【2】まわりを元気にする人を増やしたい ! そんな思いで音楽スクールを設立:島田 紀子さんインタビュー
島田さんがシンガーになったのは、歌って有名になるためではなく、歌を聴く人たち一人一人を励まし続けたいという思いがあったからだそう。そんな思いがあったからこそ、逆境にいても立ち直ることができました。人を励ましたいと思ったのは、なぜなのでしょう? それは、島田さんが18歳のときに起こりました。その出来事は、歌う事だけでなくスクール設立にもつながっているそうです。今回は、島田さんに何が起こったのか、また、それをきっかけに考えがどう変わったのかに切り込みます。
困難を乗り越える姿を発信したい
―18歳のときに遭った大きな出来事どはどのようなものでしたか?
交通事故で突然友人2人が亡くなり、生まれて初めて命というものに向き合いました。お葬式でみんなが泣いているのを見て、ひとりの人がいなくなるということはこんなに大勢の人が悲しみに暮れるということなんだと、“一人”の人の影響の大きさを知りました。大切な人がそばに居ることが当たり前ではないという事を目の当たりにし大きな衝撃を受けました。
一方で、では自分は生きている間、何ができるだろう。どれだけの良い影響を伝えられるだろう。本気で発信したらどれほどのエネルギーになるんだろう…と考えました。亡くなった友人の死を無駄にしたくないという思いもありました。
―この出来事は島田さんにどのような影響を与えましたか?
友人の死を受け入れるのにはかなりの時間が必要でしたが、乗り越えようとする中でシンガーソングライターになろうと決めたんです。今考えると活動を始めてから、この活動はシンガーソングライターというんだ。と知ったのですが・・・。とにかくその時は、自分に何ができるか、その友人から何を受け取れるか考え、今はとても辛いけれど、それを乗り越えていく姿を発信しようとしていました。その発信方法が、子供の頃からずっと続けていた音楽だったんです。
病気をきっかけに方向転換、スクール設立
―シンガーソングライラ―として活動していたのに、起業を選んだのはなぜですか?
30歳のときに、婦人系の病気になったことがきっかけです。当時は全ての活動の主軸が自分にありましたから、かなり体に負担もかかっていたのかもしれません。自分が倒れてしまったらこの大好きな仕事が続けられない、夢が終わってしまう…と悩みました。
―夢はシンガーソングライターではなかったのでしょうか?
帰路に立った時、私はなんの為に歌いたかったのか。と考えました。何日も悩んだと思います。悩んだ末に見えてきたのは、私は歌を聴いてくれる一人一人を歌を通して”辛いことがあってもいつもそばにいる。生きていこう」と励まし続ける活動をすることが夢だったと気付いたんです。歌う人は私でも、私じゃなくても良い。音楽や歌を通じて、人を元気づけられるシンガーを育て、そのような人を増やしていこう!と決めました。そういった経緯があってスクールを設立したんです。
スクール方針は生徒の周りも笑顔にすること
―スクール設立までの経緯をお話していただけますか?
開校当初は、会社経営をしている先輩が設立を助けてくださいました。その人のもとで3年間で経験を積ませていただいて、2018年に独立し、起業しました。
―スクールを立ち上げ、人を励ますことのできる人を育てるという夢は叶っていますか?
はい!叶っています。生徒たちは一人ひとり、しっかり力をつけています。生徒の活躍は、私たちの誇りです。
≪まとめ≫夢や目標を達成するために思い切った方向転換も大切
何かを達成したいけれど、それが難しいと感じたことがある人は多いでしょう。そんなとき、成功するまで努力し続けることも大切ですが、ときには思い切った方向転換が功をなすことがあります。島田さんも、自分がシンガーとして歌い、人を励ましたいと考えていましたが、病気になったことをきっかけに、人を励ますシンガーを増やす方向へシフトチェンジ。それが、スクール設立へとつながりました。夢を追ってがんばっているけれど行き詰まってしまったときは、違う方向に目を向けてみましょう。違う形で夢がかなうかもしれません。