賢く燻製器を選べばあとは簡単。自宅でおいしい燻製を作ろう
自宅で手軽に燻製をたのしむ
「お店で食べた燻製を自宅でも食べたいけど大変そう…」、「燻製を初めてみたいけどご近所に迷惑をかけてしまいそう…」などと思っている人は意外と多いもの。しかし、しっかりとポイントを押さえてから燻製にチャレンジしてみれば、実は簡単ということがわかります。
基本となるポイントは3つ。燻製器の選び方、燻製のために必要な材料、そして燻煙のやり方。これらをしっかりと理解してから始めれば、お店で食べたようなおいしい燻製を自宅で楽しめます。
燻製器の種類と選び方
燻製器を選ぶ際にまず決めるべき点は大きさです。どんな食材をどういう風に燻製にしたいかで、主に大型、中型、小型の3つに分けられます。また、さまざまな機能があって迷ったときは、温度管理が大事なので、温度計がついているものを選ぶようにしましょう。
本格的な大型の燻製器
大型の燻製器のメリットは、ベーコンやスモークサーモンといった大きな食材を扱えるところ。そして、たくさんの食材を一度に燻製にできるところも大変便利です。可能な燻煙方法は、温燻と冷燻になります。
大きさでいうと高さが80cm以上のものを大型の燻製器ということが多いです。ですので、持ち運びにはあまり向いておらず、アウトドアなどには不向きとなります。どうしても大型の燻製器が必要な場合は、折りたたみ式の大型の燻製器を選ぶと、持ち運びが楽になるのでよいでしょう。
燻製にある程度慣れて、本格的に冷燻でスモークサーモンを作ってみたい場合や、大量の食材を一度に燻製する必要があるといった場合に適しているといえます。
基本的な中型の燻製器
大きさとしては、高さが60cmから80cmくらいのものが多いです。メリットは何といっても熱燻、温燻、冷燻の三つを楽しめる点です。食材を吊り下げるためのS字フックがついているものが多く、ベーコン、スモークチキンといった定番の燻製もしっかり作れる万能選手です。
また、これといったデメリットもなく、しいてあげるとすれば、サーモンなどの大型の食材をまるごと燻製にできないところだけとなります。燻製がどういうものか知りたい人、いろいろな燻煙法を試してみたい人には、万能型である中型の燻製器からはじめてみることをおすすめします。
手軽に使える小型の燻製器
何といっても気軽に自宅のコンロで燻製を作れるのが最大のメリット。ですので、これから燻製を始めてみたい場合や、周囲への煙や匂いが心配な場合などに、ぴったりです。
楽しめる燻製方法は、高温、短時間で燻製する熱燻や、温燻となります。また、小型なので、一番持ち運びが簡単です。お手入れが簡単なところも助かります。デメリットは大きな食材を燻煙することができないところ。しかし、食材を小さく切るなどの工夫をすれば、十分燻製を楽しむことができます。
小型の燻製器は、キッチンでお手軽に燻製を楽しみたい場合に一番向いているといえます。完成したら燻製器ごとそのまま食卓に持っていけるのもうれしいポイント。注意点は自宅のコンロがIHの場合は、IHに対応している燻製器を選ぶことです。
自作でつくる燻製器
専門的で複雑そうに思える燻製器。実は段ボールや一斗缶などを使って意外と簡単に、しかも短時間で作れてしまいます。必要な材料は、ダンボール、100円均一でも購入できる金網、ガムテープ、割りばし。一斗缶で作る場合には、やや難しくなり、さらにドリルやボルトなどが必要になります。
ダンボール燻製器は、庭やキャンプ先で燻製をするのに向いています。簡単に作れて、ごみとして処分できるのがその理由です。ただ耐久性が低いところには気をつける必要があります。
燻製に必要な材料は
燻製器を用意したら、次は、よい薫りをつけるのに必要な燻煙材とメインの食材の準備です。燻煙材には、大きく分けてスモーキングチップとスモーキングウッドの2種類があります。ポイントは燻煙方法に合っている燻煙材を選ぶことです。
薫りをつける燻煙材
燻製に欠かすことの出来ない燻煙材。煙を出す火種として使用します。燻煙材には、大きく分けると2種類あり、燻製の仕上がりなどにも違いがでてきます。
スモーキングチップ
木材を細かいチップ上にしたものです。使い方は、スモークチップを皿やトレイの上にのせ、下から火のついた炭やコンロで常に熱を加え続けます。
スモークチップが得意とするのは短時間の燻煙。ですので、小型の燻製器を使った熱燻に向いています。またスモークウッドと比べて値段が低いので、サクラとヒッコリーというように複数のチップを混ぜてアレンジを試せるのも、スモークチップならではの楽しみ方です。
スモーキングウッド
木材を固めて棒状に加工したものです。スモークウッド自体に火をつけて、燃やしながら煙を出します。それゆえ、一度火をつければそれ以降は熱源の心配がいらなくなるので、長時間燻煙を行う場合に向き、特に冷燻の場合には必須となります。
燻製したい好みの食材
いよいよメインとなる食材。基本的には燻製にしたいものを用意すればいいのですが、気を付ける点もあります。
