精神保健福祉士の給与や年収はいくら?精神保健福祉士の仕事とは?
精神保健福祉士の年収はいくらか、まずは把握しておこう
精神保健福祉士は医療関係での就職が有利です。なぜなら、医療関係では国家資格を持つ人が患者の相談など行った場合は診療報酬が出ますが、臨床心理士のように国家資格でない人が相談やこころのケアを行った場合は診療報酬が出ないため、精神保健福祉士を雇うことが多いのです。これから就職する人や精神保健福祉士を目指している人にとって、年収や給与は気になるところです。年代別の給与や年収などの待遇はどうなのかを参考にして下さい。
精神保健福祉士の給料についてチェック
平均年収
精神保健福祉士は、精神障害を抱える人に対して、医師とは違った角度からソーシャルワーカーとしての業務を果たします。複雑化する社会で精神的に障害を抱える人が多いこの世の中で、精神保健福祉士は大切な仕事を担います。精神保健福祉士の一般的な年収は次のようになっています。
精神保健福祉士協会のアンケートによると、一番多いのが400万円以下。次いで多いのが300万円以下です。全体の平均の年収は、300万円~400万円になります。平均年収の範囲は、280万円~430万円で年収の最も多い人は800~900万円になります。
年代別での平均年収
精神保健福祉士の年代別の平均年収を口コミや厚生労働省の労働白書などよりおおよその額をだしています
20代 246万円
30代 322万円
40代 408万円
50代 460万円
60~65歳 312万円
業務形態によって異なる年収
精神科専門病院 430万円
クリニックの心療内科 380万円
障害者生活支援センター 350万円
精神保健福祉センター 420万円
就労継続支援事業 350万円
管理職の年収
主任クラス 330万円
係長クラス 411万円
課長クラス 543万円
部長クラス 601万円
独立した人の場合の年収
平均年収 600~900万円
独立した精神保健福祉士は、企業や病院、行政などのクライアントと直接契約をして請け負って仕事をしている人です。行政が委託しているところは、公務員並みの給料となり、比較的年収が高くなっています。
平均月収給料
精神保健福祉士の平均月収は27万円で、初任給で19万円ほどです。
年代別での平均月収
20代 15.4万円
30代 20.1円
40代 25.6万円
50代 28.8万円
60~65歳 19.5万円
賞与(4か月分)
20代 61.6万円以下
30代 80.4万円
40代 102.5万円
50代 115万円
60~65歳 78.0万円
管理職の給料と賞与
給料 賞与
主任クラス 20.6万円 82.6万円
係長クラス 25.7万円 102.8万円
課長クラス 34.0万円 135.8万円
部長クラス 37.5万円 150.2万円
求人から見た職業別給料例
・精神科専門病院 日祝日を除く週5日間でシフト制 21万円~25万円
・職業支援施設カウンセラー 月給21万円
・スクールソーシャルワーカー(非常勤)月曜日~金曜日(8:30~17:15) 月額 252,900円
・市役所障害福祉課(嘱託職員) 月16日(8:30~17:15) 月額217,000円
生涯年収
生涯年収では定年を65歳とし、ストレートで大学を卒業して22歳から65歳まで働いた場合の賃金を算出しました。平均年収が300万円?400万円なので、1億2900万円?1億7200万円となります。日本人の一般的な平均年収は、422万円、日本人の平均生涯年収は1億8,146万円となります。
精神保健福祉士は他の仕事とくらべて高い?それとも低い?
精神保健福祉士の平均給与は27万円で、それほど高くはありませんが、国家公務員に準じた額だとされているので、福利厚生では優遇されている点が多いです。精神保健福祉士の平均給与は、色々な給料を比較したところ316位で専門看護師と同じくらいの給料です。
精神科の病院勤務の人の中には、受診、入院相談、療養に伴う心理的なサポートから経済的な相談や心理教育などのグループワークなど多岐にわたって仕事をしている人もいます。
そのように職責の多い精神保健福祉士は、学校をでて国家資格を得た後、そのまま精神保健福祉士の道に入った人が多く、意識を高く持っている人が多いです。職責の多い割には、精神保健福祉士の仕事はそれほど給料がよくありません。
精神保健福祉士で年収1000万円は可能?
