【4】思い切って飛び込んでみよう。自分の世界観が広がる。:東 園絵さんインタビュー
ウナギトラベルを設立して10年。その間、さまざまなぬいぐるみや持ち主の方と出会い、たくさんの気づきがあったといいます。また、活動の場も広がっていったのだとか。東さんがどんな気づきがあったのか、またこの経験を元にした起業したい方へのアドバイスをいただきました。
起業したい方へのアドバイス やってみないとわからないから、やってみよう
―起業を目指す方へのアドバイスをお願いします。
アドバイスは二つあります。一つは、横のつながり、起業家同士で助け合うことが大切です。
サービス開始したばかりのころは、利用してくださる方を増やすのが大変でした。知り合いの女性起業家仲間の方にサービスを使っていただき、周りに広めてもらったことで助けられていました。
もうひとつは、どんどん行動に移すべきだと思います。まずは、やってみないとビジネスが成功するのか失敗するのかも、成長できるのかもわかりませんから。私もサービスを提供していて、私自身が知らなかったツアーの魅力や新しい使い方を発見しました。
起業は未知への挑戦。その中で学びがあるはず
―ツアーの魅力や使い方はどのように発見したのか、エピソードをお話ししていただけますか?
アメリカ・ニューメキシコ州にある小学校からワシのぬいぐるみがツアーに参加したことありました。教科書を広げて日本について学ぶよりも、ワシが日本中旅をしてその写真を見た方が、日本がどのような国かが伝わるだろうと先生が考えたそうです。そんな使い方があったんだと驚きました。
さらにワシがツアーに参加したことで、そこに新しい人と人とのつながりが生まれたんです。
―どのようなつながりでしょうか?
学校とはまったく接点のない女性がワシのツアー代金を奨学金として寄付してくれたんです。
その学校は低所得者家庭の子どもたちが多く、旅行に行ける経済的余裕がなかったんですね。それで、ツアー代金を先生が負担するかどうするか…という話し合いがあったそうです。そのときたまたま、アメリカのメディアでウナギトラベルを取材いただき、それを見た女性が100ドル寄付してくださったんです。
ウナギトラベルを通じて、コミュニケーションが生まれたり、新しいツアーの使い方を発見したり…お客様に教えていただいていると思っています。
さらに、私自身の活躍の場も広げてもらいました。
―どのように広がりましたか?
ぬいぐるみのツアーの哲学的な部分に興味を持っていただき、大学で心理学の講義をさせていただいたり、取材をしていただけるようになりました。
哲学的だというのも、ツアーをしていて気が付いたんです。ぬいぐるみを通じてコミュニケーションを取るのは、とても想像力が必要なんです。想像力が試されると学びました。例えば、先ほどの女性のワシのツアー代金をただの寄付ではなく、奨学金として寄付するということ。彼女の想像力はすばらしいなと感動しました。
―東さんにとって、想像力は大切だと思いますか?
大切だと思っています。想像力がぬいぐるみたちの旅をノンフィクションにしてくれるんです。想像力がなければ、ぬいぐるみが観光地で写真をとるだけのフィクションで終わってしまいます。
私は、ぬいぐるみたちと旅に出ることは「ノンフィクションが加速する」と表現しています。旅に出ると物語が作りやすいですし、ぬいぐるみたちの存在がさらにリアルになると感じているためです。
―東さんにとってのぬいぐるみとの旅は何かを教えてください。
未知への挑戦です。旅では、行ったことのない土地へ行き、したことのない経験をしますから。
未知のものに挑戦している人たちをリスペクトしていますし、私もどんどん挑戦していきたいです。そんな気持ちを込めて、ぬいぐるみたちと旅に出ています。
【まとめ】起業で優先すべきは行動力。そこからフィールドが広がってゆく
4回のインタビューで東さんは「これはサービスを開始してみて気づきましたが…」と何度かおっしゃっていました。想定していなかったサービスの使い方や魅力だけでなく、自分自身の内面についても気づきがあったそうです。また、新しい土地へ行いったり講義をしたりと活躍の場が増えました。起業する前にあれこれと考える前に、まずは動いてみる。その大切さを教えていただきました。需要があるかわからないサービス、一風変わったビジネスであっても、まずやってみると良いでしょう。もしかしたら、誰かが必要としていたサービスかもしれません。
「ウナギトラベル」公式サイト
https://unagi-travel.com/