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歯科技工士の年収とは。仕事内容や資格の取り方について知ろう

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歯科技工士の年収ってどのくらい?

歯科技工士という職業について知っているでしょうか。歯医者さんに行っても、歯科技工士の働く姿を見ることはあまりありません。人の目に触れないところで働く技術者である歯科技工士ですが、その年収はいくらなのかみていきましょう。

歯科技工士の給料についてチェック

歯科技工士の平均年収、平均月収、生涯年収をそれぞれチェックしてみましょう。

歯科技工士の平均年収は?

統計的には、歯科技工士の平均年収はおよそ468万円です(厚生労働省・平成28年賃金構造基本統計調査)。

年齢とともにキャリアを積むことによる年収アップのほか、特殊な技術の有無、就業する技工所の規模によっても年収が異なります。たとえば、平成25年の賃金構造基本統計調査では、1,000人以上の規模の技工所に勤める歯科技工士の平均年収は615万円に対し、10人以上の技工所に勤める歯科技工士では432万円にとどまっています。

年齢別では、20歳から24歳までの年齢層では288万円とやや低く厳しいレベルにありますが、年齢とともに上昇が望め、25歳から29歳では389万円、30歳から34歳までは492万円と年収が上がっています。最も年収が高くなるのは、55歳から59歳の624万円となっています。

歯科技工士として独立・開業し、歯科技工所を立ち上げた場合、仕事の受注が順調であれば年収1000万円以上稼ぐこともできます。医療専門職で、比較的ハードな仕事内容であることを考えれば、歯科技工士の平均年収は決して高くはありませんが、勤め人としての業務がメインとなる看護師や介護士とは違って、医師や歯科医師と同じように開業できるところが魅力といえるでしょう。

歯科技工士の平均月収給料は?

歯科技工士の平均月収は、約32万円です。この数年の推移としては、295,000円から32万円の範囲で推移しています。歯科技工士の初任給の相場は15万円から17万円となっています。そこから、キャリアを積み技術を身に着けて、月収60万円以上というベテランも。独立・開業して成功すれば、それ以上も望めます。

歯科技工士の生涯年収は?

平均年収から算出される生涯収入は、新卒から定年まで歯科技工士として働いたと仮定すれば、22,192万円と推定されます。日本の平均生涯賃金17,988万円と比べると、高い水準にあるといえるでしょう。

歯科技工士の収入は他の仕事とくらべて高い?それとも低い?

なかなか一概には言えないのですが、日本のさまざまな職業を収入順に列挙したあるランキングリストでは、173位とされていました。これは、航空整備士や中小企業診断士、原発作業員やプロボウラー、コンビニエンスストアの店長などと類似の水準です。また、外務省や防衛省の専門職員も付近にランクインしています。

歯科技工士で年収1000万円は可能?

歯科技工所に勤める歯科技工士が、年収1,000万円を超える収入を得る見込みはあまりありません。大手の技巧所に勤めるベテランの歯科技工士でも、年収600万円台ということが多いでしょう。年収1,000万円は可能ですが、独立・開業することが前提になります。

独立・開業して自らの歯科技工所を立ち上げるにあたっては、さまざまな機器や道具などの設備投資が必要になり、少なくとも1,000万円の資金がいるとされています。しかし、医師や歯科医師が診療所を開業するのに比べると、負担は少ないといえるでしょう。開業当初は自分一人で始め、軌道に乗ったら歯科技工士をほかにも雇って規模を広げれば、年収1,000万円を稼ぎ出すことも可能です。

歯科技工士の仕事概要

歯科技工士は、歯科医療の中で欠かせない、重要な役割を担う専門職です。歯科医師の指示書に従い、歯科技工物を作成したり、加工・修理に携わります。歯科技工物の種類は多岐にわたり、入れ歯や差し歯、かぶせものや詰め物、矯正に使う器具やマウスピースなどが含まれます。

歯科医師や歯科衛生士が患者の歯の型を取り、それに石膏を流して模型が作られます。それをもとに歯科技工物を作るのが歯科技工士です。細かい作業を厳密に行う必要がありますが、手先の器用さや高度な技術だけでなく、鋭い美的センスも必要になってきます。

基本的には患者と直接接することはありませんが、高価なセラミックの前歯などを作る際の色合わせなど、特別重要な場面においては自ら患者本人の口腔内を見に、診療室を訪れる歯科技工士もいます。とはいえ、歯科医師や歯科衛生士とは違い、患者の口腔内を直接触ることは許されていません。

歯科技工士になるための勉強や資格

歯科技工士の資格を取るためには、高校卒業後、歯科技工士の養成学科がある大学・短大・専門学校に入学し、歯科理工学や歯牙解剖学などの必要な知識を学んだ後、歯科技工士国家試験を受験して合格する必要があります。

最近の歯科技工士国家試験の合格率は90%以上となっています。養成施設において必要な知識をしっかり学んでいれば問題ないといえるでしょう。養成には夜間の課程もあり、歯科技工士資格取得を目指す社会人にとっても学びやすい環境が用意されています。

女性は働きやすい仕事なの?

歯科技工士は従来、男性のイメージが強い職種でした。長時間労働のうえ、汚れる、体力のいる仕事だったからです。しかし近年では、歯科技工の世界も進歩しており、新しい材料や技術が入って以前のような職場ではなくなってきました。コンピュータを操作することがおもな技工の手段となってきたからです。

また、長時間労働などの職場環境を改善する動きも高まり、今ではシフト制や残業なしの技工所もあります。とくに規模が大きめの歯科技工所においては、女性もライフステージに合わせて無理なく働ける環境が整ってきているといえるでしょう。

女性にとってうれしいことの一つは、ライセンスのある専門職であるため、ブランクがあっても復帰しやすいという点です。更新の必要がない歯科技工士免許は、一度取得してしまえば一生もので、育児が終わってからまた現場に出ることも可能です。

女性歯科技工士のもう一つの利点は、歯科衛生士とのダブルライセンスで活躍することができることです。上述したように、歯科技工士は患者の口腔内を直接触ることができません。そのため、歯科医師や歯科衛生士がとってくれた歯型に基づいて技工物を作ります。そこで、直接口腔内を触ることが許される歯科衛生士の資格も取れば、最強のダブルライセンスとなります。

実際、キャリアアップのために歯科衛生士養成施設の門をくぐる女性歯科技工士は少なくありません。歯科衛生士は最近まで女性のみの職業でしたし、男女ともに取得できるようになった今でも、男性の割合はごくごくわずかです。そういう意味では、歯科衛生士とのダブルライセンスは、女性歯科技工士の特権といえるかもしれません。

歯科技工士の40歳代における男女年収差は、賃金統計基本調査に基づく推計によると、男性567.7万円、女性428.4万円です。月収差は、男性35.8万円、女性27万円となっています。

歯科医療職人の国家資格、歯科技工士にチャレンジしてみよう

普段は見えないところで歯科医療を支えてくれている歯科技工士について、理解を深めることができました。手先が器用でモノ作りが好きな人、自分の腕で稼いでいきたい人、コツコツ努力して向上していくタイプの人など、職人的な気質のある人は向いている職業といえるでしょう。

職人として完璧な作品を作り上げる喜びの一方で、患者さんの健康と美しさ、生活の質の向上に貢献する喜びを味わう、医療人としての一面もあります。今後もますます必要とされる職業ですし、女性への門戸もますます開かれてきています。自分は向いている、やりがいがありそうだと思った方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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