看護師のストレスはどう発散すべきか。ストレスの原因と発散方法
看護師のストレスについて
患者さんのことを医療施設でケアしてくれるのが看護師です。看護師の仕事は人の命を扱うものなので、常に緊張が伴い精神的・肉体的にとても大変です。さらに一日中立っている職業なので、精神的ストレスや身体的疲労を常に感じて毎日過ごしているはずです。
患者さんの中には看護師に自分のストレスを八つ当たりする人もいるでしょう。さらに看護師は夜勤などもあり、人手不足から睡眠不足になっている人も多いはずです。
ストレスが解消されないまま働き続けると体調を崩すことや、精神的疾患になってしまう恐れがあります。さらに仕事にもミスが増え、取り返しのつかないことになります。ストレスが溜まりやすい看護師はストレスや疲労感はどのように解消しているのでしょうか。
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看護師でストレスを感じている人の特徴
ストレスが溜まりやすい看護師の特徴を説明しています。人をケアするということはとても大変なことです。
睡眠時間が少ない
看護師の仕事上、睡眠時間が不足している人が多く見受けられます。ストレスが溜まっている看護師の特徴で睡眠時間が6時間以下の人が多いようです。
看護師の仕事は夜勤もあり、夜も病室などの見回りや急変した患者への対応をしなくてはいけません。看護師の数は足りておらず、夜勤から仮眠をとってまた働く看護師もいるため睡眠不足になりがちです。
またストレスが原因で寝つきが悪く、質のよい睡眠がとることができずに睡眠不足になっている人もいます。このようなことが続くと疲れも取れない状態になります。
仕事上で不安を感じている
病気を扱う現場のため、緊迫した雰囲気の中で仕事をすることもあり、仕事での不安や悩みを常に感じている看護師が多いのです。看護師は命に関わる仕事なので一刻の気の緩みも許されないず、看護師には責任感が強い人も多いので、自分の不安や悩みを後回しにして仕事をこなす人が多いです。
忙しさで不安を紛らわすことはできますが、その不安が募っていくと看護師も人間なので仕事のミスが増え、体調を崩す恐れがあります。
疲労感を感じている
患者さんの心のケアをしながら、さらに常に立ち仕事なので身体的疲労感と精神的疲労感の両方を感じている看護師が数多くいます。また寝不足も原因で疲労感がすぐには取れず、翌日まで残ることがあると感じている看護師が多いようです。そのまま病院でまた勤務するので、疲労感はますます溜まる一方で悪循環な状態を招くことがあります。
疲労感が残ったままだと寝つきも悪くなったりするので睡眠時間がさらに減ってしまいます。また疲労が溜まっていくと体を壊す危険性もあります。最悪くも膜下出血など死に至る病を発症してしまうこともあります。
看護師のストレスの確認方法
看護師のストレスを感じていても、仕事だから仕方がない、とそのまま放置する人の中には、体を壊す人がいます。このように体調を崩してしまわないように、現在まで「ストレスチェック」という制度ができました。このチェックを行うことで、今の自分のストレス状態がよりわかりやすくなりました。
自身のストレス反応のチェック
溜まったストレスを放置してしまうとうつ病など精神疾患になることもあるので、自分自身ストレスに気づき対処するための知識や方法を身につけ、それを実施することが大切です。
精神的なストレスの反応として不安感、イライラがないかの確認をします。身体的なストレスの反応として不眠、頭痛、肩こりなどがあるか確認します。
また、行動面でのストレスの反応として飲酒量の変化、喫煙量の増加、仕事でのミスなどの確認をします。改めて自分の行動面を確認すると飲酒の量が知らず知らずに増え、喫煙量も増えていたり自分の体を心配しないといけない状態になっているかもしれません。
ストレスチェックの実施
2015年12月に改正労働安全法によるストレスチェック制度が始まりました。これは年に1度「ストレスチェック簡易調査」を行わなければいけません。
定期的に労働者のストレス状況の検査を行うことによって本人のストレス状況をいち早く把握することができます。こうすることでストレスが原因でうつ病になることや体調を崩す人が減らせます。
