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失業保険をもらえないケースとは?損をしないために仕組みを知ろう

失業保険とは、失業した人の生活を安定させ、再就職の助けとなるよう支給される公的な保険のことです。失業保険ををもらうためには、定められた期間以上にわたって労働保険に加入するなどの、受給要件を満たすことが必要。損をしないよう知識をつけましょう。

失業保険をもらえない場合がある

事業主は原則として労働保険に加入する義務があるため、失業した人は新しい仕事に就くまでの間、失業保険をもらうことができます。なぜなら失業保険は、労働の意思と能力があるのに、職業に就くことができないときに受け取ることができるものだからです。

しかし、ハローワークで手続きをしても、一定の条件をクリアしていなければ受給できない場合があります。失業保険をたよりに求職活動をと考えていた人にとっては大きな誤算です。

もらえる人ともらえない人、その境界線はどこにあるのでしょうか。

失業保険の概要

一般に失業保険といわれていますが、正しくは労働保険の中の「雇用保険」のことであり、その中で失業中に支給されるのは、求職者給付の「基本手当」です。失業保険の概要を見ていきましょう。

再就職をするまでの生活費を国が保証するもの

次の就職先を決めずに退職した場合、しばらくの間は収入が途絶えてしまいます。退職金が支給されていたとしても、収入がなければ貯蓄を切り崩しながらの生活に。

雇用保険は、労働者の生活の安定や求職活動の促進のための公的保険です。厚生労働省の管理のもと、各地のハローワークが事務手続きや給付業務などを担います。

つまり失業保険とは、国が離職後の生活費を保証してくれる「社会保険制度」のことなのです。

退職理由により受給金額や期間はさまざま

人それぞれ退職理由は違います。しかし基本手当を受給する場合、「自己都合」なのか「会社都合」なのかがとても重要です。

基本手当が受けられる所定給付日数は、退職理由や退職した時の年齢、雇用保険の被保険者であった期間によって変わります。

自己都合退職

自己都合退職とは、労働者の決断により退職するケースのことです。この場合は年齢は関係なく、雇用保険に加入していた被保険者期間により給付日数が異なります。

● 10年未満:90日
● 10年以上20年未満:120日
● 20年以上:150日

というように決められています。

会社都合退職

会社都合退職とは、解雇や倒産など会社側の都合により退職するケースです。この場合は年齢や被保険者期間により、細かく給付日数が分けられていますが、被保険者期間が1年未満のときは、年齢に関係なく一律で90日です。

失業手当給付日数について

失業手当の給付日数は年齢や勤続年数によって違います。給付日数は以下の通りです。

● 30歳未満…1年以上5年未満:90日、5年以上10年未満:120日、10年以上20年未満:80日

● 30歳以上35歳未満…1年以上5年未満:120日、5年以上10年未満:180日、10年以上20年未満:210日
、20年以上:240日

● 35歳以上45歳未満…1年以上5年未満:150日、5年以上10年未満:180日、10年以上20年未満:240日
、20年以上:270日

● 45歳以上60歳未満…1年以上5年未満:180日、5年以上10年未満:240日、10年以上20年未満:270日、20年以上:330日

● 60歳以上65歳未満…1年以上5年未満:150日、5年以上10年未満:180日、10年以上20年未満:210日
、20年以上:240日

1日あたりの給付額とは

失業手当で給付される1日あたりの給付額は、賃金日額の50~80%です。賃金日額は、退職日より前の6カ月間に支払われた「賞与を除いた給与総額」を、180で割って算出します。

失業手当の総額は、1日あたりの給付額に所定給付日数をかけることで求めることができます。

失業保険の受給条件

失業手当を受けるためには、雇用保険の被保険者であることが大前提です。つまり、勤務先が労働保険に加入していなければ、失業手当は受けられないことになりますが、条件とはどのようなものなのでしょうか。

働く能力と意思があり就職活動を行える

雇用保険でいう失業とは、単純に無職の状態を指すわけではありません。「労働の意思および能力を有する」のに、さまざまな理由により職業に就くことができない状態のことをいいます。

求職活動をしないと「就業する意思がない」とみなされ、失業手当を給付する対象にならないこともあります。

過去2年内被保険者期間が12カ月以上ある

失業保険を受給するうえで、雇用保険の被保険者期間も条件の1つともなっているのが被保険者であった期間が12カ月以上あるかどうかです。失業手当をもらうには、退職の日以前の2年間で、通算して12カ月以上の被保険者期間が必要となります。

期間の計算方法についても注意が必要

自己都合退職の場合、賃金支払いの基礎となる日が11日以上あった月を「1カ月」と数えます。病気などで1カ月に10日しか出勤できなかった場合は、カウントされないので要注意です。

しかし、倒産など会社都合退職の場合は、受給条件が異なります。退職の日以前の1年間に、通算して6カ月以上の被保険者期間があれば、「特定受給資格者」となり失業手当を受けることが可能です。