精神保健福祉士は多くても900万円までで、独立したとしても1,000万円を超えることは難しいと言えます。600万円以上の人はかなり少ないです。給料が高めの大企業の精神保健福祉士でも平均447万円の年収なので、1,000万円を超える年収はほぼないと言えるでしょう。
平均年収 平均月額給与
大企業の精神保健福祉士 447万円 27.9万円
中小企業の精神保健福祉士 352万円 22万円
精神保健福祉士の仕事概要
精神保健福祉士の仕事とは?
精神保健福祉士の仕事は、専門的な技術で、精神障害を持つ人やその家族の相談にのり、就職できるように支援をしたり、日常生活が営めるように助言や指導を行ったりして、本人や家族を支援する仕事です。また、精神科の病院では、入院時の相談や支援、療養中に伴う精神的なサポート、退院支援などを行います。
障害者の就労支援施設では、知的障害者や精神障害者への日中の支援や就労支援などを行い、行政との連携をとって、就職先や内職先の開拓などを行います。また、生活保護受給の支給制度の利用案内や障害者制度の案内などをして、生活しやすいように整えることがあります。また、精神保健福祉士は、医師や看護師、臨床心理士等の他職種と連携を取りながら、患者が生活できるような支援をしています。
精神保健福祉士は名称独占資格
国家資格には、業務独占と名称独占があり、精神保健福祉士は名称独占の資格です。業務独占は、医師や看護士、弁護士など、その資格がないとできない仕事ですが、名称独占とは、精神保健福祉士という名称を用いて業務を行うことができることです。
精神保健福祉士になるための勉強や資格
精神保健福祉士になるためには、おもに5つのルートに分けられます。
●保健福祉系の大学又は短期大学で勉強し、必要であれば実務経験を1年ないし2年以上積んだ者
●福祉系大学で勉強をして、必要であれば、実務経験を1年ないし2年以上積んで、短期養成施設を修了した者
●一般大学又は短期大学を卒業し、必要であれば、実務経験を1年ないし2年以上積み、1年以上の一般養成施設を修了した者
●実務経験を4年以上経た後、1年以上の一般養成施設を修了した者
●社会福祉士の資格を持っているものは、短期養成施設で指定科目を履修した者
精神保健福祉士の大学では、精神保健福祉士の国家試験を受けるために必要な基礎科目と指定科目を履修します。福祉系大学や一般大学では基礎科科目は履修しても指定科目が履修されていない場合があるので、短期か一般の養成施設に通い指定科目を履修しなくはなりません。短期大学の場合、実務経験が求められています。
社会福祉士の資格を持っている人が精神保健福祉士を取りたいと思う場合は、すでに精神保健福祉士をとるために必要な科目も含まれているので、短期養成施設で指定科目を修了するだけで国家試験を受験できます。実務経験が長い人は一般養成施設で指定科目を履修することが必要です。
女性は働きやすい仕事なの?
精神保健福祉士は、男性や女性に関係なくできる仕事です。女性だからと言って、年収が下がることはありません。上記の年収で女性も働くことができます。働き方改革によって、企業や行政、病院で働く精神健康福祉士の場合は、残業規制や産休育児休暇を奨励しているので、以前に比べると女性が結婚して育児をしながら続けやすい環境となっています。
また、介護休暇も取りやすくなってきて、介護を続けながらの就労が可能になってきています。両方を抱えることはストレスにもなりますが、介護離職しなくてはいけないという悩みは、少しずつ解決されてきています。
しかし、就労支援施設やNPOの施設などでは、支援することが多いため、仕事量が多く、精神的にストレスをかかえている人が多いようです。
精神保健福祉士はこれから必要とされる仕事
精神保健福祉士は、これから必要とされる仕事で就職先は多いです。仕事は、主に精神に障害を抱える人や児童が日常生活を営めるように援助をし、社会復帰を支援することです。平均年収は300万円?400万円で、高いとは言えませんが、介護福祉士や臨床心理士などと比較すると待遇がいいと言えます。
基本給が低くても国家公務員に準じている給料が支払われているので、一般に賞与や手当はいいほうです。今後、働き方改革が進めば精神保健福祉士は、今より働きやすい仕事となるでしょう。