自転車の消費カロリーを計算したい。ダイエットに生かすコツとは
自転車の消費カロリーの計算方法やダイエットのコツについて
「自転車をこぐと、どのくらいカロリーを消費しているんだろう」と疑問に感じたことはありませんか。実は自転車は、負担度の低さに反してカロリー消費の多い運動です。毎日通勤や通学、買い物で自転車を活用している人は無意識のうちに、意外にもカロリーを消費している可能性があります。
そこでこの記事では、自転車のカロリーを計算する方法や自転車の種類による消費カロリーの差、ほかの運動との消費カロリーの違いやメリットなど、気になるダイエットのコツについてもチェックできます。日々の運動に、効果的に自転車を役立てていきましょう。
自転車の消費カロリーの計算方法
まずは消費カロリーの計算方法についてチェックしましょう。
体重× METs × 時間 × 1.05で計算
人間が運動したときの消費カロリーを計算するとき、キーとなるのが運動の強度を表す「METs」という単位です。メッツと読み運動の強さによって変化する単位で「その運動は安静時の○○倍カロリー消費する」という意味を持っています。
そのため3.5METsの運動であれば「その運動は安静時の3.5倍カロリーを消費する」ことが分かります。なお自転車の場合、走らせる速度や走る道によって異なります。そのためMETsに関しては人によってまちまちですが、計算式において体重はkg単位、時間は1時間単位で計算することが決まりです。
1時間走るだけでご飯小盛一膳消費
計算式の例を見てみましょう。体重60kgの人がゆっくり自転車を運転したと考えたとき、およそ3.5METsという運動の強さになります。これを上の計算式に当てはめると、次のようになります。
このように、体重60kgの人がゆっくり1時間運転するだけで200キロカロリー以上消費可能です。しかし先ほども述べたようにMETsは速度でも変化し、もし時速15km/時以上で走らせれば6.8METsと2倍近い運動強度にすることも可能です。
METsに関しては人によって変動するため、詳しくは国立栄養・研究所が発表している「身体活動のメッツ(METs)表」を参考にしてください。
自転車の種類による消費カロリーの差
人によって変動するとはいえ、大まかな消費カロリーは把握しておきたいですよね。そこで自転車の種類によるカロリーの消費量についてもチェックしておきましょう。
一番効率が良いのはロードバイク
ロードバイクとは、非常に軽く早いスピードで長時間走ることを前提とした自転車であり、最近は趣味として女性の間でも人気のある自転車です。長距離を身軽に走れるので、これ1つで各地を旅行する人もいます。それだけ運動で消費されるカロリーも高く、ママチャリの約2倍のカロリーを消費可能です。
先ほどと同様に60kgの人が1時間ロードバイクをこいだとすると、およそ700キロカロリー以上も消費できます。ただし、平均時速は20から30km/時を保つことが前提です。しかし慣れない人だと非常にきついため、よりスポーツとして自転車を楽しみたい人におすすめです。
二番目に効率が良いのはマウンテンバイク
ロードバイクの次に効率が高いのは、マウンテンバイクです。荒れた土地や急な坂、山道などを高速で移動する設計になっており、乗るときの姿勢も個人に合わせやすくなっていることから、ママチャリより速い速度で移動可能なこともあり、ママチャリの約1.2倍のカロリーを消費可能です。
体重60kgの人が1時間こぐと、およそ400キロカロリー前後のカロリーを消費できます。ご飯茶碗1膳分は、余裕で消費できるだけの運動量です。
ママチャリでもそれなりに消費可能
しかし消費カロリーだけで見ると、普通のママチャリでもマウンテンバイクと消費カロリーの差はそんなにありません。同じく60kgの人が1時間こぐと、ママチャリでも350キロカロリー以上消費できます。ママチャリのように消費カロリーが低めでも、長時間こぐことでカロリー数をアップすることができます。
1つの目安として、ママチャリをゆっくりでも1時間こげば200キロカロリー消費できる、と覚えておきましょう。
一番効率が悪いのが電動アシスト自転車
一方で、ダイエット的に最も消費カロリーの効率が悪いのは、電動アシスト時電車です。ママチャリの約半分のカロリーしか消費できないため、同じカロリーを消費するには単純計算で2時間こぐ必要があります。
しかしアシスト機能を活用することで、膝が悪い人でも長時間安定した運動を続けやすいというメリットがあります。負荷をあげたい場合はアシスト機能を切ったり、長距離を走るようにしてみましょう。
