失業保険を延長するための条件や申請方法をわかりやすく解説
失業保険の延長条件と手続き方法について
本来の失業保険の制度をおさらいしながら、受給を延長できる条件や方法をお伝えします。生活のためにも安心して求職活動が行えるようにお金の知識を蓄えておけば、損をしないはずです。
受給できるのに間に合わなかった、なんてことにならないようにしましょう。
失業保険の受給対象者について
失業保険は雇用保険でもらえる給付金のことであり、求職中の人のための制度です。在職中に雇用保険を支払っていても、退職後自動的に失業保険に切り替わりません。自ら管轄するハローワークに行き、失業保険の手続きを行う必要があります。
- 就職できる状態であり、ハローワークで積極的に求職活動を行っていること
- 自己都合で退職した場合、離職前に2年間のうち1年以上、雇用保険に入っていた
(会社都合での退職の場合は1年間のうち6ヶ月以上)
多くの方は、自己都合による退職が多いと思いますが、リストラや会社の倒産など会社都合で退職せざるをえない場合もあるでしょう。なお、セクハラやパワハラによる退職の場合、一見、自己都合による退職と考えると思いますが、「会社都合」による退職としてみなされます。
基本は、退職後翌日から1ヶ月以内にハローワークに行き、申請しなければいけません。その後、7日間の待機期間に加えさらに、3ヶ月間の待機期間を経て、給付が始まります。会社都合による退職の場合は、7日間の待機のみです。
アルバイトや内職を待機期間の間に行ってしまうと受給対象者から外れてしまいますので注意してください。
失業保険を延長する条件
病気やけがをした場合
適応条件
- 離職してから1年の失業保険受給期間内であること
- 30日以上病気やけがが理由のために働けないこと
最大延長期間は4年間(基本の受給期間1年+3年の合計)です。
病気や傷病が回復し、求職活動ができる状態になったら、延長を解除し、失業保険の給付を受けられます。
また、ハローワークで求職の申し込みを行った後、怪我などで15日以上働けなくなった場合は「傷病手当」を受給することも可能です。30日以上働けない場合は、受給の延長手続きをします。
妊娠や3歳未満の育児で働けない場合
適応条件
- 離職してから1年の失業保険受給期間内であること
- 妊娠・出産・3歳未満の育児が理由のために働けないこと
最大延長期間は、病気などの理由時と同じく最大4年間です。働けるようになったら延長の解除をし、受給手続きをします。
親族の介護の場合
適応条件
- 離職してから1年の失業保険受給期間内であること
- 親族の介護が理由のために働けないこと(親族=6親等以内の血族と配偶者や、3親等以内の姻族)
最大4年間、受給を延長できます。
どの事由においても、失業保険の申請期間は離職日の翌日から延長できる受給期間満了日までですが、申請日がギリギリになると、満額受給できない場合がありますので、早めに申請しましょう。申請は代理人や郵送でも可能です。
病気や妊娠・介護以外にも特定理由としてありますが、対象者が65歳以上の方になるものもあります。
失業保険を延長するための手続き
どのように失業保険の延長の手続きを行うのかを解説します。
ハローワークで書類を提出
必要書類は以下の通りです。
- ハローワークにある「受給期間延長申請書」
- 離職票(1・2の2枚)
- 印鑑
- 状況を示す各種証明書(証明書は理由により異なるため、事前にハローワークに電話し確認すること)
ハローワークの受付窓口に行き、書類を提出すれば手続き完了です。手続き完了後、受給期間延長決定通知書が届きますので、忘れずに保管しておきます。
ハローワークはお住まいの地域ごとに管轄が異なりますので、どこのハローワークに行けばよいか分からなければ、以下の方法で検索できます。
検索方法
- 厚生労働省の都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧をクリック
【参照リンク:https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/index.html】 - 住んでいる都道府県をクリック
- 管轄一覧表というリンクから地域の管轄を探す
郵送や代理人申請も可能
ハローワークに自力で行くことが難しい場合に認められている申請方法です。
郵送の場合、必要書類の一つである、「受給期間延長申請書」はお住まいの地域を管轄するハローワークに電話し、氏名・住所を伝えて郵送してもらいます。ネット社会ですが、オンラインで入手できません。最後に、必要事項を記入し、他の必要書類と一緒に返送すれば手続きが可能です。
代理人申請を行う場合は、代理人に窓口に行き手続きをしてもらうだけです。必要書類の確認は予めハローワークに電話をし、教えてもらいます。
病気やけが・妊娠などハローワークに行ける状態ではありませんから、①郵送②代理人申請の方法を上手に活用しましょう。
受給日数に注意する
受給日数は90日と定められています。失業保険の延長とは、もらえる期間が長くなるのではなく、あくまでもらえる開始日を延長させるためですので、間違えのないようにしましょう。
受給延長申請の期日が「延長後の受給期間の最後の日まで」ですが、早めの申請を心がけましょう。ギリギリ申請の場合、受給額が満額(90日分)でないこともありえます。
失業保険の延長を解除する方法
管轄のハローワークに赴く
再度ハローワークに行き、必要書類を提出し手続きが完了します。では書類と持ち物も合わせてご紹介します。
<持ち物>
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 受給延長通知書
- 本人確認書類
- 写真2枚
- 印鑑
- 銀行口座の確認ができるもの
- 延長理由の際に提出した延長を証明するもの
延長理由により、必要書類が異なる場合があるので、事前にハローワークに確認しましょう。
求職の手続きを行う
書類を提出するだけでは、失業保険を受給することはできません。あくまで仕事ができるようになったことを知らせるだけです。
ですが、求職の手続きは、「求職所への登録用紙」を提出し、ハローワークの職員との面談だけです。この求職手続きで、失業保険の延長を解除となります。
面談といっても、ハローワークの利用方法、今後の流れなどの説明を受けるだけです。
雇用保険の説明会に出席する
約2時間の説明会で、失業保険の手続きをした人は全員参加しなければいけません。求職手続きの際に、説明会の予約をします。
説明会では、ハローワークでの求職活動の方法や流れ、失業保険の受取方法、不正受給に関する注意、求職活動の現状報告の方法などの話を聞きます。
失業保険は、7日間の待機期間を経て、受給することができます。先にお話しましたが、受給開始には、自己都合で退社した場合、延長の解除後は7日間+3ヶ月の待機期間が必要でした。
しかし、延長を解除した後は7日間のみ待機です。
ですが、受給開始後は1ヶ月に1回、求職活動中であることを証明しなければいけません。証明する方法は非常に簡単で、ハローワークで職業相談をすれば大丈夫です。
失業保険の延長条件を知ってから手続き行おう
失業保険は、働ける状態なのに働けない人が安心して求職活動ができるようにお金のサポートをしてくれる制度です。退職理由はどうであれ、働きたいけれど、思わぬことで働けない場合は需給の延長手続きをしましょう。
お金のサポートがあるのとないのとでは、心理的にも物理的にも違いますよね。適用される条件や新鮮方法はしっかりと把握しておきましょう。