住宅ローンもこれでバッチリ。審査から税金対策までのまとめ
マイホームが欲しいと思ったら覚えておくこと
わが家を購入することにためらっている原因の一つに、購入する際の住宅ローンや税金周りの一切の知識がないという不安があると思います。さらに学ぼうとしても難しそうな知識に気後れする人は多いでしょう。今回は最低限知っておくとよいポイントを押さえてまとめてみました。住宅ローンのしくみを一通り知っていればマイホーム購入の際に抱く不安の重さも軽くなります。覚えなくても流れをつかめば安心してマイホーム購入に踏み出せるでしょう。
最初の関門住宅ローンの審査は2つその内容は
住宅ローンを組む前に金融機関などの審査があり、これを通過できなければ契約手続きに進むことはできません。ここでは一般的なローン契約の流れを説明しますので、読んでみてください。
銀行などの金融機関がおこなう事前審査
マイホーム購入となると多額のお金が必要になってきます。購入の援助をするために住宅ローンがあるのですが、返済能力がない人にお金を貸し出す程世の中は甘くありません。購入物件が決定した段階で事前の審査が必要となってきます。銀行などの金融機関が、収入や勤務先といった身元がしっかりしているかという契約者の信用力、無理なくローンを返済できる返済プランであるかなどを主にチェックします。他にもカードローンなどの借り入れがある場合、返済に影響がないかチェックされることになります。
信用保証協会等がおこなう本審査
本審査は実際に物件の購入契約を交わしてからおこなわれます。こちらは事前審査でおこなわれたチェックされた項目に加えてさらに詳しく審査されることになります。事前審査でおこなわれなかった健康周りや担保できる物件なども調査され、もし不備があれば事前審査を問題なく通過することができても本審査で落されてしまう可能性があります。もし落とされてしまった場合、本審査の段階で結んだ契約は特約によって解除されることになります。万が一追加資料を要求された場合、心配せずに追加資料を提出しましょう。
審査に通れば契約手続きへ
二つの審査を通過すると、ローン契約ができます。不動産の登記が完了ののちローンによる融資が始まりますが、不動産登記は専門家に依頼することになるため諸経費がかかります。審査の段階でチェックされていたローンの担保となる物件は、この契約手続きの段階で抵当権が設定されます。あとは念願のマイホームの引き渡しを待つだけですが、契約手続きの段階に来たからと安心せずに必要書類を忘れずに提出しましょう。専門的な資料も多いので困ったときは専門家に尋ねると安心です。
住宅ローン審査の際の注意点
事前審査は何行にも申請することができ、そのうちの一行の審査に通過すれば完了です。ですが何行も出せるからといって無闇に出してしまうと大変なことになります。審査は慎重に検討しましょう。
複数の銀行へ審査にだすのはNG
事前審査の審査方針は銀行によって多少変わってきます。事前審査の請求は何行でも可能はありますが、一つの銀行に提出しただけでは審査に通るか不安だからといって複数の銀行に申請するのはNGです。こうした審査は個人の信用力に直結するため金融履歴に登録する必要があり、何度も同じ履歴が載ってしまうと審査が厳しくなる可能性があります。審査相手である銀行に、返済能力を無駄に疑われて審査を難航させてしまうのは避けるようにしましょう。
この履歴は信用情報機関に6年間残ります。既に多くの銀行に出してしまって審査が難航している場合は、記録が消えるまで待つのも一つの手段です。既に購入するマイホームを決めてしまっている場合は見送ることになってしまうので、どうしても購入したいという場合は最悪事前審査を飛ばすこともできます。しかし事前審査を飛ばしたうえで本審査が通ることはなかなか難しいので手段としては避けたほうがよいです。
審査に出すのは3行までにしよう
本来は履歴に多く残さない方が望ましい事前審査ですが、とある銀行では通る審査基準でも他の銀行では通らない可能性があります。どうしてもその点が不安になる場合は、事前審査の申請する数を多くても3行までにとどめるようにしましょう。事前審査は決して必要ではない過程ではありますが、しておいて損はなくむしろ価格交渉がしやすいといったメリットがあります。提出資料は多すぎて大変ですが、スムーズにマイホームを手に入れるためにしておくとよいでしょう。
住宅ローン審査に落ちる原因
住宅ローンの審査に落ちてしまうのには理由があります。万が一ということのないように、審査の前に確認しておきましょう。原因には必ず理由がありますので、確認は重要です。
過去10年以内に自己破産している
