ITパスポートの 難易度は?合格率とその他のIT関連の資格を知る
ITパスポートとIT関係の資格について
ITパスポートは、ITに関する基本的なことが理解できているかどうかを証明するものです。IT関係の資格は、自分が希望する仕事により取得するものが変わってきます。それだけ多くの資格が存在するのです。資格の内容や難易度など事前にチェックしておくことが必要です。
【関連記事】IT系の就職や転職を探している人におすすめの資格を紹介
各資格の難易度
IT未経験者で初心者の場合、「IT系職種全般」から主に「ITパスポート」、「基本情報技術者」、「MOS」の資格をまず取ることをおすすめします。それぞれの内容や難易度、受験資格などを紹介していきます。
ITパスポートの合格率は50%
ITパスポートは、IT関連の資格のファーストステップとして多くの人が受験する国家資格です。
合格率は、約50%で、難易度も低めの試験です。内容はシステム関連や企業活動に関する知識など、幅広く盛り込まれています。また受験資格も、学生から社会人と、とても幅広い年齢層が対象になっています。
試験までの準備として、2~3ヶ月くらい前を目処に始め、1日30分からスタートしてトータル100時間を目標にします(初心者の場合)。
試験内容には、「政治、経営、経営戦略」や、IT関連からも「専門用語」が出題されるので調べておくことが必要です。また、2019年4月から、専門用語などの追加により試験も改訂されています。
基本情報技術者の合格率は30%
基本情報技術者の合格率は、30%と難易度も少し高めになります。
ITパスポートより専門性が高いですが、IT未経験者でも独学で十分取得できる資格です。
試験までの準備期間の目安として、未経験の場合では、3ヵ月~半年以上の期間が必要なことがあります。
試験内容は情報技術の基本的な知識(ソフトやハードウェア)の理解、プログラム作成時の考え方や命令文が理解できているかどうか。また、経営全般に関わる部分からも出題されます。
受験者数も10万人以上に上りますが、基本情報技術者は、ITエンジニアの基礎資格の位置づけにあります。
2020年より、プログラミング言語の変更や、問題数や配点など、大きく内容が変わっていく予定です。
合格しやすいマイクロソフトオフィススペシャリスト
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は民間資格でありながら、マイクロソフトが公式に周知していることから世界的に通用する資格試験となっています。
合格率も70%以上で、ITパスポートよりも取得しやすい資格です。
MOSは「エクセル」、「ワード」、「パワーポイント」など、IT企業だけでなく一般企業でも必要とされるスキルを客観的に証明でき、就職、転職時の自己アピールにもなります。
IT未経験者用の資格
IT未経験者の場合にはまず、IT知識全般にかかわる資格から取得しましょう。ITスキルの証明になり、就職、再就職のアピールポイントになります。
基礎知識を理解しているITパスポート
ITパスポートは、基礎知識を特定のOSに偏らずに習得していることを証明する国家試験です。また、以下のようなスキルが身につきます。
- ITを正しく理解、積極的に活用して付加価値を生み出す
- 職場での課題を把握、分析、解決するIT技術取得
- ITの安全利用や企業のコンプライアンスの向上に結びつく知識
試験内容
- 時間…120分
- 出題形式…四肢択一
- 出題数…100問
- 回答方法…パソコン
初級国家資格の基本情報技術者
情報技術全般の基本的な知識や技能を持つプログラマーや、ITエンジニアのスタートともいわれている国家資格です。
ITパスポートより専門性が高いこともあり、情報系未経験では難易度が少し上がりますが、独学でも合格は可能な資格です。
試験内容
- 時間…午前:150分、午後:150分
- 出題形式…午前:多肢選択式、午後:多肢選択式・記述式あり
- 出題数…午前:80問、午後:13問
- 時期…春期(4月)、秋期(10月)
※2020年に試験内容や問題数、配点の比重等が変更されます。
スキルを証明するMOS
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)は、「エクセル」、「ワード」、「パワーポイント」などのオフィスソフトを正しく使いこなせていることや、スキルレベルの証明をする資格です。
民間の資格ですが、国際的に幅広く行われている試験なので、他の国でも通用する資格でもあります。
試験内容
- 時間…50分
- 出題科目…「ワード」、「エクセル」、「パワーポイント」、「Access」、「Outlook」
- 出題形式…オフィスソフトのボタン操作
