【3】起業して気づいた結果を出せる喜びと、結果を求めすぎることの盲点とは?:西山貴代さんインタビュー
「客室清掃コンサルタント」として起業してからも、いろんな苦労があったという西山さん。人間関係では予想外のピンチに陥ったそうですが、一体どうやって打開していったのでしょうか。また、そんな西山さんが、仕事を忘れて自分らしさを取り戻せる場所とは?
起業して始めて見いだせたやりがいや達成感
―起業を始めた時、どんな目標を立てたのですか?
「具体的な目標を立てるというよりは、私がこれまで数多くの現場を見てきた経験とスキルをどう活かせばいいのかと、漠然と考えていました。ある時、オーナーさんから『掃除が今ひとつきれいになってないようで、クチコミが悪い』と相談されたんです。そこで私が現場に入り、いろいろな点を改善していったら、ホテルの星の点数が上がっていったので、その時にすごくやりがいを感じました。」
―目に見えて結果が出るのはうれしいですね。
「はい。ホテルのリピート率や稼働率が高くなるということは、みんながWin-Winになれるということなのでうれしかったです。オーナーさんにとっては売上げが上がるし、お客さんにも気持ちよく泊まってもらえる。そういう意味で、評価をいただけることはとてもうれしいです。」
気づいたらこじれていた人間関係の打開策とは?
―現場に入ってみて苦労したことや、辛かったことは?
「いろいろありますが、一番辛かったのは、仕事仲間との関係が悪化したことです。起業後、事業を拡大していくなかで、自分1人では無理だと感じ、以前一緒にお仕事をしていた方を引き抜いたんです。最初は、私のサブとしてやってくれていましたが、それぞれホテルの担当を持つようになってから、自分のチームを作って『この件は西山さんには関係ないから』と、距離を置かれるようになって。その時は寂しさと悔しさをすごく感じました。」
―その問題はどう打開していったのですか?
「オーナーさんが間に入ってくれて、『彼女には彼女のやり方があるから、自由にさせてあげたら』と言ってくださったんです。また、私には違う現場に入ってほしいという提案もしていただけて、すごくありがたかったです。」
―仕事をやっていくうえで、いろんな学びがありそうですね。
「はい。私は常に、なるべく早く結果を出したい、より高い評価を出したいと思って動くんですが、そこだけを求めすぎてもダメなんだなと気づきました。オーナーさんから『君が来てくれただけで十分きれいになって、評価も上がってきている。そんなに高い目標を持たなくてもいいし、それよりは周りと団結してやってくれるほうがいい。もっと時間をかけてもいいよ』とアドバイスをされました。それは起業してみてからじゃないとわからなかったことでした。」
ストレス解消法は、ゆったりリラックスタイムと奈良への旅行
―日々、忙しいなかで、ご自身のストレス解消法などを教えてください。
「敢えてゆっくりする時間を作ることでしょうか。ここ数年は行けてないんですが、私は奈良が大好きで、学生のころからカウントすると、おそらく40回くらい行っています。職場にもキャリーバッグを持っていって、がっつり仕事をしたあとでそのまま空港に向かうこともよくありました。」
―旅行でリフレッシュされるということですね。
「とりあえず、仕事と距離をおく感じです。家にいると、仕事道具も近くにあるので、どうしてもいろいろと考えてしまうので。奈良は日帰りのイメージが多いと思いますが、私は5泊、6泊とかして楽しんでました。もちろん日帰りで東大寺だけを見て帰る、ということもありましたが、それくらい奈良が好きです。」
【まとめ】人からの学びを真摯に受け入れて成長していくこと
どんな仕事においても、こじれると一番やっかいなのが、人間関係ではないでしょうか。西山さんは、結果を出したいと思って人一倍頑張りすぎてしまうため、周りとの温度差に戸惑うことも多かったようです。でも、そんななか、人からのアドバイスにちゃんと耳を方向け、そこを自分自身の学びにつなげられたことは非常に大きなポイントに。続く最終回では、西山さんが今後目指していくビジネスの将来像と、彼女を支えてくれた先輩の言葉や、パートナーとのやりとりについて、赤裸々に語ってもらいます。