自己破産は多重債務で払えなくなった状態に陥った場合の救済措置ですが、債権者からすれば借金を踏み倒す方法だと考えられます。そのため自己破産の記録は信用情報機関に登録されることとなり、審査の際にチェックされる信用力や返済能力に引っかかってしまう要因となります。仮に自己破産をして新しい人生が軌道に乗ったとしても、10年は自己破産をしたという情報が信用情報機関の記録に残ってしまっているので審査に通ることはできません。履歴に登録された情報が消えるまで待ってから審査にのぞみましょう。
住宅ローン以外の借り入れの額が多い
審査の際には他のローンを確認しておくことが重要です。住宅ローンは高額ですので他にも借り入れ金があると返済プランに不安が生じてしまい、審査通過が難しくなってしまいます。自動車ローンや奨学金の返済などがある場合は住宅ローンが加わっても支障がないかどうか気をつけましょう。たとえ借り入れ金を全部なくすことはできなくても、借り入れ金を減らすと同時に頭金をより多く用意しておけば審査通過の可能性は高くなります。審査の前になるべくこうした対策をしておくとよいでしょう。
過去にローン返済の遅滞がある
過去に何らかの支払遅滞をしてしまった場合、5年は信用情報機関にその記録が残ってしまいます。遅滞が残るのは高額な取引になりますが、近年ではスマートフォンを分割払い契約して遅延させてしまうと高額のため記録に残ってしまいます。税金を支払遅滞させてしまった過去がある場合は、この信用情報機関の対象外なのでこの件では問題ありません。もし過去にローン返済などの遅滞がある場合は、遅滞してしまった契約が終了してからその情報が消えるまで5年待ってから審査申請をするとよいでしょう。
勤務先や経営会社の経営状態が悪い
勤務先の経営状態も審査され、経営状態が悪いと審査に落とされてしまいます。収入の安定性に欠けるため、ローン融資の返済能力に不安が残ってしまうからです。また経営状態が悪くなくても、安定性の低い自営業やフリーランスはこの理由に引っかかって審査に通らない可能性があります。そして年収が低い場合も同じ理由で審査を通過するのが難しくなってきます。審査の方針は機関によって様々なので一概にはいえませんが、対策として頭金を用意しておくか、夫婦の収入を合算させて世帯収入で審査にのぞむとよいでしょう。
不安な時は個人信用情報を取り寄せてみる
自己破産や遅滞の記録は10年や5年で消えると前述しましたが、その期間がくるまで履歴が残るので注意が必要です。もし履歴が消えているのかどうかが不安な場合は個人信用情報を取り寄せてみるとよいでしょう。主だった信用情報機関はCIC、KSC、JICCの三社です。この三社は情報を共有しているのでどこの機関に請求しても問題ありませんが、履歴の保存期間が異なります。自己破産の記録を確認したい場合は、最長であるKSCに確認するのがよいという具合に機関によって特徴があるので、確認して申請する必要があります。
個人信用情報は、内容によって消える年数も変動しますが稀に消えていないこともあります。その場合は個人信用情報機関に抹消請求をおこないましょう。また逆に一定の年齢に達している場合、個人信用情報が白紙だと審査に落ちることもあります。白紙だからといって審査に絶対通るわけではないので留意しておいてください。
1番気になる住宅ローンの金利は3タイプ
ローンを組む際に気になるポイントの一つが金利です。金利には3タイプあり、タイプによってメリットやデメリットも変わってきます。自分の返済プランに合ったタイプがどれか確認しておきましょう。
金利を見直す変動金利型
変動金利型はその名の通り金利が変わるタイプで、金利は半年ごとに変わる可能性があります。このタイプのメリットは3タイプの中で金利が一番低いことです。金利も低いため、他のプランでは金利に回すはずのお金を元本返済に充当することができます。ただし金利が大きく変動すると元本が減らない可能性が発生し、最悪の場合未払い利息が発生してしまうことがあります。金利がアップしてしまうと今後の返済額が変動し、どのくらい返済すればよいのかめどが立たなくなってしまうので注意が必要です。
金利固定の固定金利選択型
固定金利選択型とは金利を固定している期間を、当初数年間指定することができるタイプです。指定した固定金利期間を過ぎると変動金利プランへと移行します。このタイプは変動期間に金利の上昇で返済額が増えるリスクがありますが、金利を全期間固定するよりも、最初期の金利が低い傾向にあります。また、完全変動金利型と違い金利がアップしたとしても、支払う元本が少なくなっていれば返済額も大きくならずに済むのもメリットです。ただ、固定金利型から変動金利型に移行する際の負担が一番大きいのもこのタイプとなります。
ずっと金利が変わらない全期間固定金利型
