になったつもりになりますが、実はマルチタスクでは仕事の効率が下がってしまうのです。
例えば国語の作文を書きながら、イヤホンで英語のリスニングをしたら結果はどうでしょうか。どちらの完成度も低く、下手したら両方やり直しになるはずです。同じことは、仕事にもいえます。
タスクごとにスケジューリングする
おおざっぱにやるべきことをリストアップする人がいます。それで仕事をこなせれば問題ないのですが、もしもうまくいかないと感じているのならば、タスクごとにスケジューリングをしてみてください。
ひとつひとつのタスクにどのくらい時間がかかるのか、目標はどのくらいの時間で、実際にはどうだったのか。そのように仕事を精査していくことで自分の抱え込める仕事量なども把握できるようになります。
タイムマネジネントに役立つテクニック
ここではタイムマネジメントに役立つテクニックをみていきたいと思います。
トマトにちなんだポモドーロテクニック
「ポモドーロテクニック」という言葉をご存じでしょうか。もしかしたら耳にしたことがない人も多いかも知れません。これは簡単にいうと、25分間集中してタスクをこなし、次の5分間はしっかりと休憩を挟む。これを繰り返して行うタイムマネジメントテクニックです。
こうすることで集中力を持続させ、効率的にタスクをこなしていくことを可能とします。また上記の流れを4回繰り返したら、つまり仕事をはじめてから2時間経ったら30分の長い休憩をいれます。
仕事を成し遂げるためのテクニック
仕事を成し遂げるためのテクニックの一つにGTDといものがあります。これはGetting Things Doneの略で、個人用ワークフローのテクニックのひとつです。2001年にデビッド・アレン氏が紹介した手法。
以下の5つのステップで構成されています。
- 収集:やるべきことの書き出し
- 処理:書き出したものをリスト化
- 整理:スケジュール管理ツールに入れ込む
- 見直し:タスクをこなせるかどうかの確認
- 実行:リストアップしたものを順次片付ける
ToDoリストに似ていると思う人もいるかもしれません。どちらが自分に向いているかは試してみてください。
重要度と緊急度で仕分けるテクニック
「7つの習慣 人格主義の回復」という著書で有名な、スティーブン・R・コヴィーさんのタイムマネジネントテクニックも、素晴らしいタイムマネジメントテクニックの一つです。
スティーブン氏によると、結果を出せる人と出せない人の大きな違いは「重要度」と「緊急度」が区別できているかどうか。これがしっかり分かっている人は、時間に追われることもなく余裕をもって成果を上げることができます。興味があれば一度著書を読んでみましょう。
頻度によって分類するテクニック
仕事ができない人は、なぜかルーチンワークなどに時間をかける傾向があります。これを「パレートの法則」に当てはめて考えてみましょう。
パレートの法則というのは「上位20%のみが重要度の高い仕事をこなし、成果の80%を生み出している」というもの。人の時間は平等に24時間です。成果を出す人ほど、成果の出ないタスクに時間をかけることを好みません。そのため簡単な仕事は他の人に任せてしまう傾向があります。
1週間を時間で意識するテクニック
『できる人は1週間を「168時間」で考えている』という、本間 正人氏の著書があります。本間氏だけではなく、1週間を時間単位で意識することを促す著名人は多いもの。
168時間あると思えば、隙間時間も有効活用できるようになってきます。テレビをみる1時間を、別の勉強に充ててみる。そのような時間の使いかたをしてみましょう。
心にゆとりのある仕事ができる人になろう
忙しいときほど、心ばかりが焦ってしまいミスを連発しがちです。そして一度犯したミスというのは、波紋を広げるように広がり、修復にさらに時間がかかってしまうもの。
仕事ができる人は、どのようなときでも心のゆとりを持って冷静に状況を判断しています。そして忙しい状況を改善するために、仕組み自体を作ったり改変することを考える。その意識の違いが、忙しいだけの人とできる人の違いです。
インターネット上にも、ビジネス書にもさまざまなタイムマネジメントテクニックが書かれています。自分にふさわしいものを探し当て、実践してみてください。タイムマネジメントテクニックは、勉強と実践しだいで後から身につけることができるテクニック。努力次第で、どんな人でも「仕事ができる人」へと変わることができるでしょう。