登録販売者の気になる年収。いま注目のお薬のプロフェッショナル
気になる登録販売者の年収はどのくらいかを把握しよう
2009年に登録販売者が新設されて以降、薬局やドラックストアだけではなく、コンビニやスーパーや家電量販店等、多くの店舗で一般用医薬品を販売しているのを見るようになりました。今後も徐々に需要が高まってきている登録販売者ですが、まずは実際の月収や年収はどのくらいなのか把握しましょう。
登録販売者の給料についてチェック
平均年収
登録販売者は独立開業している方が少なく、ほとんどの方は企業に勤めています。その年収は、就職先の職種や勤務地域によって大きく変わり、基本的には通常支給される給与に、「資格手当」として5,000円~20,000円(主に1万円前後が多いようです)加算されています。登録販売者の代表的な勤務先であるドラッグストアやスーパーなどの年収を見てみましょう。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 平均 | |
ドラッグストア | 324万円 | 415万円 | 549万円 | 686万円 | 376万円 |
スーパー | 307万円 | 399万円 | 477万円 | 524万円 | 360万円 |
コンビニ | 345万円 | 429万円 | 529万円 | 549万円 | 404万円 |
ドラッグストアの正社員を例に挙げますと、平均年収は376万円となっており、コンビニは404万円です。20~30代のころはコンビニの方が年収は多い(恐らく夜勤があるため)ですが、役職のつく40~50代になるとドラッグストアの方が年収がよくなります。最大年収はドラッグストアやスーパーなどの店長クラスで600万円台と言われています。
また、登録販売者は正社員での採用だけではなく、契約社員やパートタイマーやアルバイトなどの非正規雇用も多い為、登録販売者全体の平均年収は300万円前後となっています。時給は850円~1100円の求人が多いようです。
平均月収給料
登録販売者の平均月収はドラッグストアの正社員で25万円ほどで、年2回のボーナスで給与の約4か月分支給されることが多いようです。月収も業種がスーパーやコンビニ、家電量販店によって違ってきます。スーパーだと18万~35万(役職付)+資格手当、コンビニだと15万~20万円(店長クラスでも)+資格手当、といわれています。
生涯年収
登録販売者の生涯年収は、ドラッグストアの正社員を例に挙げると、店長などの役職も経験して1億9095万円です。また、その他の勤務先候補の生涯年収はスーパーが1億6444万円、コンビニが1億7800万円となっています。
登録販売者は他の仕事とくらべて高い?それとも低い?
登録販売者全体でみると、パートやアルバイトなどの非正規雇用も方も含むので、平均年収が他の仕事と比べて低めとなります。ただし、大手のドラッグストアやスーパーなどの正社員として勤務し、店長などの役職も経験することによって、日本の平均生涯年収の1.9億円と同等になります。また、一般医薬品を取り扱う店舗が増えてきている為、登録販売者の需要は年々増えてきており、それに伴って年収の徐々に増加傾向にあります。
小売/外食系の他職種と比較すると以下の通りなっています。
- 日本の平均年収 :418万円
- 小売/外食 平均 :359万円(男性:389万円/女性:312万円)
- ドラッグストア/薬局 :376万円(男性:414万円/女性:320万円)
- コンビニ :404万円(男性:419万円/女性:345万円)
- レストラン ? ? :368万円(男性:392万円/女性:313万円)
- 小売り専門 :348万円(男性:381万円/女性:310万円)
- スーパー/ストア :360万円(男性:383万円/女性:310万円)
日本の平均年収に比べると年間-42万円ですが、同業(小売/外食)でみると+17万円と若干高めになっています。
登録販売者で年収1000万円は可能?
平均年収が300万~400万、最高年収でも600万円台のため、通常に企業に勤務した場合、年収1000万円は難しいと考えられます。しかし薬剤師や登録販売者の下で2年以上実務を経験すれば、個人で開業することも可能となりますので、薬局やドラッグストアで数年経験したのちに独立開業して、顧客がつけば年収1000万円も夢ではない話になります。近年では一部を除いた一般医医薬品は、インターネット販売も可能となりましたので、顧客を日本全国にもつことができます。
登録販売者の仕事概要
登録販売者の仕事は、一般用医薬品の販売が主な仕事となります。一般用医薬品といっても、全てではなく「第2類医薬品」と「第3類医薬品」の販売となり、第1類医薬品は薬剤師でなければ取り扱うことができません。しかし、一般医薬品の9割以上が「第2類医薬品」と「第3類医薬品」に含まれているので、実質ほとんどの一般用医薬品を販売することができます。
登録販売者は、お店に来店されるお客様の対応も大切な仕事になります。薬のことに詳しくないお客様の悩みや症状を聞いて、薬を選んであげたり、自宅での処置方法のアドバイスなどをしたりするため、日頃から勉強が欠かせない仕事です。その他に、勤め先がドラッグストアや、スーパー等ならば医薬品以外の知識も必要となってきます。
登録販売者になるための勉強や資格
登録販売者になるためには、各都道府県で定期的に実施している試験を合格する必要があります。試験内容は厚生労働省が示した出題範囲内で、各都道府県が作成するために受験する自治体によって難易度か変わってくるようです。合格率は全国平均で45%前後で、低いところは30%台になっています。
試験の内容は筆記のみで「薬事に関する法規と制度:20問」「医薬品に共通する特性と基本的な知識:20問」「人体の動きと医薬品:20問」「主な医薬品とその作用:40問」「医薬品の適正使用と安全対策:20問」の合計120問で、合格ラインは全体正解率が70%以上かつ各分野40%以上の正解が、基準となっています。ただ、都道府県によって若干の違いがあるようです。
2015年までは「1年の実務経験」が受験資格にありましたが、現在は廃止されて実務経験なしでも受験できるようになりました。年齢制限もなく、だれでも受験できます。
合格後に都道府県の知事に販売従事登録申請を行って、「販売従事登録証」を発行してもらいます。
女性は働きやすい仕事なの?
登録販売者は基本的な平均年収でみると普通(男性414万円・女性345万円)ですが、仕事の内容が魅力的なのが登録販売者です。理由は医薬品の専門的知識を身につけられて、しかもお客様に感謝される仕事だからです。
勤め先によっては、品出しなどの肉体労働もあるので、その点では男性優位といえる部分があるかもしれません。しかし、女性のデリケートな症状に対する悩みや、子供連れのママさんの対応など、女性登録販売者だからこそ安心して、お客様も相談をしてくれることも多くあります。さらに、女性だからこそお客様も耳を傾けてくれることも多々ありますので、本来の登録販売者の役割でみると女性向けの仕事といえます。また、今後も需要がふえる傾向にあるため、一時的に家庭に入っても社会復帰しやすいのも魅力です。
ライフスタイルにあった働き方ができる登録販売者
登録販売者は、おもに薬局やドラックストアなどに勤務することが多いとおもいます。その際に、しっかり働きたい方は正社員として勤務し、キャリアアップを目指すこともできますし、子育て優先のママさんなどの他に用事のある方や、扶養の範囲内で働きたい方は、パートやアルバイトなどで時間単位で働くこともできます。また、他の登録販売者や薬剤師の指導のもと、2年以上の実務経験をしたのちに、自分で薬店を開業することもできる資格ですので、独立も夢ではありません。
これから社会復帰を目指す人にとっても、販売系の仕事であれば、就職の際に優遇される場合が多い資格です。難易度は高めですが、取得して活躍の場を広げてみるのもよいでしょう。