人気もあり定番の食材は、豚バラ肉、牛肉、鶏ささみ、鶏むね肉、ホタテ、イカ、タコ、サーモン、サケの切り身、チーズ、ナッツ類などです。サーモンはお刺身サイズで。牛肉はビーフジャーキー用に薄切りに。こうすれば、小型の燻製器でもおいしい燻製を作ることができます。
気を付ける点は、使用する燻製器に合った大きさの食材を用意することです。大きな食材の場合は、切り分けるなどして、ひと手間かけることがポイント。上記の食材はどれも小型の燻製器で作れるものなので、まずは定番の食材からはじめてみて、そのあとに好きな食材にチャレンジするのをおすすめします。
燻製をつくろう
燻製器も用意して、食材も決まったら、あとは食材の下準備をして燻煙するだけ。基本となる流れは、塩漬け、塩抜き、そして乾燥。ここで注意する点は、食材をしっかり乾燥させることです。
食材の下ごしらえについて
食材の下ごしらえには、いくつかの工程があります。この工程をしっかりと押さえて実践することで、より本格的な燻製を楽しむことができます。
1. 食材の切り分け
小さな燻製器を使う場合には、食材を小さく切るなどの工夫が必要になります。食材を切り分ける際にサイズがバラバラになってしまうと、出来上がりにムラが出てしまうので、大きさを揃えておくことがポイントです。
2. 塩漬け
肉や魚といった生の食材を使用するときは、水分をしっかりと抜くために、とくに重要なステップです。初心者にもおすすめなビーフジャーキーは、この段階でしっかりと味付けも行います。またベーコンなどは一週間くらい塩につけておく必要があります。
ただし、チーズや加工済みのベーコンなど、そのままで食べられる食材に薫りをつけるだけの場合には、塩漬けと塩抜きの作業は必要はありません。
3. 塩抜き
一度水洗いするだけで大丈夫な場合もあれば、一時間くらい水につけておく場合もあります。好みの問題にもなるので、一度火を通し、味見をしてみるとよいでしょう。
4. 乾燥
燻製がうまくできるかどうかを決める大事なポイントです。燻煙は、食材に含まれる水分に入り込むことで、その食材に薫りと色を付けます。しかし食材に水分がたくさん残っていると、煙が入りすぎて味がエグくなってしまい、逆に乾燥しすぎると薫りや色が移らないことも。
目安としては、塩抜きが終わったら、丁寧に表面の水分をふき取って、風通しのよい日陰などで5~6時間、夏など外気温が高い場合には、ラップをせずに冷蔵庫の中へ置いておきます。食材の表面がサラッとしていれば、ちょうどよいといえます。生の肉や魚の場合には、とくにしっかりと乾燥させてください。
燻製器の使い方の手順
手順はどの燻煙方法でも共通しています。異なるのは、燻煙する時間だけ。熱燻なら短め、温燻なら長めというイメージです。ここでは手軽にできる小型の燻製器を使った熱燻の手順をみていきます。まずは熱燻で、加熱済みのチーズやイカやソーセージなどに薫りをつけてみて、ステップアップしていきましょう。
- 食材を金網の上に並べていきます。
-
一握り、約6gほどのスモークチップを、燻製器の受け皿に置きます。
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燻製器をコンロにかけ、強火にし、チップを発火させます。
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煙が出てきたら、チップの火が消えない程度まで火を弱めます。
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食材をのせた金網を燻製器にセットし、フタをします。
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火の通り具合を確認しながら、10分~15分、加熱が必要な食材の場合1~2時間ほど燻煙して火を止めます。
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フタはしたままで、5分ほど放置します。
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フタを開けて完成です。
食材ごとにおすすめの燻煙法
どんな食材を燻製にするかによって、適切な温度は変わってきます。そして燻製を行う際の温度によって、熱燻、温燻、冷燻の3つの燻煙法に分かれます。
熱燻法
小型の燻製器でスモークチップを使用し、80度~140度の高温で食材に火を通しながら短時間で燻製する方法です。主に薫りづけをする場合に使います。完成後も食材に水分が多く残っているので、保存には不向きとなり、薫りをつけてその日のうちに食べるといった場合に適しています。
スモークチーズ、ホタテ、イカ、タコ、ソーセージ、卵、豚バラ肉、餃子など、熱燻に向いている食材、食品は数多くあります。
温燻法