天候を気にせず行えるエアロバイクもおすすめ
自転車を活用した運動で厄介なのが、天気が悪いと外を走れないという点です。雨ならまだしも、雪が降れば滑ってしまう危険性も高く、長距離を走るのはあまり向きません。そんな時、室内で自転車と同じ有酸素運動ができるエアロバイクもおすすめです。
エアロバイクは体重60kgで1時間、楽な速度でこぐとおよそ250キロカロリー消費できます。またエアロバイクはテレビなどを見ながらながら運動ができるので、続けやすいというメリットもあります。一方で自分で設置するにはコスパや場所もかかるというデメリットがあるので、ジムなどを活用するという方法もあります。
自転車ダイエットの走行距離などの目安
自転車でダイエットを目指すなら、どのくらいこぐと良いのでしょうか。基本的に守りたい、走行距離と時間の目安を知っておきましょう。
30分以上は必須
有酸素運動は20分以上続ける事で脂肪の燃焼が開始されるため、30分以上こぎ続けることが基本となります。そのため自転車を使ったダイエットを行う場合は、1時間を1つの目安とするとより消費カロリーも高くなり、運動する時間としても確保しやすくなります。
ただ疲労感を翌日に残したくない場合は、40分など時間を調整することも大切です。無理のない範囲で行い、継続的に自転車ダイエットを行っていきましょう。
時速20kmを維持すると効率的
「1時間ゆっくり走ってもいいのかな?」と思う人もいるかもしれません。まだ自転車ダイエットに慣れないうちや、普段は自転車に乗らないという人はゆっくりとしたペースでも良いでしょう。ですがより効果的なダイエットにするなら、時速20kmのスピードで走るのが望ましいとされています。
そのため時間と距離の目安を合わせると、1時間で20kmこぐことが1つの目安となります。日常的に自転車に乗っている人は、自分がどのくらいのペースで何m走っているかチェックすることから始めてみましょう。
自転車と各種運動の消費カロリーの違い
「自転車を長時間こいでもそんなに疲れない」と感じている人にとって、消費カロリーの差は気になるところですよね。そこで、ママチャリと各運動時間の消費カロリーを比べてみました。
ウォーキングよりは効率的に消費できる
ママチャリに乗った人が1時間運動した場合と、同じ人がウォーキング、ジョギング、水泳をした場合と比較してみると、通常のウォーキングや水中ウォーキングよりもカロリー消費率は高いことが分かりました。ママチャリは下半身を中心とした運動ですが、ウォーキングや水中ウォーキングより運動としては激しいので、同じ時間でもよりカロリーを効率よく消費できるのです。
水泳よりは圧倒的に劣る
一方で、全身運動である水泳や有酸素運動の代表格でもあるジョギングよりは、カロリー消費率は圧倒的に劣るため、一番効率的な運動というわけでもありません。しかし、水着に着替える必要があったり、ジョギングのために筋力をつけていったりする必要を考えると、手軽さに関しては上であるといえます。
普段運動をしない人でも気軽に始められる効率の良い運動としては、自転車は日常生活の中でも習慣として行いやすいので、おすすめの運動といえます。
自転車で効率よくカロリーを消費するには
それではよりカロリーを消費できるようにするには、どのようにしていけばよいでしょうか。すぐにできる工夫の5つを知っておきましょう。
サドルを高めにしておく
サドルを普段より5センチほど高くすると、負荷が増し消費カロリーも上がります。5センチというのは1つの目安なので、上げることでこぐことが難しくなり長時間続けられないようなら、2センチや3センチといった小さな上げ幅で大丈夫です。安全性を最優先に、無理のない範囲で消費カロリーを上げられます。
ペダルはつま先で漕ぐ
こぐときに、つま先を使うことで足への負荷が大きくなるため、消費カロリーがより高まります。ただし慣れるまではバランスに注意が必要であり、ぐらつくこともあるでしょう。また慣れない姿勢でこぎ続けることは、体を痛める原因にもなります。慣れないうちはつま先でこぐのは短時間に留めましょう。
ギアは軽い方が良い
自転車によってはギア(変速機)と呼ばれる装置が付いており、これを変えることでペダルを軽く、あるいは重くすることができます。例えばギアを軽くするとペダルも軽くなり、坂道を上りやすくなります。しかしギアが重いとペダルをこぐ抵抗感が強いので筋肉に力を入れてしまい、無酸素運動になりがちです。ギアは軽い方が適度な負担で長時間こぐことができるので、重くせず軽めで行いましょう。
