色彩検定取得方法。ビジネスにもプライベートにも役立つ人気の技能
色彩検定を取得して仕事と生活に生かしましょう
色彩検定とは、公益社団法人色彩検定協会(略称A・F・T)が主催する技能検定の一つで、色に関する知識や配色技術・技能を問われる検定試験であり、一級から三級までに分かれています。受験資格は設けられていないため、誰でも気軽に取り組むことができ、小学生からお年寄りまで幅広い年齢層の志願者がいることで有名です。
そんな幅広い年齢層から支持されている色彩検定は、ビジネスシーンやプライベートに役立つ知識がたくさん。例えば、プレゼンテーション等に色による説得力の裏付けが得られたり、プライベートではリラックスした空間を作るための色の選び方などに役立ってくれます。学生の受験者が多いイメージでしたが、近年では、社会人の受験者も多い傾向にあります。
試験地は全国に約4,000会場あり、一級以外は年二回、夏と冬におこなわれています。試験料は以下の通りで、三級と二級、一級と二級は同じ日に受けることが可能です。申し込みは公式のホームページからおこなうことができます。
三級…7,000円 二級…10,000円 一級…15,000円
色彩検定の詳細
色彩検定の正式名称は文部科学省後援色彩検定
初めて色彩検定が実施されたのは1990年。その頃はまだ色彩検定という名前ではなく、ファッションカラーコーディネーター検定試験というものでした。
4年後の1994年に色彩検定には、人々が自己の充実、生活の向上につながる学習とされる生涯学習の内容が含まれるとして、1995年に文部科学省に認定されました。
2006年には文部科学省より、積極的に後援するべきであると認められ、「文部科学省後援色彩検定」という技能検定の一つとなりました。
色彩検定問題数は100問前後
気になる問題数ですが、大体100問前後の問題が出題されます。問題数はそのときによって変動するシステムになっており、104問などのときもあります。
合格基準は7割以上ですが、設問によって配点が違うため注意が必要です。ただ、この配点は合否のときに分かるようになっているため、問題集から幅広く勉強する必要があるといえます。
色彩検定問題形式はマークシート方式
色彩検定の問題は基本的にはマークシート方式を採用しており、三級に関しては全ての問題がマークシートでの出題となっています。二級と一級には、マークシート問題のほかに記述問題があるため、難易度が少し高くなっています。
また、一級は実技試験が増えるほか、一次試験と二次試験に分かれるため、難易度はほかの級より高めに設定されています。
色彩検定三級について
色彩に関する基本の知識を理解しているかがポイント
色彩検定三級では、色彩の基本的な部分を理解しているかが問われます。具体的には、以下の通りです。
色のはたらき、色彩調和、光と色、色彩効果、色の表示、色彩と生活、色彩心理、ファッション、インテリア、慣用色名
例えば色のはたらきについてであれば、青や緑などの自然界にある色は「精神に作用し、安らぎや心地よさを与えてくれる効果がある」という知識や理解が必要になっていきます。また、青と赤を混ぜると紫になる等の、色の作り方(色彩調和)への理解も重要な項目の一つです。
試験時間は70分間
三級の試験時間は70分間となっており、マークシート方式の問題なので比較的時間に余裕ができる人もいるでしょう。ですが、問題の文章には勘違いしやすい言い回しや、色に関しての専門用語などが多いため、一問一問よく注意しながら解いていくことがポイントです。
余った時間は必ず見直しに使い、間違いが無いかしっかりチェックしましょう。
色彩検定三級は色彩検定協会が販売する公式テキストが試験範囲
気になる試験範囲ですが、色彩検定の三級は色彩検定協会が販売しているテキストのなかから出題されます。そのため、公式のテキストが学習するうえで必要となります。
独学で試験に挑戦してみようという場合は、なるべく公式のテキストを参考にして学習するといいかもしれません。また、問題は公式のテキストから満遍なく出題されるため、得意な項目はもちろん苦手な項目はチェックをして繰り返し読み、理解することが大切です。
合格率は70%以上の得点が必要
色彩検定の三級に合格するためには、70%以上の得点が必要となってきます。問題数は100問前後ですが、そのときどきにより変動します。合否が来るまで配点がわからないため、なるべく全ての問題を解けるようにしておいたほうがいいでしょう。
また、そのときに受けた受験者全員のテストの平均正解率などを基準に、合格率が多少変動することが分かっています。全体的に平均正解率が低ければ、68%や69%で受かることもありますが、平均正解率が高ければ70%以上を求められる場合もあります。
三級の独学は理解しながら暗記することがポイント
時間の問題だったり、金銭的な問題がある場合、なるべく独学で挑戦してみようと考えるかもしれません。事実、色彩検定三級は、独学で学習をして合格をもらっている人もたくさんいます。
