ゆうちょ銀行の住宅ローン。選ぶメリットや利用方法と注意すべき点
ゆうちょ銀行の住宅ローンを選ぶメリットは
郵便局の2007年の民営化で誕生した日本郵政グループの1つになる、ゆうちょ銀行の取り扱う住宅ローンには、どんなメリットがあるのでしょう?「郵便局=信頼性」という年配者も多い中、民営化されたゆうちょ銀行の住宅ローンについて調べてみましょう。
ゆうちょ銀行住宅ローンの魅力
ゆうちょ銀行の取り扱う住宅ローンは、現在、郵政グループが独自提供しているローンではありません。ゆうちょ銀行が窓口になっていますが、実際の審査やローン提供はスルガ銀行が行っているものになります。スルガ銀行が提供する、ゆうちょ銀行の住宅ローンの魅力を調べてみましょう。
74歳まで申し込み可能
一般的な銀行などの住宅ローンを利用する場合、利用できる年齢は平均65歳~69歳までと決められているものがほとんどになります。75歳~80歳程度がローン完済目安としている場合が多いので、70歳を過ぎた場合のローン利用は難しいことが多くなります。
ゆうちょ銀行で取り扱う住宅ローンは、この限度年齢を大きく上回り、74歳まで申し込みすることが可能な場合があります。年金収入などの資産背景が一定の金額以上ある場合であれば、74歳でも住宅ローンを利用することが可能というメリットになります。
返済力はキャリアから判断
住宅ローンを利用するための審査基準を申告書類だけの判断でなく、転職直後や個人事業主として独立した直後でも、今までの業績やキャリアなどから返済能力を丁寧に判断してくれます。ですから勤務歴が短い場合や申告所得が低い場合も、住宅ローンの融資が可能となる窓口を広くとっていることが、最大のメリットとなっています。
子供が一人生まれる度に金利が優遇される
子育て応援制度とよばれるユニークな特典がある「夢舞台」という住宅ローンは、子供が一人生まれるたびに住宅ローンの金利が0.1%優遇される商品になります。
子供が生まれると、何かと資金面のやりくりが負担になることも予想したこの商品は、若いファミリー世代でもローンを気にせず、子供を育てていけることができるユニークな魅力ある商品です。
女性専用のローンがある
シングルマザーや独身女性限定の「夢舞台 働く女性応援型1・2」という商品も用意されています。働く女性を応援したこの商品は、繰り上げ返済手数料無料のタイプや、スルガ銀行所定の担保評価額100%まで借り入れできるタイプと2種類用意されています。
勤務年数や経営年数のキャリアを問わずに利用可能なので、働き始めたばかりや個人経営したばかりでも、住宅ローンの申し込みが可能という女性限定の住宅ローンです。
派遣や契約社員を応援するプランがある
契約社員や派遣社員など正社員でない場合、住宅ローンを断られることが多い人も利用することができる「夢舞台 派遣・契約社員応援型」は、男女の区別なく、派遣や契約社員という社会的保障のない立場の働く人を応援する住宅ローンです。
スルガ銀行所定の担保評価額の最大100%まで融資してもらえるので、正社員でなくても憧れのマイホームを手に入れることが可能な住宅ローンになります。
ゆうちょ銀行住宅ローンの利用手順
幅広い人が利用できるゆうちょ銀行の住宅ローンですが、実際申し込みするにはどんな利用手順なのか、手順に沿ってみてみましょう。
電話やインターネットで申し込みをする
まずは、住宅ローンの申し込みから始めましょう。申し込みはスルガ銀行取扱店の郵便局のゆうちょ銀行窓口で申し込みする方法と、スルガ銀行ゆうちょローンサービスセンターに電話する方法、インターネットを通して申し込みをする方法の3つの申し込み方法があります。
どの方法で申し込みをしても、スルガ銀行ゆうちょ住宅ローンサービスセンターより、申し込み内容を確認するための電話が折り返しかかってきます。その際に、必要となる別途書類の提出を求められる場合もあります。