ストレスチェックの結果を集計し、評価点数の合計が高い人が「高ストレス者」です。検査結果で「高ストレス者である」とストレスチェック実施者によって認められた場合、検査を受けた本人は医師による面接指導が受けられます。また検査結果をもとに職場の環境の改善にもつながります。これによって本人のストレスが低減されることにつながるかもしれません。
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看護師のストレス対処法
忙しい看護師のストレス対処法を説明しています。自分の時間が少ない仕事だからこそ少しの時間でストレスを減らすことが課題になってきます。
休息を取る
ストレスを感じるなと思った時は仕事中に合間を見て少し歩いてみたり、深呼吸をしたり、好きな飲み物を飲んだりして短い休憩を意識的に取るようにすると疲労が溜まる前に対処ができます。また昼食時の時など自分の好きなものを食べることや、甘いものを食べるだけでも気分は変わってきます。
貴重な休みの日は時間がもったいないからといって無理に出かけずに、たまには好きなだけ寝ることも大事かもしれません。
自分の趣味に没頭する
1週間の中で1時間でも自分の趣味に充てる時間を作るとストレスから意識をそらすことができ、気分転換をすることができます。ボクササイズのようにサンドバックをパンチすることによって、ストレス発散する方法もあります。
また、スポーツジムに通って汗をかくことでストレスを発散しながら健康管理もできます。趣味がない人はいろいろなことに挑戦して自分の趣味を見つけることも気分転換になります。
なかなか趣味が見つからない人や外で何かしたくない人は、自宅でヨガなどをすると心も体もスッキリした気分になり、さらに出勤前にも気軽に行えるのでストレスを溜めることが少なくなります。
生活習慣の見直しをする
ストレスを発散するには生活習慣も見直さなければいけません。睡眠時間をしっかり取り、適度に運動をして、適度な飲酒を心がけるという生活をすることによってストレスからのうつ状態の抑制の期待ができます。
睡眠不足のままでいると疲れは取れず毎日ストレスを溜めたまま働かなくてはいけません。なかなか寝付けない人は寝る前にアロマをたくことや、ヨガなどを行うと心がリラックスできて寝つきがよくなるかもしれません。
適度な飲酒はストレスの発散になりますが、ストレス発散のために飲酒を繰り返すと量が増えてアルコール依存症になる可能性もあるので量を決め、お酒以外のストレス発散方法も見つけるといいでしょう。喫煙する人も同様です。1日に吸う本数を決め、それ以上多くならないように心がけましょう。
信頼できる人へ相談する
ストレスを感じた時1人で対処するより家族や友人にストレスを感じているということを話してみるだけで、気持ちが楽になったり、ストレスが発散されたりします。家族や友人は自分が気心知れた人なので、話しをするだけで気分が落ち着きます。またストレスの対処法などアドバイスをくれるかもしれません。
周りに頼り自分のストレスが減ることで、患者さんにも同じように話しを聞くことや的確なアドバイスをして患者さんの精神面を支えられる看護師になれます。心の余裕次第で仕事にも余裕が持てるようになり、ミスなど減りストレスは減っていくかもしれません。
看護師の仕事のストレスを上手にケアしよう
看護師も人間です。ストレスを溜めすぎると体調を崩したり、精神的に病んでしまい患者側になってしまうかもしれません。これでは医者の不養生です。好きでなった看護師がストレスや疲れのせいで嫌になってしまうことだってあります。
いつまでも看護師を続けるには自分の体も心も健康でないといけません。患者さんのためにも大切なことです。ストレスを少しでも感じるなら信頼できる人に相談したり、運動や没頭できる趣味を見つけてストレスを発散したり、生活習慣を見直したり自分なりのケアはできます。
仕事でケアすることに慣れている看護師は、自分も患者だと思って自分のことも丁寧にケアしましょう。丁寧にケアすることで、心も体も健康になります。
少しでもストレスがなくなれば心にゆとりが出てくるので、仕事のミスなどもなくなり、仕事へのストレスの元が減らせます。自分だけでがんばろうとせずにストレスを上手に発散してすっきりして、看護師の仕事においてもストレスと上手に付き合っていきましょう。