独学で試験に臨む場合は、まず基礎をしっかりと理解したうえで暗記をすることがポイントです。出題はマークシートなので、普段見なれない言葉や専門用語などをしっかりと理解することで、当日混乱せずに解ける力が身に付きます。色の名称や、色の作り方などは単語帳やカラーカードを使い、暗記してしまいましょう。
色彩検定の独学勉強方法
色彩検定三級は過去問から出題傾向を把握する
公式テキストなどを読み理解が深まれば、過去問に挑戦してみましょう。公式からもテキストが出ているので安心です。
過去問を解くことにより出題傾向や、独特の言い回し表現を把握することができます。最初はどんな問題があるのかを解きながら理解していき、苦手な問題と得意な問題は色を変えて印を付けておくと、あとから見返したときに自分の得意不得意の傾向が分かるようになります。
また、問題中で出てきた分からない専門用語や言い回しなどにもマーカーを引いておき、あとでチェックするようにすると、効率的に勉強ができるためオススメです。
公式本を繰り返し読む
公式のテキストには、大切な解説欄や単元ごとの重要ポイントなどがたくさん載っています。まずは、繰り返し読み理解を深めましょう。
繰り返し読む際に間が空きすぎてしまうと、忘れてしまう原因になるため、「一日30分読む」など、なるべく読めなかった日を無くすようにすると覚えるのが早くなります。まず、ざっと目を通してみて全体像をつかむことも大切です。
テキストなどは最初に専門用語に対する解説を載せていることが多いため、最初のページは重点的に読むと効果的です。また、通読したあとに、気になる項目から読んでいくと理解が深まりやすく、忘れにくくなります。
色の名前や人物名を覚える
慣用色名(色の名称等)の問題に関しては、毎回出題の方向性が違うといわれています。出題の方向性が違うと混乱したり、迷ったりの原因となるため、注意が必要です。
色の名前を覚える際は、その色の歴史や名付けた人などを紐づけて覚えていくと理解しやすいでしょう。例えば、古くから日本で愛されている桜の花の「桜色」は、赤みを含んだ淡い紅色のことで、紅染めのなかで最も淡い色として知られ、平安時代に書かれた古今和歌集で初めて登場したことが分かっています。
日常生活で目に留まった色などを検索してみたり、好きな色から覚えていくと、楽しく学習できるでしょう。調べた色などは、公式テキストや単語帳などに書き込むことによって忘れにくくなります。
色彩検定の公式テキストを繰り返し解く
色彩検定に独学で受かるためには、一般的に1カ月くらいの勉強期間が必要といわれています。専門知識や色の名称などに理解が深まれば、問題をとにかくたくさん解きましょう。
その際に、自分の苦手分野を把握する必要があります。わからなかった問題や、解けなかった問題は必ず印をつけ、苦手な問題や傾向を把握しましょう。どうしてもわからなかった問題の場合は、消えるペンなどで問題にヒントを書き、解けたら消してまた解いてみるなどの反復学習が大切です。
色彩検定のおすすめテキスト
A・F・T色彩検定色彩検定公式テキスト3級編
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まずは三級から受けてみようという人も、一級を受けようとしている人も何事も基礎が大事。文部科学省後援色彩検定の公式テキストですので、全治的にわかりやすく色彩の基礎についてしっかりと学べる内容になっています。
サイズが少し大きめなため、家や職場等でじっくり学習したい人に向いています。また、全ページカラー仕様となっているため、読みやすいのも特徴です。
色彩検定過去問題集2016年度2.3級
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こちらは2016年度の色彩検定の過去問題集が学べるテキストとなっています。色彩検定の公式テキストとなっているため、過去にどんな問題が出されていたかを知ることにより、出題の傾向や注意点などが理解できます。
解説欄があるため、理解しやすく、取り組みやすいのが特徴です。また、独学で取得を目指している人は、問題を暗記し、解けるようにしておくとベスト。時間を計ってテスト感覚で取り組んでみるのもいいでしょう。
A・F・T色彩検定公式テキスト2級編
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二級を受けようという人や、三級より専門的な知識を学びたい人はこちらのテキストがオススメです。公式のテキストになっているため、基礎知識はもちろん、より専門的な知識が学べます。
図や写真が多く記載されており、解説もついているので、読みやすく学びやすいテキストになっています。こちらもサイズは大きめですので、落ち着ける環境での学習に向いているといえます。
A・F・T色彩検定 公式テキスト1級編
