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【1】不調があってもがんばってしまう女性たち。意識を変えたくて起業:北奈央子さんのインタビュー

インタビュー

妊娠、出産、更年期だけでなく、毎月の生理やホルモンバランスの変化。そんな女性の悩みに寄り添うの「株式会社ジョコネ。」。女性の身体について学ぶワークショップ、尿漏れ対策に効果的な骨盤底筋トレーニング、産後の体ケアなどのサービスを提供しています。医療機器メーカーで精力的に働いていた北さんが、なぜ女性の身体に着目し、起業したのか。その軌道を追っていきましょう。

生理痛を放っていたら子宮内膜症に

―起業前はどのようなお仕事をしていましたか?
外資系医療機器メーカーのマーケティングを担当していました。医療製品のプロモーションや日本と海外のお医者様をつなぐ窓口を担当していました。

―起業に至ったきっかけを教えていただけますか?
きっかけは二つあって、一つは子宮内膜症になり、手術をしたことです。生理痛がとてもつらかったのですが、痛み止めを飲んで病院にもいかずに仕事に集中していたんです。そうしたら、本来は親指大くらいの大きさの卵巣が、8cmにまで腫れてしまっていました。
病気になったことを通して、女性が体の悩みを言いにくい社会を変えたいと思いました。

―なぜそこまで仕事をがんばってしまったのでしょうか?
男性と同じように働くことが当然だと思っていたためです。男性が多い職場でしたので、体の不調を口にしにくいというのもありました。一緒に働く営業の方も、取引先の心臓外科のお医者様も男性だったんです。

日本の医療、このままでいい? 病気の予防に力をいれるべき

―もう一つの起業のきっかけは何でしょうか?
日本の医療業界はこのままでは行き先が危ぶまれるのでは?と思ったことです。医療業界で働く中で、日本って高齢社会で医療費がどんどん増大しているのを目にしてきました。すると、病気を防ぐ、未病対策にも力をいれるべきだと思ったんです。
それで、私自身が病気の予防、未病対策で何かできないかを探し始めました。その中で出会った言葉が「ヘルスリテラシー」です。

―ヘルスリテラシーとは何でしょうか?
いろいろな定義で使われていますが、私の考えでは、医療や健康の情報を自分で入手し、理解を深め、最後に行動を移すというものです。

例えば、生理痛がひどい人。生理痛に関する情報をネットで調べて理解したら、その情報が正しいか、またその情報は自分に必要かを判断します。そこで、婦人科に行く必要があると判断したら、婦人科に行く。
でも、私が生理痛を我慢して病院に行かなかったように、日本は婦人科の敷居が高いんです。

女性のためのヘルスリテラシーを学ぶため大学院へ

―女性の健康とヘルスリテラシー、この二つを組み合わせたビジネスを始めようと思ったわけですね。
そうなんです。女性に必要なサービスを届けることが必要かと思って、起業しました。

先ほどお話したように、婦人科は行きづらいイメージがあるし、生理など婦人系の悩みは人に話しにくい。それで、痛みや不調を我慢してしまい、気が付いたら病気が進行していることもあるんです。女性の悩みを解決するための情報量も悩みを相談する場所も少なくて、見つけられない人が多いのも原因です。

―起業するために、どのような行動を起こしましたか?
ヘルスリテラシーの勉強をするために看護系大学院へ進学しました。ヘルスリテラシーと出会ったころ、何かに情熱をかけてやりたいなと感じていて、これだ!と思ったんです。

≪まとめ≫ライフワークを見つけると原動力が湧いてくる

世界的に日本は性教育が遅れていると言われている日本。そのため、女性が体の不調や悩みを言いにくい世の中になってしまっているのかもしれません。北さんは、自分が病気になったことで、そんな社会の価値観は問題だと考えるようになります。世の価値観を変えていこうとするのは、大きなパワーが必要でしょう。それでも北さんが起業できたのは、女性のためのヘルスリテラシーが自分のライフワークだと気付いたから。

次回インタビューでは、北さんがどのようにライフワークを見つけたか伺います。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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