失業手当をもらえない場合があるのか

失業手当を受給するためには、ハローワークで求職の申し込みをする必要があります。申し込み以前に、失業手当をもらえないケースがあるのかどうかを見ていきましょう。

前提として失業している状態であること

失業手当をもらうには、仕事をする意思・能力もあるのに、就職できていない状態であることが前提です。自営業やアルバイトでも条件次第では、給付の対象になることもあります。

自営業

自営業の場合は就職ではないので、失業手当は支給されません。以前は、自営業を始める準備のために退職したとしても支給対象外でしたが、「並行して求職活動をする」という条件で認められるようになりました。

アルバイト

アルバイトは、禁止されているわけではありません。ハローワークに求職の申し込みをする前なら、自由にアルバイトをしても問題ありません。

しかし失業保険の受給資格が決定してからの7日間は待機期間中で、この期間のアルバイトは禁止されています。また失業手当を受給中のアルバイトは、就職と判断されないよう、週20時間を超えないようにしなければなりません。

役員

会社の経営に関わる役員は、給与ではなく役員報酬を得ています。つまり会社に雇用されている労働者ではないので、雇用保険には加入できません。失業手当は、雇用保険に加入し、保険料を支払っていることが受給する条件です。

役員は基本的には失業手当を受け取ることはできませんが、退職する前の2年間に、従業員として12カ月以上雇用保険に加入していたら、受給資格があります。

原則離職した日の翌日から1年以内が受給期間

失業手当が受給できる期間には期限があり、原則として離職の日の翌日から1年間と定められています。ハローワークで失業の認定を受けないまま、1年が過ぎてしまうと失業手当を受給できません。また、給付日数が残ったまま、期限である1年が来てしまうと、全額もらえないこともあります。

手続きはいろいろと面倒なこともありますが、受給するためには必要なことです。

失業手当をもらえない人はどんな人か

失業手当を受給できない人は、雇用保険で定められている「失業中」という定義に当てはまらない人です。労働の意思や能力があっても、さまざまな理由で求職活動ができない人もいます。

すぐに再び働く予定がない人

退職後、しばらくの間は働いたり求職活動をする予定がない場合は、失業状態ではないと判断される可能性があります。その場合は、失業手当を受給できません。

たとえば結婚退職して、新しい生活に慣れるまで家事に専念する人や、ステップアップを目指して学業に専念する人などは受給資格は得られません。失業保険は、求職活動中の人が生活を安定させるために受給するものだからです。

事情があり働けない人

すぐに働けない事情があっても、求職活動をしていないと失業手当の受給対象から除外されます。妊娠や出産、育児の真っ最中の人はもちろん、怪我や病気で療養中の人などもすぐに働くのは難しいでしょう。

失業手当を受給するためには、すぐにでも再就職する意思や行動ができることが必要だということです。

短期労働を希望する人

短期のアルバイトや単発の仕事を希望している人は、求職中だとはみなされません。短期労働では、雇用保険に加入することができず、被保険者にならないからです。

失業手当をもらうためには、必ず一定期間を働く意思があるということが大前提です。

受給期間の延長をできる場合がある

基本手当が受給できる有効期限のことを、受給期間といいます。失業認定の手続きを行わないまま放置しておくと、給付日数が残っているのに、申請期限を過ぎてしまうこともありますが、事情があり求職活動ができない人は、ハローワークで申請をすると期間の延長ができる場合もあります。

働く能力がある人は延長申請を

失業手当が受給できる期間は、原則として離職の日の翌日から1年間と定められています。この受給期間を過ぎてしまうと、せっかくの失業手当を受けることができませんが、期間の延長が認められる場合があります。

働く能力はあるけれど、やむをえない理由があり求職活動や就業ができない場合は、受給期間の延長を申請すればよいでしょう。

受給期間の延長が認められれば、求職活動ができるようになってから受給できます。

最長3年間延長できる

ある一定の理由があると、失業手当の受給期間を延長することが可能です。延長するためのやむを得ない理由として認められるのは、以下の通りです。

●病気や怪我
●妊娠や出産、3歳以下の育児をしている
●家族など、近親者の介護

などが挙げられます。

出産や育児、病気などで働けない場合は最長で3年間の期間延長ができます。もともとの1年間と合わせて受給期間は4年間まで延びます。定年などによる離職は1年間の延長が可能なので、合計の受給期間は最長2年間です。

受給条件をしっかりと確認して正しい手続きを

雇用保険は、労働者の生活や雇用の安定のための社会保険制度です。失業中の求職活動に力を入れるために、ぜひとも活用したい制度ですが、基本手当の受給要件などが複雑でわかりにくいのがデメリットです。

しかし、手続きをしないと、失業手当はもらえません。退職後の人生がより充実するように、しっかり制度の内容を理解し、最寄りのハローワークで正しく手続きをするようにしましょう。


LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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