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色彩検定の一級を受ける人には、こちらの公式テキストがオススメです。二級と一緒に受けようとしている人は上記のテキストと合わせて購入し、学習するといいかもしれません。
値段は少し高めですが、二級のテキストと同じく図や写真も多く記載されています。読みやすさや、理解のしやすさを求めるのであれば、公式のテキストが向いているかもしれません。
色彩検定過去問題集2016年度1級
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一級の過去問の公式テキストです。上記の公式テキストと下記の新配色カード(カラーカード)と一緒に購入することをオススメします。
問題の難易度は二級と同じくらいですが、出題範囲が広いため最初は内容を覚えているかチェックしながら解いていくといいでしょう。マークシート問題と記述問題、実技があるため、試験感覚で取り組む際には、時間配分に注意しましょう。
日本色研 新配色カード199a
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試験会場で当日配られますが、事前に触っておきたい人はカラーカードを買っておきましょう。試験当日はカラーカードを切り、指定の枠に貼ります。
慣れてないと最初は混乱すると思いますので、過去問と一緒に購入し実際に切り貼りして実践に慣れておきましょう。値段も求めやすいため、切る用と持ち歩く用など自分の学習用途に合わせて購入するのがオススメです。
色彩検定が役立つ職業
お客様が求める色をサポートできるファッション関係
もともと色彩検定は服飾団体がおこなっていたこともあり、今もファッション関係の仕事に携わってる人達から人気の検定となっています。色の組み合わせを勉強することによってアパレル関係では、より素敵なコーディネートをお客様に提案したり、楽しんでもらうことができるからです。
ファッションデザイナーや、メイクアップアーティストは、常に時代の最先端をいく感性が求められるため、いろいろな色の名称や、組み合わせを考える必要があります。
メイクに関しても、光と色の大切な関係も学べます。色彩検定はファッション関係に従事している人々にとって、感性を磨くためのいい学習方法といえるかもしれません。
住まいの色を提案することができる職業
一家団らんの空間づくりや、リラックスできるスペースづくりなど、私たちの暮らしの「空間づくり」の相談にのってくれるインテリアコーディネーターや照明デザイナーからも、色彩検定は人気です。
よりよい空間づくりのためには、家具の置き方だけでなく配色にも気を配らなければなりません。また、光による雰囲気づくりやイメージ付けも重要です。センスやアイデアを磨くためや、色彩が空間に与える影響などを考えるには色彩検定は向いているといえます。
また、デザイナー間でやるとりをする際にも、色による理論的な裏付けがあると、納得してもらうことができるかもしれません。
消費者の目を引く提案をする広告や商品開発関係
車などの工業系をデザインする、工業デザイナー(インダストリアルデザイナー)や、私たちがよく目にする新聞や雑誌等をデザインしているグラフィックデザイナーにとって、人の目を引くというのは大事な要素の一つになります。
また、スマートフォンやiPhoneが定着している今、インターネット上でいろいろなサイトを見たりすることが多いのではないでしょうか。そんなインターネット上のデザインをおこなっているWEBデザイナーにとっても色彩検定は大きい戦力になります。
広告関係であれば、より人に印象深く、記憶に残るような色彩効果を取り入れたり、商品開発の面では、それぞれの商品に合わせた配色等を学ぶことができます。
人を色で癒すセラピスト
色の色彩心理を利用して、主に人の心を癒す目的として色彩検定を受ける人もいます。例えば、絵を描くことによって精神の不調や、身体的疾病などを癒す、アートセラピスト。また、太陽の光や虹の色など、人の心身にいい影響を与える色や光を使い、心身を癒してくれるカラーセラピストなどがその一部になります。どちらも心の深層心理に作用するセラピーとして有名です。
医療関係の現場では、小児科などで子供の不安を取り除くために、パステル系のカラフルな色を使うなど実践的に使用されています。ひざ掛けやスリッパなどを、ベージュやピンク等の柔らかい色にすることによって、不安を抑えて、気分を落ち着かせることができるそうです。
また反対に、赤や黒など強めの色は、血を連想させたり不安感を与えたりするため、医療現場ではあまり使わない色になっています。これらは色彩効果によるものなので、色彩検定のテキストなどで学ぶことができます。
色彩検定一級の難易度
一級の色彩検定は一次試験と二次試験がある
一級の検定試験は二級・三級と違い、マークシート問題と記述問題の一次試験、記述問題とカラーカードによる実技試験の二次試験があります。どちらも試験時間は90分ずつとなっていますが、二次試験には実技試験があるため、記述問題を解く時間の配分に気を付けることがポイントです。
