【3】ベストなパートナーシップを築く方法は、大喧嘩と速攻の仲直り:渡部久美子さんインタビュー
第三子を出産後に起業した渡部さんは、常に夫婦二人三脚で子育てをしてきました。とはいえ、口でいうほど簡単なことではないはず。そんな渡部さんに、夫婦で素晴らしいパートナーシップを築く秘訣を伝授してもらいました。また、多忙を極める渡部さんにとって、プライベートで大切にしている時間とは?
ネガティブ思考から脱する方法は寝ることとおばあちゃんへの電話
―3人の子育てをしながら仕事をしていくなかで、思うようにいかなかったり、落ち込んだりした時は、どんなふうに気持ちを上げるのですか?
「私は基本、人間はネガティブなものだと思っていますし、実際に何か心配事があると、考え込んでしまいがちです。でも、その抜け方は、会社員の先輩から教わりました。例えば、思考が停止するくらいまで追い詰められた時は『今日はもう無理。ママ、暗くなってしまうから3時間寝る』と宣言して寝ます。そういう仕組みを作ると抜けられるので。
私は、太陽の光が大きければ大きいほど、照らされる月が闇となる時間も多いと思っています。すべてをさらけだし、その両方の自分を受け入れることが大事かなと。あとは、辛くなったら、おばあちゃんに電話します。私にとってのメンターであるおばあちゃんと話して、ぼろぼろと泣いたあとは、すっきりするんです。私は家族が大好きなので、母親にも週5、6回は電話します」
夫婦げんかは仁義なき戦い!?仲直りに3回のチュー!
―ご主人との二人三脚で子育てをされている点も素晴らしいです。
「お互いに起業の勉強をしていて、価値観が共通だったことも大きかったのですが、喧嘩もすごくするんです」
―どんなことで喧嘩をするのですか?
「お前のほうが仕事をしてるけど、俺はそこまでできてないとか、その逆もありますし、たくさんのことを乗り越えて今があります。もちろん好きな者同士で結婚し、お互いに尊重し合っていますが、その分、本当に腹を割っての喧嘩もとことんします。いろんな夫婦がいますが、私の持論としては、喧嘩をしたぶんだけラブラブになれたとも思っています」
―溜め込まずにちゃんと喧嘩をしてケリをつけるということですね。
「起業している先輩から『喧嘩する時間があったら仕事をしなさい』とも言われますが、私たち夫婦の場合はたくさん喧嘩するし、朝までやりあうこともあります。ただ、うちの場合、喧嘩をしても、絶対にその日のうちに終わらせて寝ることが鉄則です。仲直りしたあとは、チューを3回して寝ます。ラッキーナンバーが3なので」
週末は家族の時間、夫婦での映画鑑賞も
―休日はどのように過ごしていますか?
「これまでは、週末も子連れで参加できるセミナーに出かけることが多くて、土日に家族で遊ぶことがあまりなかったのですが、一昨年くらいから、もっと子どもとの時間を増やしたいと思い始めました。コロナが明けたら、旅行などにも行ってみたいです」
―ご主人も起業され、普段は家にいらっしゃるので、日頃からコミュニケーションは取れますね。
「家にはいるんですが、私としてはもっとしゃべりたいです。だんなは広島生まれで、『仁義なき戦い』に出てきそうな寡黙なタイプ。優しいけどドライな人で、逆に私はしゃべりすぎるので、バランスはいいのかもしれません(笑)。子どもが寝たあとは、プロジェクターに投影した映画を2人で観たりもします」
≪まとめ≫夫婦喧嘩はその日中に終わらせ、しこりを残さない
子ども3人の子育てを、ご主人と上手く連携してサポートし合っているという渡部さん。たとえ激しい夫婦喧嘩をしたとしても、きっちりとその日中に解決するというルールは、共働きの夫婦にとって、非常に学ぶべき点が多い気がします。また、ネガティブになった時、自分の気持ちを切り替える仕組みを作ることで、自分自身を上手くハンドリングしている点もさすがです。
最終回では、渡部さんが見据える40代からの目標を語っていただきつつ、未来の起業家の方へのメッセージもいただきます。