中型、大型の燻製器を使用し、30度~80度でおよそ1時間以上燻煙します。最もポピュラーな方法で、扱える食材も多く、レシピも豊富です。また燻煙材はスモークチップ、スモークウッドのどちらでも使えます。
ベーコン、ハム、ササミ、鶏むね肉、ソーセージ、ビーフジャーキー、スモークチーズ、魚介類などたくさんの食材を燻製にすることができます。
冷燻法
燻製に慣れてきた上級者向けの方法です。大型の燻製器でスモークウッドを使用し、15度~30度で、3、4日から数週間に渡り燻煙します。
冷燻では、他の燻製方法では出来ない、生ハム、パンチェッタ、スモークサーモンなどを作ることができます。
おすすめの燻製器
おいしい燻製を作るために必要なのは、あとは燻製器を選ぶだけ。ここでは、すぐに自宅で燻製を始められるように、おすすめな小型の燻製器をピックアップしました。どの燻製器も、外に漏れる煙が少なく、お手入れ性も抜群なものばかりです。IHコンロ対応の燻製器もありますので、ご自宅のコンロに合ったものを選ぶようにしましょう。
長谷園 いぶしぎん
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土鍋を使用し、遠赤外線効果で、燻製時間を短縮できる小型の燻製器です。注目すべきは特許取得商品であること。また、フタと鍋の間の溝に水を入れることで、煙を封じ込めます。ですので、キッチンで燻製を楽しむにはうってつけ。燻製をやってみたいけど、マンションなので煙のことが心配で躊躇していた人も安心して燻製を楽しめます。
サイズは3種類あります。かわいいミニサイズは価格も手ごろで、本格的なおつまみを自宅で楽しみたい一人暮らしの女性にとってはうれしいポイントです。
アルペカ テーブルトップスモーカー
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コンパクトでデザイン性の高い小型の燻製器です。「テーブルトップ」という名前の通り、見た目がすごくおしゃれなので、そのまま食卓に出して雰囲気を楽しめます。スモークチップとスモークウッドどちらにも対応しているところもプラスポイント。
また構造が非常にシンプルなため、お手入れが楽なのがうれしいところです。最初からサクラのスモークチップとスモークウッドがついているので、初めて燻製をする場合は、この燻製器と食材を購入するだけでよいのもありがたいです。
サーモス 保温燻製器イージースモーカーRPD-13
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サーモスといえば真空断熱のタンブラーが有名。その真空断熱技術を利用して開発されたのが、この燻製器です。熱燻と温燻に対応しています。
一定時間加熱したら火を止めて、魔法びん構造になっている付属の保温容器に燻製器ごと入れます。こうすることで、セラミックス鍋の温度を高い保温力でキープし、燻煙し続けます。
うれしいポイントは、ほかの燻製器に比べてガス代を抑えることができるところ。またキッチンで使用することを想定して設計されているため、煙がほとんど出ません。ですので、集合住宅でお隣さんへの影響が心配な人にもおすすめです。
コールマン コンパクトスモーカー
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熱燻製専用の小型の燻製器です。フタと鍋の間に水を流し込むことで煙を抑えるので、煙が気になる場合も安心。
コンパクトな見た目のわりに中が広く感じられ、金網も2段セットできるので、一度でたくさんの食材を燻製にできるのがうれしいところです。
イシガキ産業 IH対応鉄人鍋25cm
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見た目がワイルドな小型の燻製器。鉄鋳物で作られているので、フタや鍋を使い、煮る、炊く、焼く、蒸すといった使い方ができ、鉄分を一緒に摂取できます。
またIHのコンロに対応している点もありがたい点です。鉄鋳物なので、シーズニングといった最初の作業をしっかり行えば、他の鍋では不可能な、鉄製ならではの味を楽しめるのも大きな魅力となります。
ホンマ製作所 キッチン スモークキュート
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このステンレス製の小型の燻製器は、日本で作られていて、IHコンロに対応しています。カラーバリエーションも6色と多く、好きな色を選べるのがうれしいところ。大きさも気軽に燻製を楽しめるサイズなので、はじめて燻製をするといった場合に適しているといえるでしょう。
自宅でも味わえる本格的な燻製をたのしもう
もしまだ燻製をやってみたいけど迷っているのなら、キッチンで手軽にできる小型の燻製器がおすすめです。自宅でも本格的なお店の味を楽しむことができます。目的に合った燻製器を選び、材料を知って、どう燻煙するかなどのポイントを押さえて、ぜひチャレンジしてみてください。