審査結果を知らせるメールが届く
審査に必要となる書類を提出後、審査結果が記載されたメールや手紙が郵送されます。住宅ローンの審査が通った場合は、スルガ銀行ゆうちょ専用支店でローンを返済することになるため、口座開設のための書類が同時に郵送されます。
本契約の後に融資が開始される
窓口で申し込みした場合は、申し込みした窓口へ出向き正式な書類の提出と、本契約を交わし融資が決定します。インターネットや電話で申し込みをした場合は、口座開設の書類を送った際に本契約となり、融資が実行されることになります。
融資開始されると、返済計画予定表や融資にかかる手数料の計算書が、スルガ銀行より発行され融資が開始されます。
ゆうちょ銀行住宅ローンに関する注意事項
ゆうちょ銀行の住宅ローンは、幅広い年齢や環境の人が利用できるローンになりますが、注意するべき点もあります。注意事項を納得したうえで利用するかどうか、良く考えた上での利用がおすすめになります。ここでは、ゆうちょ銀行住宅ローンを利用する前に気を付けたい注意事項を調べました。
金利は借入日によって変動する
住宅ローン金利は、借り入れた日により変動する場合があります。金融情勢の変化により変更されるので、ホームページやパンフレットに掲載されている金利のまま完済まで、ということがないので注意が必要です。
固定タイプのフラット35や固定金利3年型や5年型なども用意されていますが、ローン申し込みの幅が広い「夢舞台」の商品の場合は、ほとんど変動金利制なので借りるときの金利を注意して申し込みしましょう。
融資先は地銀のスルガ銀行になる
ゆうちょ銀行で取り扱う住宅ローンですが、現在は地銀であるスルガ銀行が提供する形で住宅ローンを展開しています。民営化になったとはいえ、実質的に政府管理であるゆうちょ銀行が、住宅ローンを手掛けるようになれば「民業圧迫」になることから、金融庁がゆうちょ銀行の住宅ローンビジネス参入を足止めにしているのではという話もあります。
未来的にゆうちょ銀行が運営する住宅ローンも、取り扱い開始になることも予想されますが、今の時点ではゆうちょ銀行が窓口となり、スルガ銀行が提供する住宅ローン商品の提供になるので、あくまでも融資先はスルガ銀行になるので注意しましょう。
金利は他の銀行に比べて高め
他社の住宅ローンでは融資が受けられないと予想される、年齢の幅や就労状態など他社の住宅ローンに比べ審査が緩く幅広く対応しているぶん、金利は他社に比べて高い設定であることに注意しましょう。
他社でローンを融資されない方でも融資が可能であることから、金利を高めに設定しても利用する人が居ることが要因だと思われます。金利が高めでもゆうちょ銀行のローンなら融資が可能だから、申し込むという方も少なくないようです。
増額返済額の上限が低い
住宅ローンは、支払回数が長いのである程度のローン残額になると、返済額を増額して残回数を減らすことも可能になります。通常の住宅ローンの場合は、融資金額の5割程度増額返済することが可能の場合が多いのですが、ゆうちょ銀行住宅ローンの場合は、融資金額の3割が上限の増額となれます。
これは、融資している回数を長くするために、3割しか増額できなくなっていると考えていいでしょう。少しでも長くローンを残すことで、銀行側の利益になることが要因でしょう。途中で増額しようとしても3割しか増額できないことを念頭に良く考えて検討しましょう。
自分に合ったローンのプランを選択しよう
念願の一戸建てや、デザイナーズマンションの購入など、いつかは自分名義の家を持ちたいと思うのは誰でも考えることですが、住宅ローンは何十年も支払いをすることが前提で銀行から借り入れる借金です。
融資可能だからといっても、金利や返済方法に無理があるようでは、返済していくのが負担になる場合もあります。自分の収入や生活に合った住宅ローンのプランをよく考えて選ぶことがポイントです。