税理士に独学でなる方法はあるのか。合格への道しるべと具体策
税理士試験に独学で受かるには
税理士試験は、独学でも合格できるのでしょうか。法律資格の中でも、難しい税理士試験。一方で、一度ですべての試験に受からなくてもよいという特徴もあります。このため、独学で計画的に何年もかけて試験を突破する人がいるのも事実です。では、独学で税理士試験委受かるためには、どうすればよいのでしょうか。さっそくみていきましょう。
独学での合格は簡単では無い
税理士試験を独学で突破するのは、もちろん簡単なことではありません。独学を続ける人が少なく、そもそも独学は厳しいとされています。それでも、独学で合格する人が多いのも事実ですし、そもそも試験である以上相性というものがあります。最初は独学で、試験との相性を探りながら始めてみてもよいでしょう。
もしも独学では手ごたえが感じられない、お金や時間をかけてでも本格的に学びたいと思うときがきてから、専門の予備校などに通う方法もあります。
独学での合格が厳しい理由
税理士試験の独学での合格は難しいとされています。どんな資格試験でも、独学よりもそうでない方が合格率は上がる傾向にありますが、税理士試験も例外ではありません。独学だと試験のポイントなどを効率よく勉強することができません。効率よく勉強しようとすると、独学は少し厳しい部分もあるのです。
市販されているテキストがそもそも少ない
税理士に関しては、市販されているテキストが少ないことも独学での合格への障害になります。会計学の教材は多いですが、税法の市販教材は少ないのです。このため、税理士試験を独学で始めるのは少し難しいともいわれています。
テキストなしに、自分で法律の勉強をしようとするのは、かなり効率が悪く、頭にも入りにくいのでやはり何としてもテキストを手に入れてから始めるとよいでしょう。また、税理士試験の問題を一度解いてみて感触をつかんでおくこともおすすめの方法です。
法改正の変更に対応しきれない
税法は、社会の状況に応じて毎年改正されます。基本的に税金の仕組みは一年ごとに変わると覚えておきましょう。このため、専門知識の範囲の変更を把握するのは困難になります。毎年変わる税法に対応して知識も更新していかねばならないので、独学だと対応しきれない部分は確実に出てくることでしょう。
法改正自体は国税庁のホームページなどで確認することができます。ただし、これらを試験に対応した知識に変えることは困難ですので、その点が独学の難しいところです。
独学にもメリットはある
独学はデメリットばかりでなく、メリットもあります。なんといっても低予算で、自分のペースで学習できる点が一番でしょう。このため、仕事と両立しながらの無理の無い勉強が可能になります。
もともと税理士は、社会人として働きながら資格取得を目指す人が多い資格で、数年かけて計画的に合格を勝ち取る人も多いのです。このため、自分で管理コントロールできるのであれば、独学の方が向いているケースもあります。
独学での勉強方法とポイント
税理士試験に独学で挑む場合は、しっかりと勉強の方法とポイントを押さえてから始めましょう。やみくもに勉強を始めても、合格への道は遠のいてしまうこともあり得ます。税理士試験には、計画性と段取り力が重要ですので、しっかりと調整しながら勉強していきましょう。
簿記2級の知識をつけることから始める
税理士の勉強をする際には、まずは簿記の勉強から入るとよいでしょう。基礎知識がないまま勉強を始めてもつまづくだけです。簿記の知識を固めてから、簿記論や財務諸表論の勉強に入るとよいでしょう。
また、簿記の知識は、税理士にたとえなれなくても、役に立つものです。会社の経理や経営状況の把握のためにも、ぜひとも身に着けておきたい知識です。知っておいて損のないものなので、しっかりと学習して基礎を固めましょう。
足りない教材はオークションや予備校から入手
税理士試験において足りない教材は、ネットオークションや予備校からの入手も可能です。実際に、税理士試験の教材はネットオークションで出回っていることも多いのです。ただし、年度が古いと無意味なので、テキストだけ予備校から購入する方がよいでしょう。
古い教材は法改正に対応しておらず、知識が古くなってしまうこともあります。とくに税法系のテキストは、法改正の影響を受けやすいので注意が必要です。
受験者の少ない科目を狙う
税理士試験の科目は自分で選ぶことができます。このときの科目の選び方で、合格率や合格後の業務への影響が変わってきます。税理士試験は相対評価の部分があるため、受験者のレベルが高く無い科目を選んだ方がよいとされています。おすすめは法人税法、所得税法、消費税法です。相続税法は避けるべきとされています。
ただし、税理士試験は受かることが目的ではなく、その後の税理士としての業務にも勉強したことが生かされていくものです。そのため、税理士になったあとに、どのような業務を専門的に取り扱いたいかによって、科目を選ぶ方法もあります。自分の将来のことを考えて、真剣に勉強に取り組みましょう。
周りに惑わされず自分のペースを貫く
独学で重要な点は、周りに惑わされず自分のペースを貫くことです。時間がかかっても、自分を信じてモチーベーションを保ち続けることが大切です。もちろん独学に限界を感じたら、途中で予備校などの勉強法に切り替えてもよいでしょう。
目的はあくまでも税理士試験の合格と、その後の税理士としての活躍ですので、その過程にはこだわり過ぎずに、目的のために最善かつ最短の道を選びましょう。
独学以外の勉強方法
税理士試験には独学以外の勉強方法もあります。独学のよさは自分スタイルでやれるところですが、独学以外の場合は、専門的な予備校などで、効率よく勉強できる点にあります。どちらがよいかはその人次第なので、よく比較検討してみましょう。もちろんお金のかかり方も変わってきます。投資する価値があるのかも、よく見極めましょう。
通学で予備校の社会人向け講座を受講する
予備校の中には、社会人向けに税理士の講座を持っているところが複数あります。大原、TACなどの専門の予備校が近くにあれば、まずはみてみることから始めてもよいでしょう。そういった講座は、専門的で効率的に勉強するのには非常にむいています。体験受講などもできますので、まずは試してみてもよいでしょう。
模試だけ受ける、テキストだけ購入するなど、変則的な利用方法が可能な場合もありますので、まずは調べてみましょう。税理士は社会人受験が多い資格なので、予備校は社会人向けのものも充実している傾向にあります。
予備校を利用するメリット
予備校を利用するメリットは、なんといっても効率的に勉強できることです。そして多くの予備校が、社会人用の講座もあるので働きながらでも通うことができるでしょう。夜時間の口座や、通信講座、動画受講など、選択肢は年々広がっていっています。
自分に合った予備校であれば、効率的な勉強のためにお金をかけて通う価値は、十分にあるといえるでしょう。
諦めないのが合格への早道
税理士試験の最も重要な点は、諦めずに勉強し続けることが大切ということです。税理士試験は一年で受かる人は少なく、仕事をしながら何年も勉強して計画的に資格を取り、開業などに至るケースが多いのです。そのためには10年近くかけて資格を取る人もいますので、諦めずに気長に勉強していくのもひとつの方法です。
自分のペースで、確実に勉強をしていけば、いつかは合格できると信じて、まずは試験の基礎的なことからでも始めてみましょう。最初は独学で、いずれは別の方法に移行するなど、方法は自由です。自分なりの方法で、合格をつかみ取りましょう。