30歳前後の平均貯金額|今後も踏まえて一体いくら必要なのか
貯金の平均額と目標額
まず、毎月貯金をしている方が約8割を占めていて、貯金をするのは当たり前のことだという感覚だそうです。反対に残り約2割の貯金をしていない方は、趣味を優先したい、若い頃は自分のためにお金を使いたいなどを理由に、貯金はゆくゆくでいいと考えているようです。しかし、ゆくゆく年収が上がればと思っているといつまでたっても貯金ができないという傾向が多いのも事実。
25歳~35歳の女性を対象に、平均年収は300万円前後となっていて決して高い年収ではないものの、中には500万円以上も貯金がある方が16.7%と一番割合が高くなっています。次に多かったのも100万~300万円未満で15.8%としっかりと貯金をしている方が多いようです。対象的に0~5万円も13.1%と少なくなく3番目に多い結果に、貯金ができる人とできない人に大きく分かれています。毎月の貯金額は約5万円が平均的な金額となっています。
貯金ができていない方は、まずは50万円を目標にしてみてください。50万円という金額は、急場をしのぐのに最低限必要な金額といわれていて、達成したら100万円を目標に、100万円は4カ月無給でも大丈夫な金額といわれています。しっかりと貯金ができている人は500万円以上を目指してみましょう。
パターン別の貯金事情
貯金をする多くの方は、毎月のお給料の中から決まった金額を貯金にまわす方が大半です。そうなると貯金するにあたって自分の生活状況が大きく関わってきます。それぞれの生活パターンに合った貯金事情をしっかりと把握しておきましょう。
目安として30歳で貯金額300万円ほどあれば理想的だといわれています。そのために例えば、毎月2.5万円に年2回のボーナスで15万円ずつ1年で60万円、それを5年間続けて300万円という計算ができます。それぞれ現在の年齢はあると思いますが、あくまで1つの例えなので自分の収入や目的に合わせて目標の金額を設定してみてください。
独身女性の場合
一人暮らしの場合
一人暮らしの場合は、どうしても貯金に回すお金が少なくなってしまいます。年収300万円前後だとすると、ようやく少し生活に余裕が出てきたかなといったぐらいで、貯金に回すにはまだ少し厳しいといったのが現実ではないでしょうか。30歳で貯金額300万円という目安はありますが、一人暮らしの場合は200万円が妥当です。
また、節約するのは大事ですが限度があり、一人暮らしは節約したところで貯金に回せるお金も少ないので目標金額には遠い道のりです。そこで、副業という手を検討してみてはいかがでしょうか。生活費は今まで通り本業のお給料で賄い、副業のお給料を全て貯金に回すと毎月一定金額貯まります。さらに、振り込まれる口座を分けると生活費と混ざることもないのでおすすめです。
実家暮らしの場合
実家暮らしだと家に入れるお金などもあると思いますが、一人暮らしに比べると余裕ができ、収入の3~4割を貯金に回すのが理想的です。1年で約60万円ほど貯金ができ、それを続けると5年で300万円に到達できます。
実家暮らしは余裕があるといってもその分物欲や遊びの誘惑もあり、無駄使いしないようしっかりとした自己管理が必要です。どうしても、自己管理が苦手な方には定期預金や積立定期預金などを利用してみることをおすすめします。
配偶者がいる場合
自分が働いていない場合
専業主婦の場合生活費は二人分ですが、男性のみの収入となるので独身時代より貯金に回す金額が下がります。相手の男性の収入にもよりますが20代夫婦場合、平均貯金額は約200万円といわれています。しかし、子供がいるいないに関係なくこれからのことを考えると200万円では不安です。
ただ、二人になったことでそれぞれ仕事と家事の分担ができ、負担が軽減したはずです。女性側は独身時代以上にできる節約はきちんと行い、家計簿などでお金の管理をしてみてもよいかもしれません。最近ではアプリで簡単に管理できるものもあるので、書くことが続かない方は試してみてください。
共働きの場合
二人分の収入となり生活費も倍かかるかというとそうではないので、貯金に回しやすくなります。20代夫婦の場合、共働きは平均年収約700万円、女性がパートだと約500万円となっています。とくに子供がいない夫婦は貯めどきなので、二人で今後のことも考えてしっかりと貯めておきましょう。
奥さんがパートの場合は、年収150万円までに抑えると配偶者控除を受けられます。配偶者控除額は2018年1月に女性の社会進出促進を図って103万円から150万円へと改正されました。パートの場合は配偶者控除制度を把握して、上手く出費を抑えるとよいです。
目標別の貯金額
貯金をする目的として老後のためや結婚式の費用、または何かあったときのためなど漠然としていますが実際はどういったことにどれぐらいの金額が必要なのでしょうか。結婚から老後までにかかる費用を知ると、今はまだ趣味や自分のために使いたいからといって貯金をしていない人も必要性を感じるはずです。
結婚する時の貯金
結婚にかかる資金、結納や披露宴、新婚旅行を含めて平均約470万円ほどといわれていて、ご祝儀分を引いたとしても250万円程度は必要となります。こちらはあくまで平均金額で、披露宴や新婚旅行にかかる資金はそれぞれ高くも安くもでき、理想を叶えるための金額は相手やブライダルプランナーとしっかり相談しましょう。また、結婚後の生活の初期費用として50万円ほど準備しておくカップルが多いようです。
子供を育てるときの貯金
一人の子供を育てるのに、大学卒業まで全て公立でも費用は約1,000万円かかります。私立や専門学校へ行った場合はもっとかかり、習い事や大学での一人暮らしなど最近では海外留学なども多くなってきていることから2,000万円ほどかかることも考えられます。奨学金制度などもありますが、この金額が子供の人数分かかってくるので早い段階から先を見越して貯めておく必要があります。
定年までに貯めておきたい貯金
60歳で退職して公的年金が支払われるのは65歳からで、このことも踏まえて夫婦二人で最低でも780万円程度は貯めておく必要があります。ただこれは最低金額なので贅沢はできず、少しはゆとりが欲しい、老後生活はもっと楽しみたいという方は1,000万円以上の貯金額となってきます。
老後の楽しみ方としてサービス付きのマンションなどもあるので、理想の生活には一体いくらかかるのかファイナンシャル・プランナーに相談してみるのもよいかもしれません。
離婚する時の貯金
できれば避けたい内容の貯金ですが、離婚する場合には300万円は貯めておくと安心です。とはいえ離婚理由は夫婦によりさまざまで、子供がいれば養育費、そして財産分与や慰謝料の発生などで出ていく場合も入ってくる場合もあります。これらを除いて300万円の貯金ができるまで、離婚は先延ばした方が賢明です。
実態に合わせて少しずつ貯金する
貯金をするメリットとして、いざという時や老後の心配が減ったり、お金のゆとりは心のゆとりにも繋がります。無理をしすぎるのはよくないですが、結婚するときの資金から老後までの資金をみても莫大な金額の貯金が必要です。今の生活状況に合わせて早い段階から少しずつでもコツコツと貯め続けることが大切です。
ただ、貯金するために節約癖が加速しすぎるとデメリットも発生します。お金を貯めることだけが目的となり使いどきを逃したり、自己投資できずに可能性が狭まることも出てきます。高収入の方の多くは自己投資や初期投資など必要性のある出費には出し惜しみをしない傾向にあります。
その結果、キャリアアップに繋がり収入もアップ、貯金に回せる金額も増えていくといった好循環です。無駄遣いではなく、自分や家族の人生を豊かにするための必要な出費は惜しまずに。貯めたお金をどう付き合い、生かすかが本当のお金の価値に繋がるのではないでしょうか。