全期期間固定金利型は、金利変動型と違い金利がアップしたときのリスクを負わなくて済むので、金利が高めに設定してあります。金利高めでも支払額は一定して安定しているため、今後のライフプランを見通しやすいのがメリットです。契約時に金利は決定しているので、変動金利型のように金利上昇に悩まされる可能性がありません。返済額も変動しないのでいつまでに全額返すという目標も持てます。ただ契約後に金利が下がっても支払額には影響がないので、契約後に金利が下がってしまった場合はデメリットになってしまいます。
自分に合った金利タイプを選ぼう
どの金利タイプにも長所と短所があります。個人によって優先事項は異なるので、自分に合った金利タイプを選ぶとよいでしょう。ローン契約して返済をしていく中収入が上がったり貯金額が増えていくような、金利が上昇した場合に対処できる人であれば金利変動型を選んでも問題ないでしょう。固定金利選択型を選ぶ場合は、固定金利期間が終わった後は金利変動型になるのでその際家計にゆとりがあるかどうかを考える必要があります。どれが絶対ということはありませんので、金利タイプは慎重に選びましょう。
住宅ローンは借り換えが得かを考える
住宅ローンは途中で借り換えることができます。ここでは借り換える際のメリットを紹介していきますので、借り換えの検討材料にしてみてください。
返済額が減らせる
現在契約している住宅ローンよりも金利が低い住宅ローンに乗り換えた場合、必要となってくる返済額は少なくなります。借り換えするポイントとして返済額が減らせるのは大きなメリットです。特に全期固定金利タイプを選択していた場合は、契約の途中で金利が下がってもその金利が契約に反映されることはないため、より金利の低いプランに変更した場合の恩恵は大きいといえます。固定金利選択型を選択している人にもこの恩恵は当てはまります。変動金利に移行したくないという人は借り換えを検討してもよいでしょう。
金利タイプの変更ができる
契約を切り替える際に金利タイプの変更もできます。金利アップのリスクを回避するために固定金利タイプに移行することや、一方で指定した固定金利期間が明けて変動金利タイプに移行してしまうことを避けるため借り換えの際に再度固定金利選択型を選択するといったことが可能です。金利タイプの変更は借り換えをしなくても変更することが可能ですが、借り入れ先によって特徴があるので目的に合わせた借り入れ先に乗り換える方が利点が大きいといえます。変更の際には無理のない金利タイプを選ぶようにしましょう。
魅力的な特典目的で乗り換える
住宅ローンの契約先によっては特典を設けているところもあります。特典状況は買い物などで利用できるポイントを用意していたり、金利優遇キャンペーンを実施していたりと様々です。設けられている特典は魅力的なので、特典目的で借り換えることもよいでしょう。ただ特典はあくまでローン契約の付属品ですので、借り換えた際のローン契約が自分にとってよいものであるかどうかを確認するのは必要です。借り換えをおこなう前に、特典を利用した後も魅力的な借り換えであるかどうか考えてみましょう。
住宅ローンの借り換えの注意すべき点
住宅ローンの借り換えにはメリットが多いですが、同時にデメリットもあります。借り換えをして損をしてしまったということのないよう、借り換えを決める前に確認しておきましょう。
諸費用がかかる
住宅ローンの借り入れが決まった際に必要となった費用が、借り換えの際に再度必要となってきます。諸費用というのは事務手数料に加えて登記関係で必要になった経費も含まれています。諸経費といっても必要となる金額は大きいものです。もし諸経費と手間を鑑みて借り換えた先での返済額の負担が軽くなることが魅力的の場合は、借り換えの検討をしてもよいでしょう。逆に諸費用や手間の割に返済額の負担が減りそうになければ借り換えの再検討をしましょう。コストが返済額の減少に見合うものでなければ損をしてしまいます。
金利タイプの変更はリスクがあるので注意
借り換え時に金利タイプを変更することができるのは、借り換えのメリットですが同時にデメリットでもあります。借り換えの際に一番恩恵を受ける金利タイプは固定金利型から変動金利型に移行することですが、これには金利タイプの紹介でお伝えした通り、金利上昇というリスクが発生します。例えば固定金利型を契約していたが金利が下がったので変動金利型に借り換えしようと安易に考えてしまうと、金利が上がってしまった際に貯蓄がなければ困ってしまう結果となります。
住宅ローン控除とはどんな制度なのか
マイホームを購入すると支払う税金対象が増えますが、同時に控除制度もあります。覚えておくとお得な話ですのでローン契約と同時にこちらもしっかりと知っておくとよいでしょう。
年末のローン残高に応じて税金が返ってくる