見直しなどの時間も含め、余裕をもって取り組めるとベストです。また、試験当日に初めてカラーカードを触るより、日ごろから触っておけば、実技試験も落ちついて取り組めます。
色彩検定一級の問題は出題範囲が広い
一級の筆記試験の難易度は二級とほぼ変わりませんが、出題範囲がとても幅広いのが特徴です。色彩検定の一級は、三級の基礎や、二級の専門知識、一級の応用などすべての範囲から出題されます。具体的には以下になります。
色彩と文化、ビジュアル、色彩調和論、ファッション、光と色、プロダクト、色の表示、インテリア、色彩の実務、環境、色彩心理、ユニバーサルデザイン、配色イメージ
とても出題範囲が広いため、効率的に勉強するためには、公式のテキストや過去問を十分に理解する必要があります。公式テキストを繰り返し読み、過去問のテキストにも取り組むようにしましょう。また、暗記するためには、休憩時間や隙間時間に学習するのが効率的です。
もし、心配であれば対策講座や通信教育などもあるのでうまく活用して合格を目指しましょう。
一級合格率は30%から35%
一級の合格率は二級三級に比べるとやはり低めです。2016年度のそれぞれの級の合格率は以下の通りとなっています。
三級…75.25% 二級…62.84% 一級…29.77%
二級の合格率は約60%ですが、一級は約30%と合格率が大幅に下がっていることが分かります。一級には一次試験、二次試験があるため、二次試験でつまづいてしまったりと、やはり一筋縄ではいかない様子です。
しかし、合格率が30%ということは、三人に一人が受かるということでもありますので、しっかりと勉強すれば受かる内容になっています。
色彩検定一級の勉強時間は4カ月が目安
一級の試験範囲はとても広いため、試験のための勉強時間もそれなりに確保しなければなりません。テキストを通読するだけでは、合格することはとても難しく、試験範囲や問題傾向をしっかりと探るようにしましょう。テキストを読む際に、自分が苦手そうだなと思うところや、試験に出そうなところなどに付箋等を貼り、あとでチェックできるようにしておきましょう。
過去問は公式テキストを読んだあとに取り組むようにし、三級の勉強方法と大体は同じですが、難易度が高いため、解けなかった問題に印をつければ、もう一度公式テキストを読みましょう。この流れを繰り返していくことで、苦手な問題に対して理解を深めることにつながります。
独学で合格を目指している人は、特に試験範囲があやふやになり、混乱する原因となりやすいので注意が必要です。まずは、過去問を読み、よく出る問題に印をつけて公式テキストを参考にするといいかもしれません。
色彩検定の一級と二級の過去問と問題集が少ない
色彩検定の一級・二級は過去問と問題集が少ないため、自分に合ったテキストを揃えることが大事です。種類も少なく価格も高めのため、慎重に選びたいと思う人が多くいるでしょう。その際に気を付けるポイントとしては、そのテキストを使って学習し、「合格している人がどの位いるのか」という合格率にも着眼して選ぶようにするといいかもしれません。
本屋などで直接購入する場合は、テキストの内容が公式に近いものであるか、また、自分にとってわかりやすい内容にまとまっているかを確認しましょう。インターネットで購入する場合は、レビューを参考にしたり、「色彩検定 一級 テキスト」等で調べ、なるべくそのテキストについて知っている状態で購入すると失敗しにくいでしょう。その際、価格が高いところもあるため注意しましょう。
また、テキストの値段が高くコストを抑えるために、古本屋などで購入する人もいると思いますが、その際は、なるべく最新のものを選び、公式から文章の修正などが出ていないかを確認しましょう。
色彩検定一級の実技はカラーカードの切り貼り
一次試験のあとは、実技試験を含む二次試験が待っています。このカラーカードの切り貼りの実技試験は、実際にカードを切り離し、問題の枠内に張り付け、色をコーディネートして回答するというものになっています。
筆記試験と違い、実際の作業時間を設けなければならないため、二次試験の時間の配分には気を付けておきましょう。
試験当日は一人一人に「新配色カード199a」というものが配られ、その配色カードを実際に使います。試験前に一度触っておきたい人は、色彩検定を開催している検定協会や画材屋などで買えますので、触っておくことをオススメします。
色彩検定は就職から生活の面まで役立つ
「色」の魅力を引き出す、色彩検定。手軽に取り組める三級や、色彩のプロの一級、自分の好きな難易度から挑戦できるのも魅力的です。ビジネスシーンで少しランクアップしたいなと思っている人や、日常生活で役立つ資格が欲しいなという人にぴったりの検定なため、挑戦してみてはいかがでしょうか。色の世界を知り、今の自分を「薔薇色」に変えてみましょう。