【3】コントロールできないトラブル発生! 回避方法はある?:飯嶋真美さんインタビュー
飯嶋さんが扱うのは人材や組織、「人」。人を完全にコントロールすることはできません。そのため、時には予想外のトラブルが発生することも。飯嶋さんが最も悩んだのが、人によって発生する問題だったそうです。当然、ストレスも溜まりますよね。そんなとき、飯嶋さんはどう対処しているのでしょう? また、クライアントとどのように信頼関係を構築しているのかも伺いました。今回のインタビューは、対人関係で悩む人の助けになるでしょう。
自分だけの努力では解決できない問題
―良い仕事をするために大変だと感じることはありますか?
人のマネジメントが一番大変です。人材コンサルティングは、人を扱うので自分だけががんばれば解決するモノではないんです。信頼関係だけではどうにもならない問題が出てきますね。
例えば、クライアント企業に出向しているスタッフが、メンタルや体調不良などで突然会社に来なくなった…とか。
―そんなとき、どのように対処していますか?
正直、対処しきれてないと思います。人間を完全にコントロールすることは不可能なので、完全に解決することはできません。
でも、対策を講じています。トラブルが起きたときにどう対応するか計画したり、雲行きがどの程度怪しくなったら注意しようと決めておいたり、トラブル発生を想定しておくんです。
発生した問題に対して、解決できるよう専門家や担当者も立てました。
ストレス回避は考え方をシフト
―仕事でストレスを感じることはありませんか?
あります!むしろ私は、ストレスを感じやすい性格なので、なぜこの人材業界を選んだだろうって悩むことがあります。
人材ビジネスで一番ストレスの原因となるのが、人を扱うので自分ががんばればなんとかなるが通じないところです。
―ストレスを感じるとき、どう解消していますか?
「ストレスを感じるところにこそ、自分の存在価値がある」という考えにシフトしています。イラっとしたり怒りを感じるポイントって、その人に対しての課題が生まれているポイントなんです。
課題をどう解決するかに目を向ければ、ストレスではなくなるんです。今はこの課題で止まっているから、その課題をどうにかしないと前に進めないから解決しよう、という考え方に変えるんです。
身体を動かす、旅行に行くなどもストレス発散できますが、それでは根本的な考え方は変わらないから、解決にはならないんですよね。考え方を違う方向へ変えることが一番効果ありました。
クライアントとの信頼関係構築のカギ
―今までのお話から、人に対して真摯に向き合っている印象があります。クライアントに対してはどう向き合っていますか?
起業したばかりのときは、お金や仕事をいただくことよりも、まずは信頼関係を築きたいと思っていました。今でも信頼していただくことを大切にしていますから、前回お話したように、クライアントの要求はできる限り応えます。
それから当たり前のことですが、クライアントとは密にコミュニケーションを取っています。
―具体的にどのようなコミュニケーションを心がけていますか?
状況の変化や自分の中での考えの変化など、何か変化や違和感があったら微細なことでもすぐに伝えようにしています。契約時でも、良いことも悪いこともお伝えするようにしていました。包み隠さず現状をお伝えし、自分なりの対処法のシミュレーションを伝えておくことが、信頼関係を構築できるのだと思っています。
あとは初歩的なことですね。電話がかかってきたらコール音一発で電話を取る、直接会いに行けなくてもメールや電話でメッセージを残す、などです。最近はWeb上でお顔を合わせて面会もできますね。
これらの積み重ねで信頼を得られたのではないでしょうか。
≪まとめ≫着眼点を変えればストレス解消できる
人材を扱う仕事でなくても、人間関係でストレスを感じる方は多いと思います。ストレス解消というと、自分の好きなことをしたり、体を動かしたりという方法が挙げられますが、飯嶋さんの解消方法は考え方を変えること。一時的なストレス解消ではなく、問題解決につながる方法です。また、信頼関係を得るためにネガティブな情報を伝えることも、人間関係を構築するのに必要でしょう。こんな飯嶋さん流コミュニケーション術は、日常の交流でも使えそうですね。
次回は最終回。女性社長のキラキラした部分ではなく、現実的な姿を見せていただきました。