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【1】ぬいぐるみが旅をするウナギトラベル。ぬいぐるみにだってストーリーがある :東 園絵さんインタビュー

インタビュー

ぬいぐるみのための旅行代理店「ウナギトラベル」。人間の参加は不可、ぬいぐるみだけが参加可能なのだとか。とってもユニークなこの旅行会社は、具体的にどのようなサービスなのでしょう? 東さんにその魅力とぬいぐるみに対する思いを語っていただきました。

自分の代わりに旅をするぬいぐるみ

―「ウナギトラベル」のサービスについて伺います。どのようにぬいぐるみだけで旅をするのでしょうか?

個人の方が大切にしているぬいぐるみを弊社の事務所に送っていただいて、そのぬいぐるみたちと旅に出るんです。持ち主の異なる複数のぬいぐるみと一緒に行く団体旅行ですね。

その様子を写真や動画で撮影して、リアルタイムでFacebookやTwitterなどに配信をするんです。映画「トイストーリー」のようなイメージですね。ぬいぐるみが生きていて実際に旅をしているかのように表現して、その姿やストーリーを楽しんでいただくというサービスです。

―利用者はどのような方たちでしょうか?

さまざまな方がサービスを利用していますね。
ぬいぐるみを長く大切にしている方、仕事や学業で忙しい方、ご自身やご家族の病気などで旅行がなかなか出来ず、自分が大切にしているぬいぐるみに旅行に行ってもらうという方。それから、日本に行ったことのない海外の方が、まずはぬいぐるみを通じて日本を見てみるという使い方をしている方もいらっしゃいます。
1950年代に日本に住んでいた70代のアメリカ人の方は、当時から大切にしていたテディベアを日本に里帰りさせたいと利用してくださいました。その方の思い出の土地を一緒に見て回りました。

ツアーガイドもぬいぐるみ

 

―人間は黒子役の東さん以外は参加しないんですよね?ツアー中のガイドはどうしているのでしょうか?

ツアーガイドもぬいぐるみなんです。私が手作りしているんですよ。
ガイドは現在、ウナギのぬいぐるみ4体がメインで担当しています。優等生の「うなな」と「ウナーシャ」、「ウナカッタ」。おっちょこちょいキャラの「ウナカ」です。ウナカはツアー中にお客さんと一緒に楽しんでいますね。自分に素直に行動していて、ときどきトラブルに遭遇するんですが、結果的にいい方向に持っていけるガイドです。

―ガイドにファンがついているのですか?

そうなんですよ。リピーターの方も多くて、ファンのように支えていただいてます。それで、ガイドの撮影会やオフ会を開催したこともあります。
コロナ禍ではなかなか難しいのですが、以前は握手会もしていたんですよ。ガイドたちはウナギなので、尾っぽで握手します。

ウナギトラベルでお預かりするのはお客様の心

―ぬいぐるみが本当に生きているように扱うんですね!

そうですね。ぬいぐるみそれぞれの個性を生かしたツアーを組むために、ツアー前にお客様にぬいぐるみの性格や嗜好をヒアリングします。
ツアーに申し込んだ理由も必ず聞きます。持ち主さんの心に寄り添うために、持ち主さんがどんな思いでツアーに参加しているかを知りたいんです。旅をしながら、持ち主さんたちの心をぬいぐるみを通じて預かっていると考えています。

―持ち主さんたちの心をぬいぐるみを通じて預かっていると考えている理由を教えてください。

ぬいぐるみ一体一体に、それぞれのヒューマンヒストリーが宿っていると考えているためです。ぬいぐるみは工場で作られたときはモノですけれど、誰かの手に渡り大切にされると、ただのモノではなくなる。ぬいぐるみに命が宿ると思うんです。

≪まとめ≫ぬいぐるみを通じて知るお客様の心

最初は、単なるエンターテイメントだと思っていたウナギトラベルのツアー。サービスについてのお話を聞き進めていくうちに、お客様の心に寄り添う奥深いものだとわかってきました。ぬいぐるみの趣味嗜好やツアーに申し込んだ動機をヒアリングするなどして、お客様のニーズを知り、それに応えようとする、そんな姿勢がお客様の心に刺さったのだと思います。しかし、ぬいぐるみの旅という非現実的な世界はどのくらい需要があるのでしょう?次のインタビューでは、ビジネスにニッチなサービスを選んだ理由を伺います。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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