【２】起業、結婚、出産と怒涛のような日々を乗り越えて見えたものとは？：西山貴代さんインタビュー

憧れの仕事だったホテル清掃をバイトから始め、とことん追求していき、ビジネスにつなげていった西山さん。それと重なり結婚と出産というプライベートでの転機も重なって大わらわ！
彼女はどうクリアしていったのでしょうか？

起業のタイミングで結婚と「J300アワード」大賞受賞！

―ホテル業界での技能コンテストを2年連続で受賞され、起業につなげた経緯を教えてください。

「賞を獲って、全国のプロフェッショナルな方々とお話できたことはもちろん、同時期に地元の福岡で先輩起業家の方とお会いする機会があって、そこで背中を押してもらったことが大きかったです。起業は、すごくハードルが高いイメージがありましたが、商工会議所がやっている起業塾にエントリーし、自分のやりたいことを話したら採用され、そこから一気に動き出しました。２月に起業塾に入り、6月にはすでに起業していました。」

―かなりスピーディな展開ですね！
さらに2020年に企業×女性起業家のマッチングイベントである「J300アワード」で大賞を受賞されています。

「J300アワードは、福岡の先輩から『PRシート出してみない？』と言われて出したところから始まりました。その先輩とはその後、半年間くらい連絡を取ってなかったんです。そしたらその後、結婚、妊娠となり、すべてが重なってしまいました。」

起業と結婚、出産のトリプルヘッダー！

―結婚のタイミングはどのようにして決められましたか？

「2019年３月に１回会社を辞めて６月にホームページを作ったら、８月に東京の会社から仕事のお話をいただいたんです。2019年の10月に東京へ引っ越しましたが、当時はまだ独身でした。今の夫と付き合うことになったのは引っ越す１週間前で、その上京したタイミングで結婚の話が出て、翌月にプロポーズされました。」

―トントン拍子でいったわけですが、「J300アワード」の選考も同時進行で行われていたということですか？

「はい。イベントは出産予定日の8月19日の翌日に開催予定でした。さすがに予定日間近で外にも出られない日程でしたが、オンライン開催だからいいかなと思い参加いたしました。予定日が遅れていたら、なんと『代表に決まりました』という連絡をもらったので、予定日の1週間後に、誘発で計画分娩をしました。」

―まさに怒涛のような展開ですね！

「ウェブ面談もあると聞いていたんですが、なかなか連絡が来なくて。出産して２週間くらい経ったあとで、メールを確認したら、ゴミ箱にあって、なんとその翌日が面談の日だったんです。夫も在宅だったので、子どもを見てもらうことにして、急いでその日のうちに資料を作り、翌日8分間のプレゼンをしました。そしたら『受賞しました！』と言われて、正直、びっくりしました。」

仕事とプライベートの両立に迷いはなかったのか？

―結婚されたことで家庭と仕事の両立に悩んだりはしませんでしたか？

「葛藤はもちろんありました。上京して、これから事業を広げようとしていた時に結婚となったので、どうしようかなと迷いました。私は今37歳ですが、子どもが欲しかったし、妊娠・出産・育児も早いほうがいいとも思いましたし。でも、そもそも私は結婚する気がなかったので、結婚や出産するために東京へ出てきたわけじゃないとも悩みました。そんななか、コロナで業界自体がストップしたんです。」

―その時はどういう心境だったのですか？

「仕事をやりたいけどやれないというもどかしさがありましたが、私にとっては休みが取れるといういいきっかけになったのかなと。そこからは切り替えて、出産して育児をし、復帰したら仕事を頑張ろうと思いました。そんな矢先に、J300アワード受賞のお話をいただいたことで、また新しいスタートを切れた形になりました。」

【まとめ】結婚と出産を経て仕事はリスタートできる！

西山さんにおいては、仕事だけではなく、プライベートでも、いきなりビッグウェーブが押し寄せたようですが、常に前向きかつスピーディに動いたことが功を奏した気がします。女性にとって結婚、出産というのは、人生における大きなライフイベントですが、西山さんはそこを天秤にかけるわけではなく、持ち前のガッツで乗り越えていきました。

猪突猛進という印象を受ける西山さんですが、その後もいろいろな壁が立ちはだかったそうです。次回は結果を出すために奮闘しすぎたという経験談を語ってもらいます。