【４】好きな仕事を通じてできた友人たち。世界に広がるネットワークは人生の宝物：小泉祐貴子さんインタビュー
起業して7年、苦労したこともたくさんあったそうですが、ワクワクを胸に常にチャレンジを続けてきた小泉さん。新しいビジネスが2021年春から始まったところだとか。今まで香りの仕事を通じて蓄えてきた知識や経験、築いてきた人との繋がり、など全ての集大成のようなお仕事にめぐり逢い、使命感に近いやりがいを感じているそうです。
インタビュー最終回は、新しい事業についてと起業したい方へのアドバイスで締めくくります。
新しい事業が始まったばかり。大変だけれどワクワクする！
―今後、どのようにビジネスを展開していきたいですか？
一緒にやってくれる人、仲間を増やして、チームでチャレンジしていきたいと思っています。
新しい事業も始まりました。パリを本拠地とする香りのトレーニングスクールの日本での展開を引き受けることになり、この春から「Cinquième Sens Japon(サンキエムソンス ジャポン)」というスクールを始動したところです。Webサイトでは開講プログラムの年間スケジュールも公開して、受講者を随時募集しています。
―どのようなスクールでしょうか？
香料業界で豊富な経験を積んだ調香師（パフューマー）やマーケッター、エバリュエーターたちが1976年にパリに設立した香りのトレーニングスクールです。香粧品業界で仕事をする人や香水のブランドに携わる人たちが、香りのスキルのブラッシュアップをするためにたくさん受講しています。現在は世界十数か国で展開しており、クライアントには、シャネルやエルメスなどのほか、シャンパーニュの作り手であるペリエ・ジュエなども名を連ねています。化粧品や日用品の大手メーカーの香りの研修にも使って頂いたり、香水が好きで知識を深めたい個人の方にも広く学びの場を提供しています。オリジナルの香水をつくるワークショップもありますので、まずは気軽に香りの世界を覗いてみるのも楽しいと思います。
世界基準の学びを日本でも
―香水の本場パリからやってきたスクール、面白そうですね
日本の皆さまが今まであまり触れることのなかった、香水や香りの世界のグローバルスタンダードに触れて頂ける素晴らしい機会を提供できることにワクワクしています。香料業界の最先端に身を置いていた経験を活かせることも嬉しく、やりがいも感じています。
募集中のプログラムは複数あり、香水に興味のある方には、近代香水史や名香水を学ぶ講座、最新香水のトレンドを分析する講座、オリジナル香水を調合する講座、などがお薦めです。
香料そのものや香料業界の仕事全般に興味のある方は、まずパフューマリーベーシックというシリーズのレッスンA～Dの
条件を満たすと、
パフューマリーナビゲーター、
今後も新しい講座を随時開講していきますので、サンキエムソンスジャポンのWebサイト（www.cinquiemesens.jp）も是非ご覧になってみてください。
―世界各国のサンキエムソンスとの繋がりもあるのですか？
パリとニューヨークを中心に、世界各国の代表者とのコミュニケーションもあります。
最近は、Covid-19を発症した後、嗅覚が失われたままなかなか戻らないという症例が世界中で報告されていたり、認知症の予防に香りが有効ではないかと言われたりもしています。嗅細胞は再生しますので、香りを嗅いで嗅覚のトレーニングをすることで、ダメージからの回復が早まることも期待できそうです。香りの可能性はまだまだ広がりそうですから、サンキエムソンスジャポンではそうしたニーズにも応えていきたいと考えています。
誰かを笑顔にできる、オンリーワンの価値を提供しよう
―起業・独立を目指す方にアドバイスをお願いします。
自分にしかできないことを見つけ、根気よくやり続けること。そうすればオンリーワンになり、たとえ難しい局面がきても、自分らしく切り抜けていけるのではないでしょうか。それと、自分が提供するサービスの先にどんな笑顔があるのかを想像してみること。準備が整った時に、タイミングが訪れたのなら、ひるまずに飛び込んでみてはいかがでしょう。
―タイミングって大切だと思いますか？
大切です！私の博士課程の勉強も、あと1年ズレていたらできなかったかもしれません。
起業することに対して不安があるかもしれませんが、不安って何をしていても出てきますよね。やらずに後悔するよりもやってみて後悔する方が前向きですし、学びは多いと思います。オンリーワンになれる強みを見つけたら、一歩を踏み出してみる価値は十分にありますよ。
≪まとめ≫起業で大切なのは、オンリーワンであること
小泉さんの背中を押し続けてきたのは、ワクワクするものへの情熱です。難しい局面でもあきらめずにしっかり向き合えるのは、香りに関わることをライフワークとする覚悟を決めているからかもしれません。起業して失敗したらどうしようと、ただ不安になるのではなく、小泉さんのように自分が得意とすること、自分にしかできないことを見つけて、オンリーワンの価値を生み出すことができたら、思い切って起業に踏み切ってからも次への扉がおのずと開いていきそうです。
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