インテリアコーディネーターとは。仕事の内容ややりがいを理解しよう
インテリアコーディネーターの仕事について知ろう
華やかなイメージから憧れを抱く女性が多く、また異業種からの転職も多いといわれるこの仕事。そこで今回は、「仕事内容はどのようなものなのか」、「給料はどれくらいなのか」「資格は絶対に必要なのか」など、インテリアコーディネーターに関する疑問を徹底解説していきます。
インテリアコーディネーターの仕事内容とは?
住宅をはじめとしてオフィス、ショールーム、商業施設、公共施設、学校にいたるまであらゆる空間のコーディネートを担当するインテリアコーディネーター。働く場所も多岐に渡ります。
まずは、お客様への引き渡しに至るまでにどのような仕事を行なっているのか、大きく2つに分けて紹介していきます。
1. お客様のニーズをヒアリング
インテリアコーディネーターにとって最も大切な仕事が「お客様へのヒアリング」です。たとえば、住宅を担当するのであれば、お客様が将来どのような暮らしを望んでいるのか、どのようなデザインが好みかを深く理解し、その人のライフスタイルに合ったインテリアを予算に合わせて提案することが必要になります。
最初は漠然としたイメージしか持っていないお客様でも、コーディネーターがヒアリングすることで希望や理想を理解することが大切です。
そのため、コーディネーターにはお客様とのコミュニケーション能力や、実際に生活した場合を想定して最適なインテリアを考える想像力が求められます。お客様との打ち合わせにかなり多くの時間を費やすので、ヒアリングはとても大切な仕事といえます。
2.専門知識を生かしてプランニング
お客様への十分なヒアリングが終わると、いよいよプランニングです。間取りや収納、インテリア商品の知識を最大限に生かし、家具や壁紙、照明、床材などを組み合わせて具体的なコーディネートに落とし込んでいきます。
時には、お客様と一緒に家具を選んだりすることも。お客様の家族構成やライフスタイルに合わせてコーディネーターが自ら提案する、柔軟な発想力が求められる仕事です。また、建築士や設計士、住宅メーカーなどとのやりとりも多いため、インテリアや色彩センスだけではなく建築や施工についての知識が必要になってくることもあります。
インテリアコーディネーターの仕事の大変さとやりがい
「クリエイティブな仕事」という理由で、華やかに見られがちなこの職業。しかし、実際にはどんな仕事であっても大変なことは避けて通れません。そこで、インテリアコーディネーターという仕事の大変さとやりがいについて紹介していきます。
大変さは「労働時間の長さ」
インテリアコーディネーターは基本的にお客様の都合が最優先なので、打ち合わせが休日になったり、夕方以降になることもしばしば。ほかにも社内や業者との打ち合わせに追われ、夜会社に戻った後に事務作業をこなさなければならない場合もあります。そのため、仕事が決まった時間に終わるとは限らず、残業も多くなることがあります。
複数の案件を同時にこなさなければならず業務量も多いので、残業は日常茶飯事。常に仕事と隣り合わせの日々を過ごすことになります。とくに、お子さんを持つ女性には辛い仕事だという意見も。
やりがいは「お客様に感謝の言葉をいただける」
お客様にとっては一生に一度の家づくり。引き渡しの時には「あなたに頼んでよかった」と涙を流して喜ばれることもあります。その分責任は重大ですが、仕事を通してお客様に感動と喜びを提供できるのがこの仕事の大きな魅力です。
また、自分がコーディネートした空間が「形」になっていくのをお客様と一緒に体感できるのもこの仕事の楽しさ。
お客様との打ち合わせを重ねるうちに絆が深まり、「またあなたに頼みたい」とリピーターになってくれたり、仕事の枠を超えたお付き合いをしていけることもあります。
インテリアコーディネーターになるために必要な技術や資格
専門的な知識を必要とするため、特別な技術や資格が必要に思われるインテリアコーディネーター。具体的にはどんな資格を取得していると有利なのか、みていきましょう。
どんな種類の資格がある?
実はインテリアの仕事に就くために資格はとくに必要ありません。資格なしで活躍しているインテリアコーディネーターがいるもの事実。しかし、この仕事をする上で多くの人が「インテリアコーディネーター資格」の取得を目指しています。それは、資格取得によって自分の知識を深めるだけでなく、就職活動において有利になったり、お客様や取引先からの信頼につながるというメリットがあるからです。
インテリアコーディネーターになるために必要な技術や資格の勉強法
インテリア関連の資格取得に関する書籍はたくさん出ていますので、独学で勉強することも可能です。人によっては専門学校や通信講座を利用して勉強をすることも多く、専門学校に通う場合は2?3年のカリキュラム、通信講座の場合は8カ月ほどのカリキュラムとなっています。独学と違って、しっかりとスケジューリングを組んで勉強ができるので、まとまった時間がある人にはおすすめです。
ステップアップにつながることも
インテリアコーディネーター資格以外にも「建築士」「インテリアアドバイザー」「キッチンスペシャリスト」「色彩検定」など、さまざまな資格取得を目指している人もいます。インテリアに関わる資格であれば無駄になることはなく、すべて自分の知識や経験として仕事に生かすことができるからです。資格とともにプロとして長年実績を積めば、会社や取引先からも認められ将来的に独立の可能性もあります。
インテリアコーディネーターの気になる給料(年収)
インテリアコーディネーターが働く場所としては、住宅メーカー、デザイン会社、設計事務所、家具販売店などさまざま。これらの会社に勤めた場合、給料(年収)は一般のサラリーマンとさほど変わりありません。平均年収は300万円?500万円といわれています。
ただし、企業、学歴、勤続年数、資格の有無、雇用形態などで年収は大きく変わってきます。会社によっては成果次第で「インセンティブ」がもらえる場合もあるようです。実力のある人はフリーランスとなり1,000万円以上稼いでいる人もいます。しかし、仕事に費やす時間や責任の重さを考えると、それに見合った給料ではないと考える人も。
インテリアコーディネーターで女性はどのくらい活躍している?
インテリアコーディネーター資格試験の合格者数の男女比を比較すると、およそ3対7。この仕事を目指す人は女性が圧倒的に多いというデータが出ています。
インテリアに興味があり、自分の家を素敵な空間にするのが得意な女性であれば、お客様の気持ちに寄り添った細やかな気配りがしやすいのです。主婦やOLなど女性の進出が目立つ仕事ともいわれています。
しかし、実際には業務量や時間の拘束に悩んでいる人がいるのも事実。結婚し子どもが生まれると、仕事と家庭の両立が難しく、続けることが困難な場合もあるようです。その場合は、正社員は難しくても契約社員やパートで働くという選択肢もあります。
努力と経験がお客様の「笑顔」を作り出す
インテリアコーディネーターとして活躍するためには多くの実務経験を通してコミュニケーション能力、ヒアリング能力、提案力など総合的な力を身につけることが必要です。業務量が多く拘束時間が長くなることもあり、体力的に厳しい面があるのも事実。しかし、努力して作り上げたプランが形となり、お客様の喜びをダイレクトに感じることのできるすばらしい仕事です。
近年ではインテリアへの関心が高まるとともに、「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」を重視する施設が増えているため、インテリアコーディネーターの需要も拡大しているといわれています。
快適な空間をコーディネートし、お客様の「笑顔」を作り出すインテリアコーディネーター。自分の努力と経験が結果に結びつく、やりがいのある仕事です。