外交官はどんな仕事をしているの?外交官になるための方法は
外交官の仕事について知ろう
外交官とはどのような仕事をしているのでしょう。外交官は、その名の通り、海外の国との外交を行っている専門家です。その仕事内容は多岐にわたり、グローバル化の進む現代において欠かすことのできない仕事となっています。
ここでは、外交官がどんな仕事をしているのかを説明し、その魅力と苦労を紹介していきます。
外交官の仕事内容は?
外交官がどのような仕事をしているのか、わかるようでわからない人が多いでしょう。日本と外国をつなげる大切な役目といってもどんなことをしているのか日常生活の中では、よくわかりません。どんなことをしているのかが分かれば外交官としての仕事の魅力も重要性も見えてきます。
外交官の仕事場と仕事内容
外交官はどこで働いているのでしょうか。大まかなイメージとしては海外で仕事をしているといったところでしょう。
日本は海外に約200カ所の在外会館を持っています。在外会館とは、大使館や総領事館、政府代表部といったところになり、これらの施設で外国との交渉などの仕事を行うほか、日本国内では外務省本省で海外との交渉などの仕事を行います。
仕事の主な内容となっているのが日本の安全と繁栄の確保、日本人の生命や財産を守る、他国の国民の幸せの追求。これが、外交官の主な使命となり使命をはたすために外国の国々と交渉を行います。
?日本国民の安全を守る
外交官の仕事の中でも私たちの生活に最も身近に感じることができるのが海外での日本人の安全確保でしょう。海外旅行に出かける際に「海外安全ホームページ」を確認する人は少なくないでしょう。ここに掲載されている外国の治安状況や災害発生状況などを現地で情報収集も外交官の仕事です。
また、海外旅行者や海外移住者が外国で事件や事故、自然災害に巻き込まれた際に安否確認を行ったり、日本の家族に連絡を取るのも外交官の仕事です。
開発途上国の支援
外交官の仕事では、ODA(政府開発援助)も重要なものとなっています。開発途上にある国の支援を行うために井戸を掘り水の供給を行ったり、学校を作り子供たちの識字率の向上の援助を行っています。支援を行うための交渉など外交官の重要な仕事です。
外交官の就業時間
外交官は、海外での仕事が多くなります。そのためそれぞれの国の時間に合わせた就業時間が必要です。お昼休憩を長くとる国では、それに合わせながら朝から夕方まで働くのが基本です。ただし、緊急事態の際には就業時間などは関係なくなります。徹夜になることもあり、大使館や領事館などの近くに自宅を構えることが多く、緊急事態の際には、事態が収まるまで大使館や領事館に留まる必要もあります。
さらに国によってはパーティー文化が根付いている国も多く、こういった国ではパーティーを開きその国の人と交流を図ることも重要な仕事となります。この場合には、就業時間なども基本時間以外に発生し、外交官本人だけでなくその家族も参加する必要があります。
外交官の仕事の大変さとやりがい
大変なのは常に外国語を学ばなければならないこと
外交官になる人は、英語を話すことが出来るのは当然のこと、英語だけでは通用しない場面も多々あります。海外赴任は当然のこと、赴任先の国の言葉を話すことが出来ないと外交官の仕事である交渉をうまく行うことが出来なかったり、誤解を招いてしまう可能性もあるため、常に外国語を学ぶ必要があります。
治安の悪い地域ではストレスも大きくなる
海外赴任が当然の外交官の赴任先は、開発途上国も多く、時には住宅が治安のあるい地域になることもあります。安全のためにガードマンや警備員も準備されますし、通勤も送迎がありますが、それでも常に細心の注意を払う必要があるため、ストレスを感じるのも仕方のないことになります。
ストレスを感じるのは外交官の家族も同じことですから、家族の理解も必要でしょう。
やりがいは人の幸福のために働いていることを実感できること
外交官は開発途上国では、井戸を掘り水の供給を行って生活環境を整えたり、学校を建設し、子供たちの環境を整えるといった仕事を行う。こういった仕事により、生活環境が改善する人々の姿を目の当たりにすることができ、人々の幸福のために働いていることを実感することができます。
絆を築くことができる
海外赴任の多い外交官はいくつもの国の人々と交流を行うことになります。価値観や文化などの全く違った国でその国の人の考え方などを理解することで幅広い知識と価値観を得ることができ、赴任先での交流を通して多くの深い絆を築くことができるでしょう。
外交官になるために必要な技術や資格
外交官になるための資格は?