直前に筋トレを行う
筋トレは自転車など有酸素運動とは違い、無酸素運動に分類される運動です。筋トレをすると成長ホルモンが分泌され、脂肪が燃焼されやすい状態に変化し、カロリー消費率が高まります。スクワットなど、比較的運動強度の軽い筋トレなどを組み合わせて行っていくと、初めての人でもトライしやすいでしょう。
食事前に行う
より効率よくカロリーが消費できる時間帯は、空腹時です。食後の満腹状態よりも脂肪が燃えるタイミングが早くなるので、ダイエットをしたい人にとってはおすすめのタイミングです。一方で脱水を予防するために水分補給はしっかり行うことが大切です。
自転車ダイエットのメリット
自転車ダイエットは、すでに自転車を持っている人なら今すぐスタートできる手軽なダイエットです。他にも、様々なメリットがあります。
疲れにくいため続けやすい
通勤や通学に自転車を使うことを選択している人は、同じ距離でも歩くよりも体への負荷が少ないと感じている人が多いのではないでしょうか。しかし先にも述べた通り、疲労感の割りに消費カロリーは多いため、自転車ダイエットはとても続けやすく、下半身の筋肉を集中的に使うので持久力をアップし代謝を高めるのにも効果的です。
交通費の節約につながる
自転車をすでに持っている場合は、初期投資は0円、さらに負荷をかける場合もサドルをあげたりつま先でこいだり、特別な方法は何もいりません。さらに普段の移動手段を、車や電車やバスから自転車に変える事で交通費を浮かせられるため、自転車ダイエットはとても経済的なダイエット方法といえます。
自転車ダイエットで効果が出ない理由
「もう自転車で普段から移動してるのに痩せない」「自転車ダイエットがうまくいかない」と悩んでいる人は、次の3項目をチェックし、当てはまるようなら改善してみましょう。
摂取カロリーが多過ぎる
自転車でカロリーを消費してもその分食べていれば、当然ダイエット効果はありません。たとえば自転車をこいで汗をかくからと、カロリーの豊富な清涼飲料水をどんどん飲んだりしていませんか。そのままだと糖分が高すぎるので、水分摂取に使うのであれば水で2倍程度に薄めるのがおすすめです。
もし食べる量や内容を変えたくない、ということであれば、自転車をこぐ距離や時間をより伸ばすことが必要になります。普段の食生活で摂取しているカロリーと、基本的な代謝カロリーなどを把握して、正確に1日にどのくらい消費しているのか知っておくのもダイエットを継続するうえで大切です。
走行速度が遅過ぎる
「1時間こいでるのにダイエット効果が出ない」という人は、走行速度が遅すぎて運動になっていない場合も効果は薄れることを理解しておきましょう。速度の目安としては20km/時が挙げられますが、これだと疲れすぎてしまうケースもあるので、普段より気持ち速めを心がけましょう。
とくに買い物など、街中を走るときは通行人や車に注意する必要や、交通ルールを守る必要があります。サドルを少し高めにして運動負荷をあげたり、つま先でこぐなど、効率アップがポイントになります。
走行時間が短過ぎる
「毎日、トータル1時間乗っている」という人の場合は、脂肪が燃焼し始める前に自転車をこぐのをやめてしまっているケースがあります。特に有酸素運動は20分以上続けて行って初めて効果が出るので、普段はスーパーまで5分くらいしかこがない、という人は回り道をして20分以上を心掛けたり、工夫をしてみましょう。
しかしそんなに遠回りをするのは大変、という人は、ダイエット用のコースを考えてみましょう。いつもより遠いスーパーを設定してみたり、公園など目的地を決めたりして、そこまでどのくらいの時間や距離が必要で、消費されるカロリーはどの程度か計算することで、モチベーションを高めながら自転車ダイエットを続けやすくなります。
自転車で効率よくカロリー消費してダイエットしよう
自転車ダイエットを実践する人が多いのは、それだけ手軽にスタートできるダイエットであり、なおかつ効果が実感できるためでもあります。また膝や腰にも負担が少なく、電動アシスト自転車を使うことでケガの経験がある人でも体に負荷の少ない運動を続けやすいのが特徴です。
ダイエットのための運動は、継続が重要なポイントとなります。その点、続けやすく始めやすい自転車ダイエットは、途中でやめてしまったとしてももう一度トライできる手軽さがあります。
まずは1日30分こぐことを目標にするなど、無理のない範囲で目標を定めて、交通手段や気分転換として活用しながら、自転車ダイエットを楽しんでみませんか。効率よく消費するコツも活用しつつ、ダイエットを継続していきましょう。