- 試験結果…自動判定
IT系企業で取得すべき資格
IT企業での必要性の高い資格にはどんなものがあるでしょうか?またITに関係なく、職種によって必要なものにはどんなものがあるか知っておきましょう。
事務職志望の場合
IT企業の中であっても、特に大きく変わらないのは事務職です。
- 経理…会社の経営状態をまとめる
- 人事…現場の人の労務管理
- 業務…社内の設備管理
などが基本的な仕事になります。
事務の場合はプログラミングはできなくても問題はありませんが、パソコンの知識は必須です。IT企業に関してだけではありません。事務仕事は、「IT化」されており、ほとんどが「ペーパーレス」です。
企業により使用するシステムが違うことが多いので、基本操作等ができれば問題はありません。
MOSの資格やITパスポートの取得が事前にあれば即戦力になります。
営業職志望の場合
ITの営業職は、「情報システム開発」、「ソフトウェアの導入」、「Web活用のマーケティング」など営業活動のスキルだけではなく、取り扱う商品やサービスに関する専門的な知識も必要となります。
営業職の中でも、ITの営業は専門性の高い職種です。顧客とのコミュニケーションや、社内外の技術者とコンタクトを取ることも多くあり、案件の管理に関する業務が多くなります。
またIT営業は、顧客との折衝から販売、契約、アフターフォローまでの一連を担当することが多く、資料作成やプレゼン能力も求められます。ITパスポートは最低限の知識として取得しておくことが必要です。
その他にもITの営業職は、十分な知識や経験が求められる職種です。
エンジニア志望の場合
ITに関わる技術者全般を「エンジニア」といいます。エンジニアには、専門知識やスキルがなくても、働き始めることが可能なものもあります。
IT業界の仕事は多岐に渡ります。技術者としてどのような仕事を希望するかにより、専門知識やスキルも変わってきます。複数のエンジニアで構成されるチームで動くことが一般的です。
基本情報技術者の資格は、エンジニア志望であれば取得は必要です。
資格取得のメリット
資格を取得することによりどんなメリットがあるのでしょうか。スキルアップはもちろんですが、企業から見てのメリットについて紹介します。
企業コンプライアンスの知識が身につく
企業での社内運営などのほとんどはIT化となっているのが大半ですが、そのITの知識は理解していなければなりません。
これはIT企業に限らず、全ての企業に関わります。IT化にともない「企業コンプライアンス」もさらに厳しく求められるようになってきました。
ITの基礎知識や正しく利用するためのモラルの習得が必要になります。これら全てを学べるものが「ITパスポート」になります。
IT関連の基礎知識だけでなく、経営全般、財務などの基礎知識を学ぶことができます。
企業によっては新入社員研修で活用されることも多くなり、全体的なIT力の向上とコンプライアンスの強化と、それぞれに効果を上げることを目的としています。
キャリアアップにつながる
基本情報技術者取得は、その後のエンジニアなどの高度なシステム技術を目指す入り口になります。
国家資格でもあり、システムの開発、導入、運用などに携わる仕事には必要な知識であり、スキルです。
基本情報技術者は、システムの基本的な知識がある証明です。キャリアアップ、スキルアップには、最低限の資格です。
未経験者の受験も可能ですが、準備するには、3ヵ月から半年以上が必要です。また、試験は年に2回(春、夏)なので、計画的に進めていくことが必要です。
事務職の転職に有利
事務職での転職の場合にはMOS(マイクロオフィススペシャリスト)を取得しておくと、良いアピールになります。
- パソコンスキル(エクセル、ワード、パワーポイント他)を客観的に証明できます。
- 対策学習が実務力に直結
- 業務や作業効率が向上
- 就職、転職のアピール
- 取得結果をスピーディーに活用(その場で結果が分かります)
- 世界で通じる国際資格(民間資格でありながら、世界で通じる資格)
希望する職種で取得する資格を選ぼう?
IT未経験者であっても、IT関連の資格を取ることやIT企業への就職も可能です。IT未経験者で、資格を考えている場合は、「ITパスポート」から始めてみるとよいです。
合格率も高く、独学で十分に受験が可能です。国家資格であることも魅力のひとつです。
エンジニアやプログラマーなど、専門職を希望している場合は、「基本情報技術者」がスキルアップの入り口になります。難易度は「ITパスポート」より上がりますが、独学でも受験は可能です。
ITの資格は数多くあります。資格は自分のスキルを証明するものです。自分のスキルアップにつながる資格、また就職、再就職に有利になる資格を取得することをおすすめします。