外交官は外務省に入職します。外交官に入職するためには、国家公務員採用総合職試験、外務省専門職員専門職試験、国家公務員一般職試験に合格する必要がある。この中でも外交官になるためには国家公務員採用総合試験か外務省専門職員試験に合格した総合職か専門職の人となります。
総合職は、将来大使館のトップである大使となり、外交の先頭をきって活躍することが期待されますが、いわゆるキャリアであり、試験の合格率はかなり低くなっています。
専門職員は、ノンキャリアですが、それぞれの地域の専門の職員として活躍することが期待されている職種です。
外交官になるために必要な技術や資格の勉強法
外交官になる人の多くが東大や京大、一流私立大学などの出身者と言われています。国家試験に合格すれば外交官になることはできますが、外交官は海外に赴任して仕事を行うことが多いため英語だけでなく語学力が必要となります。さらにコミュニケーション能力、交渉力、法律の知識も必要です。
こういったことから外交官を目指す人は一流大学を目指し、さらに法学の知識を学ぶことができる法学部卒業を目指すのがお勧めです。さらに、必須ではないものの、語学力が必要なことから取得しておいた方がよい英語の資格があります。
・英検1級
・TOIC900点以上
・TOEFL
・国連英検特A級
TOEFLは、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの能力を問われる試験です。国連英検に関しては、国債公務員の試験でも利用されており、外交官を目指すのであれば、特A級の取得を目指すことを考えた方がよいでしょう。
さらに、英語だけでなく他の外国語をマスターしておく必要もあります。マスターしている外国語が多ければそれだけ仕事に役立てることができます。
ステップアップにつながること
外交官にとって、語学力は重要ですが、語学力だけでなく法学の知識も必要になり、さらにコミュニケーション能力、交渉力なども重要なポイントです。赴任する様々な国で交渉を行うことを考えると様々な国の情勢や文化、伝統などにも精通しておく必要があるため、常に海外に目を向けておくことで能力を磨くことができるでしょう。
外交官の気になる給料
外交官はどのくらいの給料をもらっているのでしょうか。基本的には国家公務員の給与システムにのっとたものとなっていますが、外交官は海外赴任も多いことから海外赴任中の住宅や海外勤務などの手当てが大きなものとなっています。また、階級や赴任先によっても大きな差が出てきます。
外交官でも総合職と専門職では、違ってきます。総合職の場合には、平均年収2000万円程となり、専門職は、年収1400万円ほどです。
平均すると年収としては1400万円ほどですが、大使や公使であれば年収は平均2200万円ほどです。
外交官で女性はどのくらい活躍している?
外務省に勤務している女性は約1400人、職員全体の約2割が女性です。他の政府組織と比較しても比較的女性が活躍している場所といえます。
もちろん外交官として海外赴任している女性も少なくなく、実際にキャリアとして働く外交官はキャリア外交官の約3割です。外交官の仕事は海外の様々な国で交渉を行いますが女性ならでは柔らかな物腰などが交渉に役立っているようです。さらに開発途上国では、女性や子供の問題も大きなものとなっているため女性目線での話を展開することができます。
外交官は世界を回って世界平和、日本の安全発展を支える
外交官の仕事は国内や海外で日本国民の安全を守ることはもちろん、それぞれの国の発展に協力することです。海外で活躍したい、世界の平和にかかわる仕事がしたい、といった夢をかなえることができる仕事でしょう。
外交官になるためには、多くのことを学び、知識だけでなく忍耐力なども必要となる仕事です。外交官を目指すのであれば、様々なことに興味を持ち、勉強するだけでなく人間としても成長していくことが大切でしょう。