住宅ローンでは様々な条件によって契約者に控除額が戻ってくる制度があります。控除枠は最大で毎年40万円の減税が見込むことができます。条件は大きく分けて三つありますが、大抵の人が利用できるのは年末のローン残高に応じた控除枠です。これは年末のローン残高が大きければ大きいほど控除額も多くなり、年末のローン残高が4,000万円以上ある場合は最大額の40万円が控除として戻ってきます。他の条件は住宅の性能や所得・住民税を基準としたものですが、控除額が一番低い条件が適用されるのであまり影響がありません。
制度の適用には条件がある
住宅ローン控除の適用には様々な条件があります。主だったところでは、返済プランが10年以上であることでしょう。最初に10年以上での返済プランを設定していても、途中で繰り上げ返済をして10年未満になってしまうと控除の適用外になってしまうので注意が必要です。他にも住宅を取得してからの条件指定や住宅の規定条件指定など細々とした条件があるので確認しておきましょう。また、この制度は新築だけでなく中古やリフォームにも適用できるので覚えておいて損はありません。
住宅ローン控除を受けるには確定申告が必要
住宅ローンの控除を受けるためには確定申告は必要なポイントです。会社勤めで確定申告に行く必要がないサラリーマンの人であっても、住宅ローン控除の手続きのために行く必要があります。もっとも確定申告をいつも必要としていない人は初年度のみで問題ありません。次年度以降からは会社が年末調整を住宅ローンも含めて年末調整をおこなってくれます。年末調整の際に必要な書類を会社に提出しましょう。自営業の場合は2年以降も自分で申告する必要があります。忘れずに確定申告をしましょう。
住宅ローン控除の確定申告のしかた
確定申告には必要となる書類があり、初年度は特に手続きも複雑です。こちらでは申告の際に困らないよう簡単な流れを説明しますので、読んでみてください。
確定申告書を用意する
確定申告書の書式は最寄りの税務署で手に入れるか、国税庁のサイトから印刷することで手に入れることができます。確定申告書にはAタイプとBタイプがありますが、会社員はAタイプに記入しましょう。確定申告書には細かな金額などの記入が必要となってきます。あらかじめ必要書類を用意して住宅借入金等特別控除額の計算明細書を記入し、それを参考に確定申告書を作成していけば手間を取らずに済ませることができます。もし確定申告書の作成に不安がある場合は最寄りの申告会場で尋ねるとよいでしょう。
必要書類は事前に準備しておくこと
確定申告の際に必要な書類は多いので、慌てることの内容に事前に準備しておきましょう。資料は確定申告書や住宅借入金等特別控除額の計算明細書に加えて源泉徴収票、住民票、建物や土地の登記事項証明書、建物や土地の売買契約書のコピー、住宅ローンの年末残高証明書などを取り寄せる必要があります。取り寄せ先もそれぞれ異なり、また請求手順や手続き完了期間も取り寄せ先によってまちまちですので準備の際には気をつけましょう。ぎりぎりに準備しようとなると間に合わない可能性があります。
確定申告書と必要書類を提出する
必要書類を作成した後は、期間内に税務署へ提出しましょう。提出方法はいくつかあり、書類を最寄りの税務署に郵送するか、ネット上でのe-Taxを利用して送信するか、または税務署や申告会場での直接提出をおこなうかです。e-Taxはネットで確定申告書の作成ができ、提出までPC上でおこなえる上に一部は自動で計算してくれる便利な方法ですが、事前登録など手間がかかります。郵送の際は必要書類に不備がないかどうか確認したうえで提出するようにしましょう。不備がある場合、追加の税金が発生してしまう場合があります。
提出期限は3月15日早めの申告を
住宅ローン控除の確定申告の期間は限られており、1月から3月15日となっています。普通の確定申告と違って住宅ローン控除は還付金のため1月から申告をすることができます。申告漏れのないように早めの申告をしておくとよいでしょう。万が一期間を過ぎて提出する場合は、ちゃんとした控除の恩恵を受けられずに終わってしまう可能性があります。また、申告内容に計算間違いなどの不備があった場合はすみやかに申告修正をしましょう。税務署に指摘されたあとに修正をおこなうと税金をさらに払う必要が出てきます。
住宅ローンは上手に借りてしっかり返済しよう
住宅ローンはあまり日常で使わない知識が必要となってくるので、住宅ローンの申請に不安を抱いていた人も多いでしょう。住宅ローンは金額の大きい契約となりますので、返済プランをしっかりとたてて無理のない返済をしていく必要があります。返済金額はなるべく少ない方が負担もかからなくてよいですが、焦ってしまうとかえって返済額が増えてしまう可能性があるので、じっくりと検討してみてください。また確定申告をすれば、ちゃんと利用すればお金が戻ってきます。忘れずに申告しましょう。